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タケシ・キタノの優しさあふれる作品 ブログトップ

HANA-BI [タケシ・キタノの優しさあふれる作品]

☆HANA―BI
(1997年制作 北野武監督・脚本・編集・挿入画、音楽:久石譲、撮影:山本英夫、
北野武、岸本加世子、大杉蓮、寺島進、白竜、渡辺哲、薬師寺保栄、大家由祐子、逸見太郎)
   
名作日本映画の1本!!
映像の詩人、北野武監督の感性溢れる心優しい映画。
銃撃シーン、殺戮シーンのスピード感、瞬発力が北野監督の特色で、この映画でも随所に見受けられる。
全編を覆うブルーカラーは、撮影中の偶然の産物と言われているが、間違いなくフランスのジャン・ピエール・メルビルの影響を受けていると思われ、世界的にもキタノブルーとして知られる。
極度に少ないセリフ、見る側に映像を通じて語りかける演出方法は、この映画でも十分に発揮され、「あの夏、静かな海」等の映画にも北野監督独特のタッチが色濃く出ている。

映画に出てくる挿入画が、全て北野監督が描いたとのことで、独特のタッチは芸術性の高さを感じさせ、独特の世界観を生み出している。
凶悪犯を追い詰めながら部下を殺してしまったことや、妻の病院を見舞ったことから、同僚刑事を下半身不随にしてしまったことなどで、警察を退職し、妻のために銀行強盗をしてまで、最後の旅行で妻に尽くそうとする男の物語。

奪った金を亡くなった部下の妻、同僚の刑事へ送り、過去は取り戻せないと知りながら、罪滅ぼしをしようとする。
サングラスの奥から見つめる目は妻に対しては暖かく、ヤクザに対しては冷酷で、両面使い分けるビートたけしの演技力が、秀逸である。

ほとんど言葉を発しない岸本加世子の笑顔が素敵で、最後に話すセリフ、“ありがとう、ごめんね”が、印象的で心に残る。
ところどころで挿入される、ユーモア溢れるシーンの使い方も特徴的で、チェーンを装着するシーンの、水色の手袋が片方雪の中に埋もれているシーンなどつい笑みがこぼれるシーンである。

大杉蓮、寺島進、渡辺哲などのアクの強い俳優達が、印象的な演技を見せている。
ロケ地の風景がとてもきれいなのだが、心の中に隠された心情を表すような、うら寂しい雰囲気が良く出ている撮影で。編集も担当した北野監督のセンスが光る。

ヴェネツィア映画祭金獅子賞受賞(グランプリ)のこの作品は、実に40年振りという快挙を達成し、キタノを世界に知らしめた作品でもある。(日本映画の受賞は1958年「無法松の一生:稲垣浩監督、三船敏郎主演」以来40年振り)

詩情あふれる映画で、このような映画が作れる北野武監督には、是非もう一度世界の映画祭でグランプリを狙ってほしい。

“毎日が映画日和” 90点


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