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Missing (コスタ・ガブラス監督) [不条理なポリティカル・サスペンス]

☆Missing「Missing」
(1982年公開 コスタ・ガブラス監督・脚本、撮影:リカルド・アロノヴイッチ、音楽:ヴァンゲリス 原作:トマス・ハウザー
ジャック・レモン、シシー・スぺイセク、メラニー・メイロン、ジョン・シェア、チャールス・シオッフォ、デヴィット・クレノン)
       
1973年南米チリの軍事クーデターで失踪したアメリカ人ホーマンの実話をベースにしたコスタ・ガブラス監督の力作。

コスタ・ガブラス監督は、一貫して、政治の恐怖、権力の横暴、残虐さをサスペンスフルなタッチで描く。
失踪事件や誘拐、暗殺事件などを題材とし、緊張感溢れるダイナミックな映像表現で知られる。
実話を題材として、「Z」「告白」「戒厳令」、フィクションとして「背信の日々」「ミュージック・ボックス」など、緊張感なくして見られない傑作を生みだしている。

チリの軍事政権発足時の失踪事件を、クーデターの裏で暗躍するアメリカ軍と政府組織の影をちらつかせながら、サスペンスタッチで描いたこの映画は、カンヌ映画祭で、最高賞のパルム・ドールとジャック・レモンが男優賞を受賞し、第55回アカデミー賞では脚色賞を受賞している。

クーデターの大義の下で、多くの市民が犠牲になっていることを、いやおうなく見せつける。
現在でも、このような状況が世界中で起こっていることを思うと、権力という魔力に溺れる政治家や軍人が空恐ろしく思える。

息子の失踪を解決しようとアメリカから探しに来る父親(ジャック・レモン)が、アメリカの正義を信じていたが、次第に大使館や領事館、軍関係者の関与を疑い始め、不審人物として処刑されたことを聞くことになるあたりは、権力の怖さを観客に教えてくれる。“アメリカの利益のため”という大使の言葉がむなしく聞こえる。

撮影は、当然チリでは行えずメキシコシティで行われたらしいが、製作スタッフは大変な困難を強いられたと思われる。ジャック・レモンが熱演。ベテラン俳優は演技派という形容では足りないぐらいで、どんな映画でも役になりきって感動を与える真の演技者である。スペイセクも熱演、ヴァンゲリスの音楽も効果的に使われ、エンドロールで流れる旋律は静かに心を打つ。

若いころ、ガブラス三部作(「Z」「告白」「戒厳令」)を観たが、当時はストーリーを追うだけで込められた監督のメッセージを読み取ることは難しかったが、是非再見したい映画である。はらはらどきどき、疲れた~というのが、素直な感想。     

“毎日が映画日和” 90点

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