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馬鹿が戦車(タンク)でやってくる [山田洋次人情喜劇の名作]

☆馬鹿が戦車でやってくる
(1964年製作、山田洋次監督・脚本、原案・音楽:団伊玖磨、撮影:高羽哲夫
ハナ肇、飯田蝶子、犬塚弘、岩下志麻、花澤徳衛、菅井一郎、常田富士男、穂積隆信、小桜京子、高橋幸治、小沢昭一、松村達雄、谷啓、東野英治郎)
   
山田洋次監督初期の作品で、「馬鹿まるだし」「いいかげん馬鹿」馬鹿シリーズの第3作目で、主演は前2作同様ハナ肇である。

日永村の村はずれに住む貧しい農家、とみ(飯田蝶子)、サブ(ハナ肇)、兵六(犬塚弘)の家族にまつわるエピソードを描いた作品で、村八分的な住民感情を皮肉った作品となっている。
題名の戦車は、せんしゃではなく“タンク“となっており、作品のイメージからしても、タンクの方が映画のイメージには合っている。

村人たちが、サブたちを蔑み、軽視するような眼で眺めていることで、後半サブが、怒り心頭に達し、タンクで元地主や村会議員、からかう村人の家を破壊するシーンは、ある種痛快なカタルシスを感じる場面となっている。

弟の兵六役で知的障害者を演ずる犬塚弘が、鳥の鳴き声を常に真似ているのも
自由で差別のない世界への願望を描いているようで、ラスト近く、物見やぐらから空へ向かって旅立っていくところに、山田監督のメッセージが込められているのだろう。

この映画は、釣り船の船長(東野英治郎)が、釣り客(松村達雄、谷啓)に、こんな出来事があったという思い出話として語って聞かせるという構成で、
サブは、兵六の死体を積んで、山向こうの病院へ担ぎ込んだが、死亡が確認されると再び、死体をタンクに乗せて、そのまま海中へ沈んでしまったという物語である。

賑やかな出演陣の顔を見るだけでも楽しい作品となっている。
犬塚弘の飄々とした演技が、なかなか良い。岩下志麻は、サブの唯一の理解者として出演、美しい姿を見せている。
初期の山田洋次監督を語る上で、必見の映画であろう。

“毎日が映画日和” 65点


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馬鹿まるだし [山田洋次人情喜劇の名作]

☆馬鹿まるだし
(1964年製作、山田洋次監督、脚本:加藤泰、山田洋次、撮影:高羽哲夫、音楽:山本直純、原作:藤原審爾「庭にひともと白木蓮」
ハナ肇、桑野みゆき、犬塚弘、桜井センリ、安田伸、石橋エータロー、花澤徳衛、長門勇、清水まゆみ、小沢栄太郎、藤山寛美、渥美清、植木等)
   
山田洋次監督の、松竹時代の初期作品で、ハナ肇とのコンビ作品第1作であり、このあと「いいかげん馬鹿」「馬鹿が戦車でやってくる」「運がよけりゃ」「なつかしい風来坊」「喜劇一発勝負」「ハナ肇の一発大冒険」「喜劇一発大必勝」と作品を発表する。
撮影監督の高羽哲夫とも初めてコンビを組み、このあと「男はつらいよ」他多くの山田洋次作品で撮影を担当した名コンビでもある。

映画の中にも、大衆演劇の出し物として「無法松の一生」が、出てくるが主人公安五郎は、劇中いたく感動するのだが、この作品にも「無法松の一生」へのオマージュ的シーンが随所に垣間見られ、安五郎がご新造さん(桑野みゆき)に、結婚の御礼を述べにくるシーンは、正に無法松を彷彿とさせる場面となっている。

後年、山田洋次監督は、高倉健主演「遥かなる山の呼び声」で、さらに洗練された「無法松の一生」+「シェーン」に近い作品を発表している。

ヒロインを演ずる桑野みゆきは、松竹を中心に子役から活躍した女優で、1967年に結婚により活動を止めた女優さん、25歳と絶頂期に引退、涼やかな瞳のクール美人だった。この作品でも、お人よしの安五郎を暖かく見守る戦争未亡人を演じ、爽やかな演技を披露する。

植木等はナレーターとして、桑野みゆきの子供清十郎を演じていて、映画は清十郎の想い出として綴られ、後半成長した清十郎として出演場面がある。
安五郎演ずるハナ肇は、クレージー・キャッツのリーダーで、当時、植木等は東宝で、谷啓は東映で主演映画がヒットした当時で、この作品には、撮影中の谷啓は出演していないが、他のメンバーは全員出演している。

人懐っこくて、お調子者で、おだてられれば後には引けないお人よしの流れ者を演じていて、ハナ肇の演技者としてのキャリアを確立する記念すべき映画でもあったのでは、ないだろうか。

流れる様な滑らかな“山田節”とまでは、いかないが、人情喜劇の笑いとペーソス溢れる主人公を描いた大変興味深い映画だった。

“毎日が映画日和” 70点



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なつかしい風来坊 [山田洋次人情喜劇の名作]

☆なつかしい風来坊
(1966年制作、山田洋次監督、脚本:森崎東、山田洋次、撮影:高羽哲夫、音楽;木下忠司
ハナ肇、有島一郎、倍賞千恵子、中北千枝子、真山知子、山口崇、松村達雄、鈴木瑞穂、久里千春、犬塚弘、桜井センリ)
   
山田洋次監督の名作である。
ほのぼのとした物語で、うだつの上がらない役所勤めの有島一郎と建設労務者ハナ肇を中心に、人への信頼と心暖まる人情話が綴られる。

粗暴でお人よしの役を得意とするハナ肇は、初期の山田洋次監督作品で主演を務めることが多く、この作品もその中の1本。当時東宝所属の有島一郎が、冴えない中年サラリーマン役を、はまり役の雰囲気で演じていて秀逸である。

途中から物語のヒロインを演ずることとなる、倍賞千恵子が、デビュー5年目頃の作品で、山田作品に数多く出演する名女優初期の作品で、化粧っ気のない顔が印象的。

自殺を救って知り合いとなった源五郎(ハナ肇)と愛子(倍賞千恵子)、見守る早乙女(有島一郎)の何とも不思議な縁を、ちょっと切ないペーソスを織り交ぜながら、早乙女が単身赴任先へ赴任する列車の中で偶然乗り合わせた3人の笑顔で映画はエンドマークへと切り替わって行くが、人間の希望と強さを教えてくれる名場面である。

早乙女の家族や隣人の奥様などが、典型的な日本人の考え方や、風貌や見かけによって人を判断するという特徴を強調する役柄で、中北千枝子や久里千春が芸達者なところを見せる。

主演のハナ肇はこの映画で、多くの演技賞に輝き俳優としての地位を確立していった。63歳とあまりにも若すぎた死だったが、クレイジーキャッツのリーダーとしても強烈な印象を残したバンドマンであり、コメディアンであり、名優であった。
50歳で出演した山田洋次監督「遥かなる山の呼ぶ声」の虻田役も忘れ難い名演技として、印象に残る。

“毎日が映画日和” 70点


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