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わが命つきるとも「A Man for All Seasons」 [フレッド・ジンネマン監督の名作]

☆わが命つきるとも「A Man for All Seasons」
(1966年制作、フレッド・ジンネマン監督、脚色・原作:ロバート・ボルト、撮影:テッド・ムーア、音楽:オルジュ・ドルリュー
ポール・スコフィールド、ロバート・ショウ、スザンナ・ヨーク、ウェンディ―・ヒラー、レオ・マッカーン、ナイジェル・ダヴェンポート、ジョン・ハート、ヴァネッサ・レッドグレーブ、オーソン・ウェルズ)    
   
世界名作映画の1本!!

トマス・モア(1478年―1535年)は、英国に実在した法律家、思想家で、国王ヘンリー8世の下で、官職で最高位の大法官として仕えながら、国王の王妃との離婚、アン・ブーリンとの結婚を承認しなかったことで、ロンドン塔に幽閉され、反逆罪で処刑された信念の人である。

この映画は、トマス・モアの誠実な人柄を描写しつつ、権力に媚びる人間の権謀術策と自らの信念に基づき信仰に命を捧げる人間を描いた重厚な歴史ドラマとなっている。

フレッド・ジンネマン監督作品の多くは、今では古典的名作として知られる作品ばかりで、「山河遥かなり:The Search」「真昼の決闘:High Noon」「地上より永遠に:From Here to Eternity」「オクラホマ:Oklahoma!」「尼僧物語:The Nun’s Story」「日曜日には鼠を殺せ:Behold a Pale Horse」「ジャッカルの日:The Day of the Jackal」「ジュリア:Julia」等見応えある作品ばかりである。(個人的には、「ジャッカルの日」が大好き)

この映画は、多くの映画祭等での評価も高く、アカデミー賞8部門ノミネートで、6部門(作品賞、監督賞、主演男優賞、脚色賞、カラー撮影賞、衣装デザイン賞カラー映画部門)を受賞している。(ノミネートは、2部門で助演男優賞:ロバート・ショウ、助演女優賞;ウェンディ―・ヒラー)
主演のトマス・モアを演じたポール・スコフィールドは、もともとは舞台俳優出身で、シェークスピア劇の俳優として知られ、この役は舞台でも演じ、1962年トニー賞を受賞している。

誠実で思慮深い信念の人というキャラクター作りは、正に適役で共感を呼ぶ。
この映画では、敵役となるクロムウェル(レオ・マッカーン)は、ヘンリー8世への忠誠を示す為、トマス・モアに宣誓させようとするが、果たせず偽証による有罪へと導く役として描かれている。イングランドの法的な改革や国王の権限等の改正に重要な役割を果たした政治家で、1540年には、反逆罪で逮捕され、処刑されている。

ヘンリー8世を演じた、ロバート・ショウの演技はいかにも権力を持つ、我儘な国王という雰囲気を醸し出していて豪快。スターダムへ駆け上がって行く頃で、アカデミー賞にノミネートされ、俳優としての名声が高まった作品。
オースン・ウェルズ、ジョン・ハート、スザンナ・ヨークなど英国の名優たちが、脇役として出演、ほんの一瞬だが、アン・ブーリンの役で、ヴァネッサ・レドグレーブが出演している。

トマス・モアの妻を演じたウェンディ・ヒラーは、「オリエント急行殺人事件:Murder of the Orient Express」のドラゴミノフ侯爵夫人役で強烈な印象を残したが、もともとは舞台女優で、1958年「旅路:Separate Tables」アカデミー賞助演女優賞を受賞している名女優である。
実力ある俳優達をキャスティングし、歴史の一端を垣間見せてくれる質の高い、品格のある映画で、テッド・ムーア撮影監督の手腕も存分に発揮されていて、映画の作品価値を一層高めている。

美術や衣装も見事で、フレッド・ジンネマン監督の妥協を許さない映画作りが堪能出来る、名作中の名作である。

“毎日が映画日和” 文句なく百点(自らの信念を貫く人間を描いた傑作、満点!!)

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尼僧物語「The Nun's Story」 [フレッド・ジンネマン監督の名作]

☆尼僧物語(The Nun’s Story)
(1959年公開 フレッド・ジンネマン監督 脚本:ロバート・アンダーソン 撮影:フランツ・プラナー 音楽:フランツ・ワックスマン
オードリー・ヘプバーン、ピーター・フィンチ、イーデス・エヴァンス、ペギー・アシュクロフト)

フレッド・ジンネマン監督の傑作。ジンネマン監督の映画は、数々の賞やノミネートに輝く傑作揃いである。
作品数は少ないが、楽しければ良いとか、おもしろければ良いという類の映画とは一線を画す作品ばかりである。たびたび映画会社上層部と衝突したとのことで、信念の人でもあるのだろう。ジンネマン映画では、信念に基づき己の考えを貫き通す主人公が描かれ、映画の構成が骨太でジンネマン独特の品格を感じさせる作品が多い。
          
「山河遥かなりなり」「真昼の決闘」「地上より永遠に」「尼僧物語」「日曜日には鼠を殺せ」「わが命つきるとも」「ジャッカルの日」「ジュリア」とどれも傑作ばかり。未見の「暴力行為」「オクラホマ」「夜を逃れて」「サンダウナーズ」「氷壁の女」も早く見てみたい。

オードリー・ヘップバーンの映画の中で、なかなか見る機会のなかった1本で、ヘップバーンのイメージと違う感じがして何故か見損ねていた。“神”への忠誠を誓い、人生を”神“の妻として捧げる尼僧の物語。
修道院へ入るため家族と別れる冒頭部分から、自分の心との葛藤から修道院を離れるラストまで、息も尽かせぬ場面が展開していく。これぞ映画!!

CGや過激な描写で観客をひきつけるしか映画がつくれない制作者達に是非見てほしい映画の一つである。時代背景の描き方、美術や舞台セットなども違和感なく、見事に映画に同化しこの作品の“質”を高めている。

主人公を演ずるヘップバーンに多くの登場人物たちが、さまざまな影響を与えるが、そういう中で、父親を殺害されることで、敵への”慈悲“の心が持てなくなり修道院を離れていくラストシーンが、”神”とは何かを問いかけている。
アカデミー賞では多数候補になりながら、受賞は逃しているが賞は関係なく心が揺さぶられる映画である。

デビット・リーン監督と並び称される一流監督であり、その作品は練に練られた脚本と入念で周到な準備をしていることが良くわかる。 オードリー・ヘップバーンが、演技派女優の一面を見せてくれるが、ヘップバーンにはやはり笑顔が良く似合う。(この映画の役には、あまり笑顔が無い)

”毎日が映画日和“ 90点


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