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マルタイの女 [伊丹ワールド満開の作品!!]

☆マルタイの女
(1997年製作 伊丹十三監督・脚本、音楽:本多俊之、撮影:前田米造
宮本信子、あき竹城、江守徹、隆大介、西村雅彦、村田雄浩、名古屋晃、六平直政、益岡徹、宝田明、伊集院光、津川雅彦、中谷昇、三谷昇、)

伊丹監督の遺作となった映画。
オカルト集団に所属する団員の殺人事件の現場を、偶然見てしまった女優が証言台に立つことに対して、教団からさまざまな脅迫や妨害があり、その上マスコミに興味本位の報道をされ窮地にたたされるというストーリーで、護衛する2人の刑事と女優とのやり取りが、オーバー気味の演技で芝居っ気たっぷりに描かれていく。

世間を騒がせたオーム真理教をイメージしていたと思われるが、伊丹組の多くのスタッフやキャストが出ている割には、今までの伊丹監督の映画と違いって、全体的に掘り下げ方が浅いためか、満足度が不足している。
原因を、考えてみたのだが、
①悪役のオカルト教団に凄味がないこと。
②悪役のオカルト教団に魅力的なキャラクターがいないこと。
③脚本にもう一つ力がないこと。
結論をいうと、面白さが今までの映画に比較すると無いことだろうか。

興行収入を見ると一目瞭然で、監督作品10作の中で、興行成績が振るわなかった「静かな生活;1,5億円」に次いで2番目の5億円で、“女”シリーズでは、10億に届いていないのはこの作品だけである。(参考「ミンボーの女:15億円」)製作途中や公開後山口組系後藤組の構成員から襲撃を受けたことが、この映画の制作に大きく影響したのだろうが、圧力や妨害などで、ボルテージが下がってしまったのだろうか。

警察側のキャストとしては、護衛役の2人に期待をしたのだが、人物設定にもう一つ共感できなかった。
ちょっと、残念な結果となって終った。
伊丹監督は、1997年12月に突然自殺してしまう。謎に包まれた事件で憶測を呼んだが次回作の準備で、取材を進めていたということだから何とも残念である。日本で数少ないストーリー・テラーだっただけに、伊丹監督が日本映画界から去ってしまったことは大いなる損失と言えるだろう。

”毎日が映画日和“ 65点
       

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あげまん(伊丹十三監督) [伊丹ワールド満開の作品!!]

☆あげまん
(1990年製作 伊丹十三監督・脚本、撮影:山崎善弘、音楽:本多俊之
 宮本信子、津川雅彦、大滝秀治、島田正吾、宝田明、北村和夫、高瀬春奈、
黒田福美、洞口依子、石井光子、金田龍之介、橋爪功、菅井きん)
    
ここ半年で、「マルサの女」「マルサの女2」「スーパーの女」「ミンボーの女」「タンポポ」「大病人」と伊丹監督作品を見てきて感じるのは、他の日本映画とは違う、極上の娯楽作品として描かれ、楽しませてくれることである。
特に、出演陣は安心して見ていられる俳優達が多く、芸達者が揃っている。
テーマとなる題材を徹底して研究し、調査し、脚本化し、演出と非常に凝った映画を見せてくれるのが、伊丹流である。

今回は、「あげまん」がテーマで、銀行マンと捨て子で芸者として育った女性との恋愛の顛末を描いている。
政治家や闇の実力者、銀行マンに絡む女性たちなど盛りだくさんの内容で、少し詰め込み過ぎた感じがしないでもない。
もう少し焦点を絞った方が、見やすかったと思う。

宮本信子は、大奮闘で踊りや仕草、所作を身に付けるだけでも、大変だったろうと思うが、さすがベテランで、りっぱな芸者に見えるから不思議である。
18歳で身請けされるには、さすがに年齢のごまかしが利かなかったが、、、。
銀行マンを思い続け、最後は危機を救ってあげるあたり、あげまんのテーマにぴったりで、愛し続けることの大切さをあらためて教えている。

金田龍之介の僧侶役、島田正吾の影の実力者役、銀行の頭取の大滝秀治、
政治家役の宝田明、北村和夫等のベテラン俳優達が、熱演しており、各自の持ち味を十分に堪能できる。
政治家役の宝田明は、この後の「ミンボ―の女」で、ヤクザに脅されるホテルの総支配人役を演ずるのだが、正反対の役を見事に演じ、芸の幅の広さを見せてくれている。

津川雅彦は、相変わらずで、この俳優は女性が絡む場面になると、生き生きするというか、本領発揮というか、良く似合うし、発散されるオーラが女性にフィットするのか、しっくりくる感じがする。
退屈はしないが、心に残る映画とはならず、残念。

“毎日が映画日和” 80点

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ミンボーの女(伊丹十三監督) [伊丹ワールド満開の作品!!]

☆ミンボーの女
(1992年製作 伊丹十三監督・脚本、音楽:本多俊之、撮影:前田米造
 宮本信子、宝田明、太地康雄、村田雄浩、大滝秀治、伊東四朗、中尾彬、小松方正、田中明夫、不破万作、六平直政、柳葉敏朗、矢崎滋、津川雅彦、柳生博、渡辺哲、三谷昇、結城美栄子、三宅祐司)
      
伊丹監督の娯楽大作。
脚本も良く、出演者たちもキャラクターがぴったりで、面白い作品となっている。
ホテルを舞台に、暴力団との戦い方(対策)を教えてくれる映画で、事業者には必見の映画ではないだろうか。
さまざまな脅しや恐喝の手口、罠に陥れる戦略など非常に参考になる映画。
なるほどとうなずきながら見ている内に、エンドマークとなっていた。

宮本信子が相変わらず、芸達者なところを見せていて、ミンボー専門の弁護士を演じている。
ホテルの暴力団交渉の窓口となる太知康雄と村田雄浩が大熱演で、この映画を見て太知康雄ファンとなった。
初めはおびえていたホテルマンが、徐々に自信がついて最後には、一歩も引かぬ交渉をするようになる、その成長の過程がさまざまなエピソードを織り交ぜながら、描かれる。

暴力団役の顔ぶれが良い。中尾彬、伊東四朗、不破万作、田中明夫、小松方正など見るからに悪そうな役作りで、芸達者が揃っている。(若かりし柳葉敏朗が、つっぱりあんちゃんの役で出演。)渡辺哲が、びっくりの刑事役で楽しそうに演じていれば、宝田明も総支配人役をコミカルな面も見せながら、罠に落ちて脅される役を大熱演している。

何といっても、伊東四朗が傑作で、テレビでは人の良い、刑事なんかを演じているが、こういう役柄の方が似合うし、うまい。中尾彬はもともとヤクザ映画には貴重な人材で、出てくるだけで絵になる。

伊丹監督作品の中でも、娯楽性ということでいえば、「マルサの女」に匹敵する面白さで、話の運びがうまいのがこの監督の特色だが、映画を知り尽くした監督ならでは、というところだろう。

“毎日が映画日和” 90点

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大病人(伊丹十三監督) [伊丹ワールド満開の作品!!]

☆大病人
(1993年公開 伊丹十三監督・脚本、撮影:前田米造、音楽:本多俊之
 三国連太郎、津川雅彦、宮本信子、木内みどり、高瀬春奈、熊谷真実、田中明夫、三谷昇、高橋長英、櫻井淳子、左時枝)
     
映画人伊丹監督が、“お葬式””ラーメンと食””税金””芸者””暴力”に次いで“人間の死”をテーマに、映画製作した作品

俳優兼映画監督向井(三国連太郎)が、映画製作中に体調を崩し、離婚近い妻(宮本信子)の知人の病院の先生(津川雅彦)に診察を頼み、ガンが発見されたことから起こる、さまざまな出来事が、面白く可笑しく描かれる。

・ガンを本人に告知するかどうか
・余命を本人に伝えるかどうか
・病院の立場と病人の立場の違い
・人間の尊厳とは何か
など、深刻になりがちな問題を、明るい語り口で、見る側が疲れないように配慮しながら作っているので、見やすい映画となっている。

当初、ガンを隠し、胃潰瘍と告知されるが、他の入院患者からいろいろ聞かされる中で、ガン治療を受けていることに気づき、病室に愛人を連れ込んだり、看護婦を口説いたり、自殺騒ぎまで起こしたりとやけになるあたりが、ドタバタ調で楽しめる。

ガンは、やはり本人に告知してほしいと思うし、余命6か月とか1年とかになったら、自宅で過ごしたいと思う。
家族や周りへの迷惑もあるが、可能であれば、好きなことをして、好物を好きなだけ食べたいと思う。
やはり最後は、患者の好きにさせてほしいと思うが、、、、。(周りの人達は大変だろうが、、)

特効薬が開発されるかも知れない、急に状況が好転するかも知れない、可能性がある限りは、治療をするというのが、病院の立場だとは思うが、果たして植物人間として生き永らえることが、人間としての尊厳を守ることになるのだろうか。
余命15年前後(男性の健康寿命75歳)となると、考えてしまう問題でもある。
三国連太郎が、大熱演で、相変わらずの上手さを見せれば、津川雅彦、宮本信子、木内みどり、田中明夫等が芸達者なところを見せている。

高瀬春奈が、(伊丹組の常連でもあるが)愛人役を色気満点で、楽しげに演じている。櫻井淳子が、髪の長い少女の役で自転車に乗る姿は、今とは想像もできないほど美しい。最後に皆に見守られながら、息を引き取るというのは、誰しも望むことだと思う。この映画は、そういうエンディングとなっている。

”毎日が映画日和” 75点

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タンポポ(伊丹十三監督) [伊丹ワールド満開の作品!!]

☆タンポポ
(1985年製作 伊丹十三監督・脚本、撮影:田村正毅、音楽:村井邦彦
 山崎努、宮本信子、渡辺謙、役所広司、大滝秀治、黒田福美、津川雅彦、大友柳太郎、岡田茉莉子、井川比佐志、藤田敏八、中村伸郎、橋爪功、田中明夫、高橋長英、加藤嘉、安岡力也)

    
伊丹十三による「シェーン」調西部劇風ラーメン店再生物語。
「来々軒」は店主を亡くし、子連れの未亡人が何とか営業しているものの
ラーメン店としては全くダメで、その再生にトラックドライバーの山崎努と渡
辺謙が協力し、幼馴染の安岡力也や元経営者の加藤嘉などが支援して、行列の
できるラーメン店にしていく。
宮本信子演ずる未亡人は、さしずめ開拓農民の夫に先立たれ子供と暮らす妻と
いう役どころ、流れついたカウボウイの役どころが、山崎努と渡辺謙というと
ころか。悪役は強いて言えばラーメン店大三元か。
麺、スープ、具材、店構え、ユニフォームなどへのこだわりもなるほどと思わ
せるし、当時のラーメンの主流がわかる。(今は濃厚な味が主流)
食と人間がテーマと見えて、食べるということに関係するいくつかのエピソー
ドが描かれている。本筋とは全く関係がなく、伊丹監督の“食べる“というこ
とに対するさまざまな考えが語られている。
・役所広司と黒田福美のカップルのエピソード
・井川比佐志と三田和代夫婦の死に際のチャーハンのエピソード
・ホームレスが、オムライスを子供に作ってやるエピソード
・フランス料理店で、オーダーする際の上司と部下のエピソード
・イタリア料理店での、スパゲティの食べ方のエピソード
・ラーメンを食べる際のこだわりのエピソード
・スーパーで、食品の食感を楽しむ老婆と店員のエピソード
・歯が痛くて思うように食事の出来ない男のエピソード
・赤ちゃんが、授乳する場面を映し出すエピソード
などなど、全て食に関する事柄を描いていて、ちょっとうるさい感じもしたが。
1984年の「お葬式」に次ぐ第2弾で、その後の作品と比較すると完成度が
今一歩のような感じがする。エピソードをいろいろ入れ過ぎて、散漫になった
感じがするのだが、、、、。
出演者は、相変わらず芸達者なところを見せていて、特にフランス料理店のウ
ェイター役の橋爪功の演技が絶妙で面白い。

“毎日が映画日和” 70点

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スーパーの女(伊丹十三監督) [伊丹ワールド満開の作品!!]

☆スーパーの女
(1996年公開 伊丹十三監督・脚本 音楽:本多俊之、撮影:前田米蔵、浜田毅他2名   宮本信子、津川雅彦、伊東四朗、金田龍之助、矢野宣、六平直政、高橋長英、三宅祐司、あき竹城、松本明子、柳沢慎吾、ヨネスケ、渡辺正行、不破万作、野際陽子、原日出子、絵沢萌子、小堺一機、伊集院光、岡本信人)
     
伊丹監督のヒット作品の1本で、ダメなスーパーを同級生の力を借りて立て直していく物語。

得意の面白くて可笑しい映画にし上がっており、スーパーでの買い物には大変勉強になり、参考になる映画。
主演は、常連の宮本信子と津川雅彦で、ダメなスーパーの専務と助ける同級生という役を楽しそうに演じている。

観客の憎悪を一手に引き受けるのが、矢野宣、六平直政、不破万作、伊東四朗の悪人達で、それぞれ持ち味を最大限に発揮し笑わせてくれる。“安売り大魔王”の社長役の伊東四朗は、芸達者なところを見せ、スーパーのお客様をだます手口をあれこれ紹介してくれるし、さまざまな悪行を仕掛ける悪徳社長を堂に入った演技で楽しませてくれ、凄味さえ感じる。脚本を理解し、監督の意図を良く理解している証だろう。

宮本信子を助ける松本明子他のレジ係達やバックヤードのあき竹城達が面白い。柴田理恵(売れる前)他のお客様も絶妙の演技。
やはり、伊丹監督の脚本が良く出来ていて娯楽作品として完成度が高いせいか、出演者たちが生き生き見える。

津川雅彦と宮本信子の掛け合いで、ベッドを共にするのかしないのかとちょっと不要な場面があるものの、わかり易く楽しい映画となっていて、1級のエンターテイメント作品としてもっと評価が高くても良い映画だと思う。
1984年の「お葬式」以来、最後の作品1997年の「マルタイの女」まで、13年間で10本の作品を発表しており、日本におけるヒットメーカーとして確固たる地位を築いていたことを思うと、1997年の不可解な死は非常に残念だった。未見の映画を含め、全作品をもう一度見たい監督である。

“毎日が映画日和” 80点

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マルサの女2 [伊丹ワールド満開の作品!!]

☆マルサの女2
(1988年公開 伊丹十三監督・脚本、撮影:前田米造、音楽:本多俊之  宮本信子、三国連太郎、津川雅彦、大地康雄、丹波哲郎、益岡徹
桜金造、加藤治子、柴田美保子、上田耕一、不破万作、南原宏治、岡本麗、中村竹弥、小松方正、岡本信人、石田玄太郎、小鹿番、きたろう、高橋長英、洞口依子、三谷昇、笠智衆)
     
「マルサの女」に続くシリーズ第2作。

伊丹監督の語り口の上手さは相変わらずで、宗教法人を隠れ蓑に、脱税の手口やビル建設に絡む地上げの方法などをわかり易くコメディタッチで見せる。
やくざを操る宗教法人の幹部役上田耕一、議員の小松方正に絡むやくざの不破万作などの俳優達が熱演賞ものの演技を繰り広げる、地上げで脅される食堂の主人(小鹿番)や写真家(石田玄太郎)が、絶妙の演技を披露し楽しませてくれる。

前半は、宗教法人天の道教団率いる館長鬼沢(三国連太郎)の生き様やさまざまな金儲けの手口をテンポ良く描き、関係する人物達も手際良く紹介する。
後半は、国税査察部と天の道教団の攻防を描く。裏に潜む代議士や企業、金融機関へメスは入らず、実行部隊の幹部ややくざが殺され、鬼沢も命を狙われたことから、釈放され観客からするとちょっとストレスの残るエンディングとなってしまった。

伊丹監督は、バブル期の地上げ等の裏に潜む巨悪は、隠れていて暴けないのだということを訴えかったのかもしれない。
主演の宮本信子、津川雅彦は、前作に引き続き同じ役で好演。三国連太郎の演技は、熟練の上手さというよりも凄味を感じる演技で、圧倒的な存在感である。取り調べ室で開き直るあたりの演技は、圧巻の迫力。

目立たないが、柴田美保子が艶っぽい演技を見せ好演。丹波哲郎、岡本麗、中村竹弥、小松方正、大地康雄、益岡徹他それぞれ持ち味を発揮、チョイ役でさまざまな俳優が顔を出していてそれを見るだけでも楽しめる。(笠智衆も出演していてうれしい。)

“毎日が映画日和”85点

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