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バリー・リンドン「Barry Lyndon」 [時には芸術でも!!]

☆バリー・リンドン「Barry Lyndon」
(1975年制作 スタンリー・キューブリック監督、脚本:スタンリー・キューブリック、撮影:ジョン・オルコット、音楽:レナード・ローゼンマン、
原作:ウィリアム・メイクピース・サッカレー
ライアン・オニール、マリサ・ベレンスン、ハーディー・クリューガー、パトリック・マギー)
    
3時間を超えるスタンリー・キューブリック監督の超大作。
18世紀半ばにアイルランドの農家に生まれたレドモンド・バリーが、紆余曲折を経て、片足を切断しイギリスを追われるまでを描いている。
アカデミー賞撮影賞、美術賞、音楽賞、衣装デザイン賞を受賞、作品賞、監督賞、脚色賞にノミネートされている。

惜しむらくは、ライアン・オニールに魅力がないことと、上映時間が長すぎたことか。
第1部は、親戚のノラに横恋慕したバリーが、村を追いだされ、兵役に付き七年戦争に従軍するが嫌気がさし、将校になりすましアイルランドへ戻ろうとする途中、プロイセンの将校に見破られ、プロイセン軍で従軍。その将校を助けたことで軍隊を脱出、警察のスパイとして働くが、国外退去しギャンブルで食いつなぐ中でレディ-・リンドンに出会い、夫が亡くなると1年後に結婚しバリー・リンドンとなるまでが描かれる。

第2部は、爵位を受けようとさまざまな方面に働きかけるため資産を食いつぶすが、義理の息子との確執から周りの支援を得ることが難しくなり、実の息子を失った悲しみもあり、義理の息子と決闘の末、結局片足を失いレディ・リンドンには会うこともなく、母と共にイギリスを去って行く。

波乱万丈の人生の軌跡を綴る映画だが、時代設定に合せた衣装や美術、ロケ地の舞台設定などが素晴らしい。蝋燭の炎だけで撮影したという室内シーンは、その時代にいる様な雰囲気にさせ、とても蝋燭の炎だけとは思えない画像を見せる。衣装も見事で、女優陣の衣裳だけでなく男優陣の衣裳も徹底してリサーチされていることがよくわかる。

レディ・リンドン役のマリサ・ベレンソンの美しさが際だっているが、モデル出身だけあって、見事な美貌とスタイルである。ハーディー・クリューガーが、プロイセンの将校役を貫録十分に演じて、健在ぶりを見せている。
スタンリー・キューブリック監督は作品が少なく、「博士の異常な異常」「2001年宇宙の旅」「時計仕掛けのオレンジ」「シャイニング」「フルメタル・ジャケット」「スパルタカス」などは映画史に残る作品として評価が高い。

“毎日が映画日和” 80点


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宮廷画家ゴヤは見た「Goya's Ghost」 [時には芸術でも!!]

☆宮廷画家ゴヤは見た「Goya’s Ghost
(2007年公開、ミロス・フォアマン監督・脚本ジャン・クロード・カリエール、音楽:ヴァルハン・バウアー、撮影:アダム・ブーム   ハビエル・バルデム、ナタリー・ポートマン、ステラン・スカルスガルド、マイケル・ロンズデール、ホセ・ルイス・ゴメス)

寡作の監督「ミロス・フォアマン」の力作で、見応え十分の映画である。
18世紀末から、19世紀初頭にかけてのスペイン、マドリードを舞台とした異端審問をめぐる壮大なドラマを、画家ゴヤを語り部役として裕福な商人の娘と信念が変遷する修道士を通して、当時の混沌としたスペイン王室と周辺諸国やカトリック協会の闘争を描く。

当時の色合いや時代感覚が良く出ている美術や衣装、細部までこだわった演出、さすがは1975年(カッコ―の巣の上で)、1984年(アマデウス)2度のアカデミー監督賞受賞者である。

スペインの生んだ2人の偉大なる画家(ベラスケス、ゴヤ)の一人、ゴヤのことが良くわかる映画で、82年の生涯を送ったゴヤだが、40歳を超えて宮廷画家としての地位を確立し、聴力を失ってしまうが、「裸のマハ」「着衣のマハ」「カルロス4世の家族」「マドリード1808年5月3日」「巨人」等々の名画の多くは、聴力を失ってから描いているとのこと。

映画は、ゴヤを中心として描かれ、濡れ衣で囚人となり獄中で子供を出産するイネスに、ナタリー・ポートマンが扮し娘役(アリシア)の2役で大熱演。修道士ロレンゾ役に、ハビエル・バルデムが独特の風貌を生かし、さすが演技派の面目躍如たる演技を見せる。(ペネロペ・クルスの旦那さん)
最初コリン・ファースかと思ったほど良く似ている、ステラン・スカルスガルドがゴヤ役。スゥエ―デン出身の舞台俳優で、近年は世界中の映画に出ている実力派、約20年にわたりハリウッド他で活躍中とのこと。

映画は、ハビエル・バルデム演ずる修道士ロレンゾが、野心に燃え異端審問を始めるが、美貌の娘を審問で異端者としたことから、娘の父親の逆襲に合い、欲望に負け自らも異端者となってしまう。異端者であることを認めた書面を国王にまで見られてしまい、拘束を恐れたロレンゾは、スペインを脱出し、フランスでナポレオンに寝返る。ナポレオンのスペイン侵攻に乗じて、権力を得たロレンゾは、家族共々スペインに戻り、ナポレオンの兄ジョゼフの側近としてカトリック協会を裁くが、過去に神職にありながら性行の罪を犯しその上、子供までいたことを知り、その事実を隠そうと暗躍する。
     
権力を持ったものの最後のあがきが、怖い映画でもあるがイギリス軍の侵攻で、再びスペインはカトリック派が権力を握り、ロレンゾは捕まってしまう。15年の長きにわたり牢獄ですっかり年老いたイネスはそれでも、ロレンゾを信じ、子供の存在を信じ続ける。ロレンゾは再度カトリックへの宗派変えをすれば、罪を許すとの神父の言葉に反し処刑される。処刑され死体となったロレンゾの荷車の後をついて行くイネスを、ゴヤは最後まで見届けようと後をついていく。

神の存在、人間の存在を問いかけ、イネスとロレンゾのこどもアリシアは、娼婦となり逞しく人生を生きぬいている。結局、フォアマン監督は親子の対面をさせなかった。
さまざまなことを考えさせられる映画で、映画は芸術であることを感じさせてくれる作品。

“映画はみんな面白い” 90点

 

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