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マルサの女 [伊丹十三監督の傑作]

☆マルサの女(1987年公開 伊丹十三監督・脚本 音楽:本多俊之 撮影:前田米造  宮本信子、山崎努、津川雅彦、大地康雄、芦田伸介、小林佳樹
(室田日出男、佐藤B作、伊東四朗、小沢栄太郎、大滝秀治、岡田茉莉子、絵澤萌子、杉山とく子、マッハ文朱、桜金造、高橋長英)

着眼点が素晴らしい。国税局を映画のテーマにするという発想に脱帽である。
伊丹監督の徹底したリサーチが生かされている映画で、脱税の手口に驚いたり、感心したり非常に興味深い内容で面白い。

前作「お葬式」がヒットし、税金を沢山とられたので、税金をテーマにしたとの逸話が残っている。
音楽が画面の演出と良くリンクしていて、映画全体の雰囲気を作っている。
テーマがテーマだけに、コメディ的要素を取り入れ、深刻にならず気楽に楽しむようにとの配慮を感じる。出演陣も豪華で、それぞれ持ち味を引き出しており、日頃の監督の観察眼の確かさを証明している。
     
山崎努が素晴らしい。金儲けにため、さまざまな手口で奔走するが、愛人と子供に手を焼き結局は愛人からの密告で査察を受ける羽目となる。
愛人剣持和江とのなまめかしい情事のあとに、愛人が後ろ姿で歩く場面で、腿の間からティッシュがはみ出し見えているシーンは何ともエロチックでリアル、情事のあとの雰囲気をこんなに出している場面はかつて見たことない。

伊東四朗のパチンコ経営者とのやり取りや、食料品店の奥さん役杉山とく子とのやり取りなど抜群の面白さ。芦田伸介が、暴力団の親分を演じていて笑えるキャラクターだが、さすがベテランの存在感で画面をくぎ付けにしてしまう。

権藤が絡む商売への脱税容疑で、暴力団、銀行、政治家が絡んだ大型脱税を暴くストーリーでさまざまな手口が紹介される。権藤の愛人が、通帳や印鑑を隠し、隠し金庫の鍵を内縁の妻に持たせるなど、犯罪と女はつきものなのだが、踏み込まれて押収される印鑑に対して、“それは私の物”とすがる愛人に、女のしたたかさと哀れさを感じる。
大ヒットとなり、「マルサの女2」が、製作され、その後も「スーパーの女」「マルタイの女」へと続く。
この映画のもう一方の主人公、宮本信子が服装や風貌に無頓着な査察官を演じているが、優れた演技力がこのキャラクターを生かし、宮本信子の代表作となった。「マルサ」ということばを世間に知らしめることとなった映画でもある。

127分と2時間を超える作品だが、日本映画には珍しく長いと感じない映画だった。伊丹監督は、俳優としても活躍し「北京の55日」「ロード・ジム」というハリウッド大作にも出演している。映画をどうしたら面白くなるか、知りつくした人だったのではないだろうか。
“映画はみんな面白い” 文句なく100点



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