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黒い罠「Touch of Evil」 [強烈な個性を放つサスペンス]

☆黒い罠「Touch of Evil」
(1958年製作、オーソン・ウェルズ監督・脚本、音楽・ヘンリー・マンシーニ、撮影:ラッセル・メティ
チャールトン・ヘストン、オースン・ウェルズ、ジャネット・リー、マレーネ・ディトリッヒ、エイキム・タミロフ、レイ・コリンズ)
    
冒頭の長回し撮影が有名な作品で、クレジット・タイトルが終わり、爆発事件の後の会話と映像が、衝撃的で受け入れがたい感覚に襲われる。
早口でまくしたてるセリフ、カメラアングル等、気だるく、暑苦しい、重苦しい雰囲気(その場所に身を置きたくないような)を醸しだす。

オーソン・ウェルズは、監督として「市民ケーン:Citizen Kane」「偉大なるアンバーソン家の人々:The Magnificent Ambersons」「上海から来た女:The Lady from Shanghai」等の映画史に残る作品を発表、特に「市民ケーン」は、新聞社、映画雑誌や有名なコラム等で世界の映画ランキング1位に評価される名作として知られる。

映画俳優としての出演作品も多数あり、「第三の男:The Third Man」「白鯨:Moby Dick」「わが命つきるとも:A Man for All Seasons」「パリは燃えているか:Is Paris Burning?」等の名作揃いである。
この作品でも、太った身体をさらに巨漢に見せる為メイクを施し、身体にも綿を詰め見た目から性悪そうな刑事という役作りをしている。

この作品は、簡単に言うと新婚旅行で訪れたメキシコの麻薬捜査官ヴァルガス(チャールトン・ヘストン)が、悪徳警官クインラン(オースン・ウェルズ)の不正を暴くという映画である。
複雑なストーリー、むさ苦しいと感じさせる演出手法や出演者達の演技は、オースン・ウェルズ監督の狙ったものと思うが、観客としては非常にストレスのたまる画像表現となっている。

たまたま遭遇した、地元の有力者爆破殺害事件捜査に、加わったヴァルガスに対し、狡猾なクインラインは、悪事の秘密を知っているギャングでヴァルガスを邪魔者にしているジョー・グランディ(エイキム・タミロフ)と結託し、グランディの部下に指示し、アメリカ側のモーテルに避難していたヴァルガスの妻スーザン(ジャネット・リー)を誘拐する。

ヴァルガスが、クインラインのさまざまな不正に気付き、ねつ造、でっち上げ等で犯人を検挙してきた書類も押収し、検察と協力し内偵を進めていたため、保身を図るクインラインは、ジョーを殺害し、犯人を妻のスーザンに仕立て逮捕させる。

クインラインの不正を暴こうと必死のヴァルガスは、クインラインの相棒に協力を求め、2人の会話を録音し証拠を得ようとする。
最後は、相棒を撃ち逃れようとするが、逆に相棒に撃たれて殺される。証拠のテープには、ヴァルガスの拳銃で相棒を撃つにいたる証拠が残されていた。

緊張感の続くサスペンス作品で、マレーネ・ディトリッヒ、エイキム・タミロフ等の名優が出演、「サイコ:Paycho」出演2年前のジャネット・リーが、スーザンを演じ、美しい姿を見せている。

ねっとりと絡みつくような演出は、生理的に受けつけない観客がいると思うが、映画会社は出来上がった作品に対し、勝手に補修撮影をしたばかりか、時間を短縮し公開したが大不評で、興行的に大失敗となり、オースン・ウェルズは拠点をヨーロッパに移すこととなった。会社が勝手に作品を改ざんしたことに、オースン・ウェルズは58ページに及ぶ書面を送付し、書面に基づき1998年修復版が公開された。

見終わって感じることは、さまざまな手法が駆使されているフィルム・ノワールの傑作という評価の高い作品ではあるが、やはりもっと解りやすく、観やすい作品の方が、素直に共感できたと思われる。

“毎日が映画日和” 75点


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