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ダイヤモンド作戦「Operation Amsterdam」 [ググッと胸に迫る大人のサスペンス!!]

☆ダイヤモンド作戦「Operation Amsterdam」
(1959年制作 マイケル・マッカーシー監督、脚色:マイケル・マッカー
シー、ジョン・エルドリッジ、撮影:レジナルド・ワイヤー、音楽:フィリッ
プ・グリーン、原作:デヴィット・ウォーカー
ピーター・フィンチ、エヴァ・ヴァルトーク、トニー・ブリットン、アレクサ
ンダー・ノックス、マルコム・キーン、ティム・ターナー)
   
イギリス、オランダ両政府の承認で、アムステルダムの宝石商たちの持つダイ
ヤモンドを、ドイツ軍の手から守るためイギリスへ運ぼうとする3人の特務任務隊員
の活躍を描く戦争サスペンス。

アムステルダムに英国の駆逐艦で潜入し、ダイヤモンドを集め、オラン
ダ兵に変装しているドイツ軍の捜査の眼をくぐり、無事に脱出できるかどうか
というサスペンス作品である。

全体的に淡々としたタッチで、もう一つ盛り上がらない。
ピーター・フィンチやトニー・ブリットン、アレクサンダー・ノックスの3人
が、任務を帯びてアムステルダムへ潜入するのだが、ディロン少佐以外の2人
の役割が、もう一つはっきりしないし、地下組織とドイツ軍の戦いの描きかた
も、中途半端で迫力が不足している。

自殺しようとしていた女性、アナが3人をさまざまと助けるのだが、(恋人が戦死
したのかどうか、良くわからなかったが)彼女の立場と思いが良く理解できな
かった。

モノクロではあるが、ヤンの父のオフィスや宝石商達のクラブなど、重厚な
室内で、美術スタッフの努力が忍ばれる画像を見せる。
正直いって、もう少し面白いかと期待していたのだが、期待度が高過ぎたのか、
ちょっと肩透かしを食らった感じ。
ドイツ軍にとってのダイヤモンドの利用価値とかを、もう少し描いてくれると
サスペンス力が盛り上がったと思うのだが、、、、、。

ヤンとアナのほのかな恋心の描き方も中途半端で、いっその事ロマンス部分を排除した
方がすっきりしたのではないだろうか。
監督は良く知らないが、英国の名優ピーター・フィンチや名脇役アレクサンダー・ノックス等が出演、渋い俳優達が渋い映画で共演している。

“毎日が映画日和” 60点



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狼たちの街「Mulholland Falls」 [ググッと胸に迫る大人のサスペンス!!]

☆狼たちの街「Mulholland Falls」
(1996年製作、リー・タマホリ監督、脚本:ピート・デクスター
音楽:ディヴ・グル―シン、撮影:ハスケル・ウェスクラー、
ニック・ノルティ、メラニー・グリフィス、チャズ・バルミンテリ、マイケル・マドセン、クリス・ベン、トリート・ウィリアムズ、アンドリュー・マッカーシー、ジェニファー・コネリー、エド・ローター、ルイーズ・フレッチャー、
ジョン・マルコビッチ、ブルース・ダーン、ロブ・ロウ)
    
1950年代ロサンゼルス市警の刑事チームを描いた、ハードボイルドタッチのアクション作品。
「007ダイ・アナザー・デイ:Die Another Day」やアレックス・クロス博士の活躍を描いた「スパイダー:Along Came a Spider」等、キレのあるアクションを得意とするニュージーランド出身のリー・タマホリ監督が、メガホンを握っている。

1950年台のファッションや車など時代考証がしっかりされており、4人の刑事たちの雰囲気が良い。フーバーの相棒役エラニ―を演ずるチャズ・バルミンテリが、なかなか好演で、良い味を出している。
あまり、活躍の場面はなかったが、マイケル・マドセンなど画面に登場するだけで、何かやってくれるのではないかとワクワクする。

主人公のフーバー(ニック・ノルティ)が、一度は愛したアリソン(ジェニファー・コネリー)が死体で発見されたことから、アメリカ軍の原子力施設に隠された陰謀を知ることになる。
殺人事件の鍵を握る将軍として、ジョン・マルコビッチが凝った演技を見せる。
将軍の部下のネイサン大佐役でトリート・ウィリアムズが出演、事件の実質的な犯人役として存在感を見せている。

ニック・ノルティの妻キャサリン役メラニー・グリフィスは、相変わらずの演技で、ゴールデンラズベリー賞(最低映画賞)の常連だけあって、今作でもゴールデンラズベリー助演女優賞を受賞、彼女のエピソードは、この作品には必要なかったし、作品の流れを止めてしまっている。彼女のアンニュイな表情も見飽きた感じ。

アリソン役ジェニファー・コネリーが、素敵でその魅力を余すところなく発揮している。14歳から映画で活躍する女優で、毎年のように映画出演を続ける売れっ子女優である。日本のコマーシャルにも多数出演している。
出演者の顔触れが賑やかで、ダニエル・ボールドウィン、アンドリュー・マッカーシー、エド・ローター、ルイーズ・フレッチャー、ウィリアム・ピーターセン、ロブ・ロウ、ブルース・ダーン等、曲者揃いが、映画を盛りあげている。

“毎日が映画日和” 75点

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オリエント急行殺人事件「Murder on the Orient Express」 [ググッと胸に迫る大人のサスペンス!!]

☆オリエント急行殺人事件「Murder on the Orient Express」
(1974年製作、シドニー・ルメット監督作品、脚本:ポール・デーン
音楽:リチャード・ロドニー・ベネット、撮影:ジェフリー・アンスワース
原作:アガサ・クリスティ「オリエント急行の殺人」1934年ポワロ8作目
アルバート・フィニー、リチャード・ウィドマーク、アンソニー・パーキンス、ジョン・ギールグッド、ショーン・コネリー、ヴァネッサ・レッドグレープ、ウェンディ・ヒラー、レイチェル・ロバーツ、ローレン・バコール、イングリッド・バーグマン、マイケル・ヨーク、ジャクリーン・ビセット、コリン・ブレイクリー、デニス・クイリー、ジャン・ピエール・カッセル、ジョージ・クールリス、マーティン・バルサム
     
あまりにも有名なアガサクリスティ原作「オリエント急行の殺人」の映画化。
メイキング映像を見ると、アガサ・クリスティは原作の映画化に否定的で、それまでの映画化も嫌いだったということを、孫の男性が語っている。

製作プロデューサーを務めたイギリス女王の従兄弟ジョン・ブラボーン卿が説得したことで映画化に許可が出たとのこと。
クリスティは、考古学者の夫マックス・マローワンと試写にも参加し、満足した様子で(夫と一緒で古いものはいいわ)といったとか。
ジョン・ブラボーン卿は、その後もクリスティ作品をプロデュース(「ナイル殺人事件:Death on the Nile」「クリスタル殺人事件:The Mirror Crack’d」「地中海殺人事件:Evil under The Sun」)している。

5年前の誘拐事件が、事件の根底にあり、複雑なプロットが物語に重厚感を醸し出し、豪華なキャスティングに彩られたアガサ・クリスティーの世界が堪能出来る。

アメリカロングアイランドの富豪で戦争の英雄アームストロング大佐の屋敷から、当時3歳のデイジー・アームストロングが誘拐され、20万ドルの身代金を要求され、死体で発見されるという事件が起こる。ショックを受けたデイジーの母親が出産で男の子を死産、そして自身も死亡した。メイドが共犯者の汚名を着せられ自殺、アームストロング大佐も拳銃自殺を遂げる。
ここまでのストーリーを実写と新聞記事を使い、効果音と映像テクニックを駆使して見せる冒頭が、解りやすく期待を抱かせるスリリングな滑り出し。

5年後、ポワロはイスタンブールで、ロンドンへ帰るためボスボラス海峡を渡るフェリーに乗船していた。ホテルで、オリエント急行の重役ビアンキ(マーティン・バルサム)と出会い、オリエント急行に何とか潜り込む。
乗客が次々と客車に乗り込む場面では、主要なメンバーのイメージを見て取れるような演出が見事で、食材を積み込む場面なども、臨場感が溢れている。
シドニー・ルメット監督が、最も難しかったと語っているオリエント急行の出発場面、ミステリーを乗せて滑り出す。

イングリッド・バーグマンは、オファーされた役(ドラゴノミフ侯爵夫人)を断り地味な宣教師オルソン役を希望し、見事アカデミー賞助演女優賞を獲得、控え目で信仰心の篤い女性を演じた。
ローレン・バコールが、アームストロング大佐夫人の母親で元女優役、アンドレイニ伯爵夫人は、実はアームストロング夫人の妹という設定で、美しさが最高潮のジャクリーン・ビセットが演じている。

ショーン・コネリーが、アームストロング大佐の親友役、アームストロング家のコックだったヒルデガルド役にレイチェル・ロバーツ、運転手役にデニス・クイリー、自殺したメイドの親にジャン・ピエール・カッセル、メイドの恋人だった男性にコリン・ブレイクリー、アームストロング夫人に支援を受け母親の様に慕っていたマックィーン役には、アンソニー・パーキンス、個人教師をしていた女性をヴァネッサ・レッドグレイブ、アームストロング夫人が孫娘だったドラゴノミフ公爵夫人のウェンディ・ヒラー、アームストロング大佐の侍従役だったベドウズ役に、ジョン・ギールグッドと凄い俳優達がキャスティングされている。

殺されるラチェット(ディジー事件の黒幕だったカッセッティというマフィアのボス)役に、リチャード・ウィドマークという配役は、プロデューサーが語るように、製作費の半分は出演料だったというほどの豪華さである。

12人の陪審員による復讐劇で、雪に閉じ込められたオリエント急行内で行われる惨劇ミステリー謎解きの128分は、映画ファンで良かったことを感じる至福の時間である。
制作当時、オリエント急行は運行しておらず、ベルギーの展示館にあった客車を参考に、全て美術スタッフが再現した車内で撮影したとのこと。

映画製作人の、技術と情熱を感じられる作品で、第47回アカデミー賞で6部門ノミネート(助演女優賞受賞)も頷ける力作である。

シドニー・ルメットは、アカデミー賞監督賞ノミネート5回、脚色賞1回の
名匠で、「十二人の恐れる男:12Angry Man」「セルピコ:Serpiko」「狼たちの午後:Dog Day Afternoon」「ネットワーク:Network」「評決:The Verdict」「プリンス・オブ・シティ:Prince of the City」「丘:The Hill」「ファミリー・ビジネス:Family Business」「その土曜日、7時58分:Before The Devil、Knows You’re Dead」等キレのある、時代背景を取り入れた現代劇を得意とした監督で、「オリエント急行殺人事件」では、1930年代の豪華な衣装に身を包み、クラシカルな雰囲気に作品を作りあげ、その力量を存分に発揮している。

良く知られた原作で、ベストセラー小説の映画化は、結末が知られているだけに、観客を飽きさせない脚本、演技力、美術、装飾、照明、音楽等観客の目を捉えて離さない総合的な演出力が必要となるが、シドニー・ルメットの演出力と構成力は、そんな懸念を吹き飛ばす傑作となっている。

ポワロ役のアルバート・フィニーは、王立演劇学校出身で舞台役者として活躍、これまでアカデミー賞主演男優賞・助演男優賞に5度ノミネートを誇る名優である。英国アカデミー賞、ヴェネツィア国際映画祭男優賞、ベルリン国際映画祭男優賞、ゴールデングローブ賞男優賞と評価の高い俳優である。
ポワロ役は、この作品限りとなるが、原作の特徴を捉えた役作りは、秀逸で歯切れの良い、鋭いポワロ像を演じていて、必見である。

“毎日が映画日和” 100点(文句なく満点です!!)


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国際諜報機関「The Secret Ways [ググッと胸に迫る大人のサスペンス!!]

☆国際諜報機関「The Secret Ways」
(1961年製作。フィル・カーソン監督、脚本:ジーン・ヘイズルウッド、撮影:マックス・グリーン、音楽:ジョン・ウィリアムズ、原作:アリステア・マクリーン:最後の国境線
リチャード・ウィドマーク、ソニア・ツィーマン、センタ・バーガー、シャルル・レニエ、ハワード・バーノン、ウォルター・リラ、ヒューバート・フォン・フィーテル)
   
リチャード・ウィドマークが、製作にも名を連ね、作家アリステア・マクリーンの1959年発表の「最後の国境線」を映画化した渋い作品。
ハンガリーの首都ブタペストを舞台にした、スパイ・サスペンスで、非常に地味なタッチで、ジャンルは同じでも、007ジェームズ・ボンドと対極にある作品である。
借金だらけの産業スパイを商売にしているレイノルズ(リチャード・ウィドマーク)は、金目当てで、ハンガリーの反共産党指導者ヤンシー教授の救出を依頼される。ウィーンに飛び、教授の娘ジュリア(ソニア・ツィーマン)を訪ね、ブタベストへ向かう。
ウィーンで知りあう街の女にセンタ・バーガーが扮し、彼女の出世作となり、この映画の後、世界中から出演依頼が殺到し、セックスシンボルとして映画出演が相次いだ。
教授を助ける地下組織の仲間達との関係や、秘密警察の監視や追跡などのエピソードなどを積み重ね、ブタペストに長期ロケを敢行。夜間撮影の陰影のあるブタペストの街並みなど、「第三の男」を彷彿とさせる。
ジュリアとレイノルズの関係が、もう一つ描ききれずに、少し消化不良の感じがするものの、収容所を脱出するシーンから、航空機に辿りつくまでは、中々の迫力とサスペンスで、楽しめた。もう少し、編集を工夫し解りやすくしたら、傑作となっただろう。
アリステア・マクリーンというと、第2次世界大戦を背景とした、派手な冒険小説というイメージだが、この作品は以外にも、非常にシリアスな展開となっている。
リチャード・ウィドマークは、ハリウッドで名優と謳われた俳優で、ギャング、サスペンス、西部劇、戦争映画等で活躍した。1970年代以降は、助演に廻り存在感ある役柄で楽しませてくれたが、特に、悪役が良く似合い、持ち味を発揮した。
アカデミー賞ノミネート47回(受賞5回)、今や大御所として大作映画を手懸ける、ジョン・ウィリアムズが、初めて映画音楽を担当している。(多分映画音楽は初めての作品)
“映画はみんな面白い”☆☆☆☆


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娼婦「Witness for the Prosecution」 [ググッと胸に迫る大人のサスペンス!!]

☆情婦「Witness for the Prosecution」
(1957年制作、ビリー・ワイルダー監督、脚本:ビリー・ワイルダー、ハリー・カーニッツ、音楽:マティ・マルネック、撮影:ラッセル・ハーラン
原作:アガサ・クリスティ
タイロン・パワー、マレーネ・ディートリッヒ、チャールズ・ロートン、エルザ・マンチェスター、ジョン・ウィリアムス、イアン・ウォルフ、ヘンリー・ダニエル、ユーナ・オコナー



世界名作映画の1本!!
見応え十分のサスペンス映画で、ユーモアもあり弁護士(ウィルフリッド卿)チャールズ・ロートンと付添看護師役のエルザ・マンチャスターの掛け合い漫才の様な絶妙の演技が、緊迫感のあるストーリーに一服の清涼剤の様な効果を生む演技であり、演出となっている。(2人は実生活では夫婦)

数々の監督作品(脚本家としても)を残すビリー・ワイルダー監督だが、傑作・名作揃いで、このブログでも「第十七捕虜収容所:Stalag 17」「お熱いのがお好き:Some like it Hot」「シャーロックホームズの冒険:The Private Life of Sherlock Holmes」取り上げているが、
「失われた週末:The Lost Weekend」「アパートの鍵貸します:The Apartment」「麗しのサブリナ:Sabrina」「深夜の告白:Double Indeminity」「昼下がりの情事:Love in the Aftermoon」等々見逃せない作品が目白押し。

原作は、アガサ・クリスティ「検察側の証人」で、イギリスロンドンでの法廷シーンが大半で、タイロン・パワー、マレーネ・ディートリッヒが、大熱演を見せる。特にタイロン・パワーは、二枚目俳優としてハリウッドで大活躍し、渋みも加わった演技派として転換期を迎えていた時期の作品で、評価も高かったがこの作品の後、映画撮影中に心臓麻痺で急死した、44歳という若さでこの作品が遺作となった。

マレーネ・ディートリッヒは、この時57歳で、若い男を愛したが故の悲劇のヒロインを演じている。
1930年代から多くの映画で活躍、また歌手としてアメリカ軍の慰問活動も行っている。「リリー・マルレーン」は、世界中で愛された曲でもある。
この映画では、若い夫を救うため謎の情報提供者として変装し、弁護士に貴重な証拠を提供する捨てられたれ女を演じ、芸達者なところを見せている。

舞台監督としても知られる、チャールズ・ロートンは、生涯映画監督を1本だけ務めていて「狩人の夜:The Night of the Hunter」という作品で、殺人者が、子供を狙うというサイコスリラーの怪作を残している。
多くの映画で、その才能を発揮し演技者として認められた俳優であり、この作品でも独特の役作りが映画に貢献している。実生活での妻である看護師役のエルザ・マンチェスター共々、アカデミー賞候補となったが、残念ながら受賞は逃している。

法廷サスペンスの好きな方は、必見の映画でドンデン返しに次ぐドンデン返しのラストは、この映画の評価を間違いなく高めている。

“毎日が映画日和” 100点(脚本と演出と出演者に満点!!)



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新・動く標的「The Drowing Pool」 [ググッと胸に迫る大人のサスペンス!!]

☆新・動く標的「The Drowning Pool」
(1975年制作、スチュアート・ローゼンバーグ監督、脚本:トレイシー・キーナン・ウィン、ロレンツォ・センブル・ジュニア、撮影:ゴードン・ウィリス、音楽:マイケル・スモール、原作:ロス・マクドナルド
ポール・ニューマン、ジョアン・ウッドワード、アンソニー・フランシオサ、マーレイ・ハミルトン、メラニー・グリフィス、リンダ・ヘインズ、リチャード・ジャッケル、アンディ・ロビンソン、ゲイル・ストリックランド)

ロス・マクドナルド原作、私立探偵リュー・アーチャーシリーズの第2弾「魔のプール」の映画化。前作から9年ぶりの製作で、前作に引き続きルー・ハーパーをポール・ニューマンが演じている。(何故か、リュー・アーチャーではない)

6年前、大人同士の火遊びをしたことのあるアイリスから、脅迫状の犯人を捜してほしいと仕事の依頼を受けたハーパーは、モーテルでいきなり未成年暴行罪で警察に引っ張られ、警察署長ブルサール(トニー・フランシオサ)や刑事のフランク(リチャード・ジャッケル)等と出会うこととなる。

アイリスの義母デブロー夫人は、広大な土地を持つ富豪で、その土地には1億ドル以上の価値のある石油が埋まっている。この石油の利権を巡る争いで、土地の石油王キルボーン(マーレ―・ハミルトン)から、ハーパーは、土地を手放すよう説得しろと脅される。
そんな矢先、デブロー夫人が殺されたことから、デブロー家の運転手を務め最近解雇された、パット・リービス(アンディ・ロビンソン)が疑われる。
脅迫状の存在、脅迫状を作成したタイプライターが、見つかったりと謎を孕んでいく。所在を突き止めたハーパーは、リービスを連行する途中、賊に襲われ、リービスは殺される。

この作品は、前作同様家庭内の複雑な事情を反映するストーリーが軸となり展開する。映画としては、謎を一つずつ解明し、可能性を潰していくという足で稼ぐ探偵もので、私立探偵を主人公とする映画では、解りやすい方の作品と言える。

俳優の個性ある演技を楽しみ、謎解きに向き合うには最適の110分で、ポール・ニューマンのクールで弱音を吐かないルー・ハーパーを楽しめる。
実生活で奥様のジョアン・ウッドワードがアイリス役、娘役がメラニー・グリフィス(当時18歳)で事件のポイントなる重要な役どころを演じている。
トニー・フランシオサ、マーレ―・ハミルトン、リチャード・ジャッケル、リンダ・ヘインズ、アンディ・ロビンソン等がそれぞれ持ち味を発揮し、個性あふれる演技で楽しませてくれる。

特に、リチャード・ジャッケルは、ハーパーに圧力をかける強面の刑事から、リービスを襲撃し、殺害した際に反撃をされ、ハーパーに撃たれてけがをしてしまい、ハーパーに自宅に押し掛けられ、一転して命乞いをする役を演じ、最後キルボーンのドーベルマンに殺されてしまうのは可哀そうだが、印象に残る演技を披露している。

前作と比較すると、脚本にもう一工夫欲しかったし、殺人事件の発端となるデブロー夫人殺害の動機がもう一つ弱いのと、アイリスの死亡もちょっと中途半端な感じで、あまり意味をなさない、スカイラーが、警察署長のブルサールとアイリスの間にできた子供という設定も解りずらい。

題名とも関連するプールからの脱出場面は、面白いアイデアでこの映画のマックスともなっており、なかなか楽しめた。
デブロー夫人の殺人と、リービスの殺人事件とは関連性が無く、キルボーンが政治家等への献金を記入した手帳を入手したリーブスから手帳を取り返そうとしたことから殺害したことが判明、しかしデブロー夫人の殺害とは関係ないことが分る。犯人は娘とのことで決着するが、娘をどうするかは、警察署長に委ねられることになる。

最後、リービスが良く通った娼婦グレチャン(リンダ・ヘインズ)が手帳を隠し持っていた事から、1万ドルを渡して挙げるところに、この映画の主人公ハーパーの人間性が色濃く反映されている。

ハーパー役のポール・ニューマンが、カッコ良いスーツ姿を見せる。アメリカントラッド風に着こなし、流石はハリウッドのトップスターである。
第3弾も製作して欲しかった。

“毎日が映画日和” 80点


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動く標的「Haroer」 [ググッと胸に迫る大人のサスペンス!!]

☆動く標的「Harper」
(1966年制作、ジャック・スマイト監督、脚本:ウィリアム・ゴールドマン、音楽:ジョニー・マンデル、撮影:コンラッド・L・ホール、原作:ロス・マクドナルド「動く標的:The Moving Target」
ポール・ニューマン、ローレン・バコール、アーサー・ヒル、ジュリー・ハリス、ジャネット・リー、ロバート・ワグナー、ロバート・ウェーバー、シェリー・ウィンタース、パメラ・ティフィン)
   
ロス・マクドナルドの私立探偵リュー・アーチャーシリーズの第1作「動く標的」の映画化である。
映画化に当たっては、主人公の名前は、ルー・ハーパー(ポール・ニューマン)に変更されている。

妻と別居中の私立探偵アーチャーに、友人の弁護士アルバート(アーサー・ヒル)を通じて、行方不明の夫を探してほしいとの依頼が持ち込まれる。依頼人は、大富豪サンプソン夫人エレイン(ローレン・バコール)で、娘ミランダ、娘の恋人アラン(ロバート・ワグナー)と使用人たちと邸宅に住んでいる。

手がかりを調査する内に、メキシコ人の密入国を生業にしている元女優フェイ(シェリー・ウィンタース)の夫トロイ(ロバート・ウェーバー)、歌手のベティ(ジュリー・ハリス)等の怪しげな動きを知ることとなる。
50万ドルの身代金をめぐり、殺人の背景に少しずつ迫って行くのだが、もう1歩のところで、サンプソンは殺されてしまう。

ダシール・ハメット、レイモンド・チャンドラーの後に続く、ロス・マクドナルドは、推理小説家として有名だが、特に私立探偵リュー・アーチャーシリーズは、(1949年「動く標的」から1976年「ブルー・ハンマー」まで19作品)人気を博し作家としての地位を確固たるものとした。

ロス・マクドナルドは、複雑なストーリーが得意で、さまざまな人物が登場する小説が多い。
映画では、ポール・ニューマン(当時41歳)が、見た目タフガイではないが頭の廻る飄々とした私立探偵を演じ、抜け目の無い新たなヒーロー像を作りあげた。

キャスティングに味があり、依頼する富豪夫人にローレン・バコール(私立探偵サム・スペードの活躍する傑作映画「マルタの鷹」の主人公、ハンフリー・ボガードの妻で、レイモンド・チャンドラー原作でフィリップマーロウ(ハンフリー・ボガード)が活躍する「三つ数えろ:The Big Sleep」でも、ヒロインとして共演している。)が扮し、独特の存在感を見せれば、ロバート・ワグナー、ロバート・ウェーバー等の主演級の俳優が助演に徹し、シェリー・ウィンタースやジュリー・ハリス、アーサー・ヒルが脇を固める布陣となっている。

50年前の映画ということも有り、最近の映画のように派手なスペクタクルシーンもなく、じっくりと推理しながら、出演者の演技も楽しみながら、ロス。マクドナルドの世界を堪能できるサスペンス映画である。意外な人物が犯人なのも、面白かった。

“毎日が映画日和” 80点

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深夜の告白「Double Indemnity」 [ググッと胸に迫る大人のサスペンス!!]

☆深夜の告白「Double Indemnity」
(1944年制作、ビリー・ワイルダー監督、脚本:レイモンド・チャンドラー、ビリー・ワイルダー、音楽:ミクロス・ローザ、撮影:ジョン・サイツ
原作:ジェームズ・M・ケイン
フレッド・マクマレイ、エドワード・G・ロビンソン、バーバラ・スタンウィック、トム・パワーズ、ジーン・ヘザー、バイロン・バー、ポーター・ホール)
   
「郵便配達は二度ベルを鳴らす」のジェームズ・M・ケインの小説を映画化した作品で、保険金殺人を巡るサスペンス作品である。
脚本には、私立探偵フィリップ・マーローの生みの親、作家のレイモンド・チャンドラーが名を連ね、ビリー・ワイルダーと共同で担当している。

悪女に加担し、彼女の夫を保険金欲しさに殺してしまうという保険会社のサラリーマンネフが主人公で、当時コメディ映画で人気を得ていたフレッド・マクマレイが、主人公のネフを演ずることで、意外性が加わり面白味が増した。

バーバラ・スタンウィックは、1930年代~50年代に活躍した女優で、この作品では、当時のハリウッド女優が敬遠した、男をたぶらかし殺人事件を起こすという妻役を魅力たっぷりに演じている。
事件に疑問を持ち、事故ではなく殺人事件であることを見破る保健調査員キーズ役には、エドワード・G・ロビンソンが、扮している。

本格的な保険金殺人を題材とした最初の映画と言われ、、その後の犯罪映画へ大きな影響を与えた。ジェームズ・M・ケインは、ジャーナリストであり、犯罪小説の作家で「郵便配達は二度ベルを鳴らす」がゼストセラーとなったことでも有名。やはり、妖艶な若妻が年老いた夫を殺す計画に加担する男の物語である。

骨折した夫を殺害し、ネフが夫に成りすまし偽装工作をするアイデアも、面白くキーズが疑問を持つきっかけとなる請求の謎も、なるほどと思わせる
利用されたことを悟ったネフが、すがるフィリス(バーバラ・スタンウィック)を拳銃で殺すのも、心情が良く理解できる。

脚本家出身のビリー・ワイルダーらしく、隙のない脚本で、どうしたら映画が面白くなるかを良く知っている監督で、画面から一瞬たりとも見逃せない。
緊張感溢れる画面作りで、アカデミー賞7部門でノミネート、受賞こそならなかったが、アメリカを代表する大監督の初期の傑作である。

“毎日が映画日和” 85点

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夜の大捜査線「In the Heat of the Night」 [ググッと胸に迫る大人のサスペンス!!]

☆夜の大捜査線「In the Heat of the Night」
(1967年制作、ノーマン・ジェイソン監督、脚本:スターリング・シリファント、音楽:クインシー・ジョーンズ、撮影:ハスケル・ウェクスラー
原作:ジョン・ボール、編集:ハル・アシュビー
シドニー・ポワチエ、ロッド・スタイガー、ウォーレン・オーツ、リー・グラント、ラリー・ゲイツ、スコット・ウィルソン、ウィリアム・スカーレット)
   

大好きな映画で、シドニー・ポワチエとロッド・スタイガーの共演が、見ごたえ十分で素晴らしい。
ミシシッピーの片田舎の街で起こる殺人事件を解決するエリート黒人刑事(シドニー・ポワチエ)と地元警察の署長(ロッド・スタイガー)のプライドのぶつかり合いが、事件の捜査を通して友情へと変わっていく物語。

ノーマン・ジェイソン監督が、南北戦争後も黒人を嫌悪し、奴隷の様な扱いをするアメリカ南部の気質を正面から描いた傑作である。
めったに殺人事件など起こらない田舎町で、黒人エリート刑事が、次々と殺人事件の謎を解明していくミステリー・サスペンス作品で、上質のエンターテイメント作品に仕上っている。

その過程で、黒人刑事に対する街の人々の反応や市政を操る要人達の計算高さも垣間見せてくれる。
脚本が、素晴らしいのと撮影における様々な新技術の導入などによる画面造成や照明の使い方など、撮影班が素晴らしい仕事をこなしていることが、メイキング映像を見るとよくわかる。

クインシー・ジョーンズの音楽が、映画全体の雰囲気に良くマッチしていて、レイ・チャールズの歌「In the Heat of the Night」が、効果的に使われている。
ロッド・スタイガーは、この役でアカデミー賞主演男優賞を受賞、その他作品賞、脚色賞、そしてこの映画をここまでの質に高めた編集賞(後に監督として活躍するハル・アシュビー:ノーマン・ジェイソン4作品を編集)も受賞している。

ロッド・スタイガーの常にガムを噛んでいる演技が秀逸で、バージル・ティッブス刑事を、最初は嫌悪しながらも、その能力と行動力を認めざる負えなくなり、事件解決後の駅では、荷物を持って列車まで見送りくるあたりの演技は最高で、握手しながらニコッと微笑む姿は、映画史に残る名場面でもある。

水玉模様の照明が、列車のライトに変わり、バージル・ティッブスが、駅へ降り立ってから、ラストで再び列車に乗る俯瞰撮影のシーンまでの構成力が素晴らしい。
ノーマン・ジェイソンは、「1984年ソルジャー・ストーリー:A Solder’s Story」
「1999年ザ・ハリケーン:The Hurricane」の2作品でも黒人差別問題を題材として傑作を発表している。作品の多くが、傑作・名作揃いで、正に名匠の一人である。

警察官役のウォーレン・ウォーツ、最初に殺人犯として誤認逮捕されるスコット・ウェルソンの好演が光る。
シドニー・ポワチエは、黒人男性で初めてアカデミー賞を受賞した俳優として後世に残る俳優だが、「暴力教室:Blackboard Jungle」「手錠のままの脱獄:The Defaiant Ones」「野のユリ:Lilies of the Field」「いつも心に太陽を:To Sir、With Love」「招かれざる客:Guess Who’s Coming to Dinner」「影なき男:Shoot to Kill」「リトル・ニキータ:Little Nikita」等その他にも多くの作品に出演する気品を感じさせる俳優である。この作品でも素晴らしい演技を披露する。

拳銃を撃たなくても、CGがなくても画面に釘付けの109分である。
“毎日が映画日和” 100点(文句なしの満点!!)


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インサイダー「The Insider」 [ググッと胸に迫る大人のサスペンス!!]

☆インサイダー「The Insider」
(1999年製作 マイケル・マン監督、脚本:エリック・ロス、マイケル・マン、音楽:リサ・ジェラルド、ピーター・バーグ、撮影:ダンテ・スピノッティ、 アル・パチーノ、ラッセル・クロウ、クリストファー・プラマー、
フィリップ・ベイカー・ホール、ダイアン・ヴェノーラ、リンゼイ・クローズ)
      
実話を基に描いた力作、傑作。たばこ会社の副社長(ラッセル・クロウ)が内部告発する物語で、テレビで人気の番組プロデューサー(アル・パシーノ)が、さまざまな圧力を掛けられながらも人脈を駆使して、最終的には告発にこぎつける物語。

前半の守秘義務をめぐる駆け引きや、徐々に心が離れていく、妻との亀裂などスリリングにストーリーは展開していき、後半はプロデューサーとCBSの内部との抗争と圧力を描き、サスペンス仕立ての社会派ドラマとなっている。

脚本が良く出来ていて、練に練られている。プロデユーサーが、会社の上司から休暇を命じられながらも、情報提供者は必ず守るという信念のもと、奔走するあたりは、報道の自由と企業経営者側との確執も描かれ、非常に興味深い。

マイケル・マン監督は、(この映画の5年後アル・パシーノとは、再び「ヒート」でコンビを組む)
この作品他のスタッフも含め、アカデミー賞作品賞、監督賞、主演男優賞(ラッセル・クロウ)、脚色賞、撮影賞、録音賞、編集賞の7部門にノミネートされたが、惜しくも受賞を逃している。しかしながら、この年(第72回アカデミー賞)の候補作品の中で、作品賞と監督賞は、「インサイダー」が最も相応しいと思っている。それぐらい見応えがあったし、映画として面白い傑作となっている。

前半と後半で、アル・パシーノが、会社に対する思いが変化していく過程が、良く描かれていて、同士のはずだったキャスターマイクとの心のずれや、立場の違いも良く描かれていた。
クリストファー・プラマーが、キャスター役で重厚な演技をみせれば、多くの映画で脇役として出演するフィリップ・ベーカー・ホールが、会社を守るための上司役を味のある演技で楽しませてくれる。

それにしても、たばこ会社の企業の論理は、凄まじい。健康を害そうが死人が出ようが、それは煙草を吸う側の問題とでもいうような姿勢で、企業の利益を守るためさまざまな手段を講じる。似たような企業は沢山あるのだろうが、かつては煙草愛飲者だったので、この映画のテーマには、関心が高かった。

映画作りのうまい人たちが集まって、優秀なスタッフ、キャストが揃えばいい映画ができるという見本のような映画。
157分が、短く感じたほどで、面白かった。アル・パシーノ作品では、先日「エニイ・ギブ・サンディー」を見たが、これも素晴らしい映画だった。役作りの上手い俳優である。

“毎日が映画日和” 90点





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