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沓掛時次郎 遊侠一匹 [股旅映画の傑作!!]

☆沓掛時次郎 遊侠一匹(1966年公開 加藤泰監督 脚本:鈴木尚之、掛札昌裕 音楽:斎藤一郎 撮影:古谷伸 原作:長谷川伸
中村錦之介、池内淳子、渥美清 東千代之助、弓恵子、清川虹子)

加藤監督、中村錦之介主演では長谷川伸作品で「瞼の母」があり、今回は2作目ということになる。
東映の時代劇俳優として確固たる地位を築いた錦之介が、時代の流れとともに時代劇が衰退し、やくざ映画が台頭する中で東映首脳陣に掛け合って制作した映画で、わかりやすく、簡潔にまとまっている。

やくざ渡世の非情さやあわれさが描かれ男女間の切ない情感もたっぷり描かれる名作である。渥美清が、画面をさらう儲け役で出演している。池内淳子はあまり好きな女優ではないのだが(女の可愛い面をあまり感じない女優)、この映画では女性の切ない情念を出し、せつなさが良く出ていて、好感が持てる。
最後に、病の床で唇に紅を差す場面では切なすぎて思わず、涙がこぼれる名場面である。一宿一飯の仁義で、夫を殺した時次郎と知り合い、心が魅かれていく薄幸の女性の役を見事に演じきっている。
 
柿を渡し舟で渡すシーンや櫛をめぐるシーンなど、観客が印象に残る名場面も残し、加藤泰監督は全編ローアングルからの撮影と言っても良いような独特の加藤美学を表現する。
陰翳のあるセットは、四季を見事に表現しているし、独特の映像美を醸し出す。時代考証も見事で、郭のセットや清川虹子演ずる宿屋のセットなど雰囲気が良く出ている。

渡世人時次郎が、やくざ稼業のその虫けらのような扱いに嫌気がさし、最後は刀を捨てて、残された子供とともに故郷へ帰って行く。できることなら、そこにおきぬさんも一緒に、いて欲しかったと思うのは私だけではないだろう。
中村錦之介も、このころはまだ、「柳生一族の陰謀」のような、オーバーアクションではない演技で入魂の作品となっている。大作ではないが、見応え十分の股旅物の傑作であろう。

“映画はみんな面白い” 85点

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