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さらば愛しき女よ「Farewell My Lovely」 [極上のミステリー]

☆さらば愛しき女よ「Farewell My Lovely」
(1975年製作、ディック・リチャーズ監督,デヴィット・Z・グッドマン、撮影:ジョン・A・アロンゾ、音楽:ディヴィッド・シェイア、原作:レイモンド・チャンドラー、
ロバート・ミッチャム、シャーロット・ランプリング、ジョン・アイアランド、シルヴィア・マイルズ、ハリー・ディーン・スタントン、ジャック・オハローラン)

   
傑作ミステリー・サスペンスの1本!!
このムード、このタッチ、気だるい音楽が流れるタイトルクレジットから、この映画の虜になること間違いなし。

作家レイモンド・チャンドラーの生んだ私立探偵フィリップ・マーローが活躍する「さらば愛しき女よ:Farewell My Lovely」が原作である。
キレのある鋭いフィリップ・マーローを演じたハンフリー・ボガード「三つ数えろ:The Big Sleep」とは打って変わって、大柄で非情になりきれないウェットな・フィリップ・マーローを演ずるロバート・ミッチャムが、素晴らしい。

人生に疲れ、つまらない人探しにも飽きてきたと漏らす、マーローの疲れた様な気だるい雰囲気作りが、1940年代の時代背景に良くマッチしている。
その反面、捕えられ拷問され麻薬を打たれ、朦朧とする中、気力を振り絞り、脱出を試みるタフネス振りも見せる。
刑務所を出所したばかりの大男のムース・マロイ(ジャック・オハローラン)に、愛した女ベルマ(シャーロット・ランプリング)を探してほしいと頼まれたマーローは、機関銃で襲われても動じないムース・マロイに魅かれ、捜索を開始する。

ヤンキースのジョー・デマジオが、連続ヒットの記録を伸ばした時期の、ちょっと切ないミステリー・サスペンスで、(ハンフリー・ボガードの様なハードボイルドタッチの映画ではない)マーローの優しさを存分に感じられる作品である。
ベルマ役にはシャーロット・ランプリングが扮し、自分を守るため男も友達も裏切り、使い捨てにしていく役柄で、独特の美しさが悪女役に良く似合っている。

暗黒街の顔役ブルーネットを演ずるアンソニー・ザーブは、悪役等で活躍する脇役俳優で、数々の映画で印象深い演技を披露しているし、マーローを信頼し加担する刑事部長役に、大作映画や名作への出演で知られるジョン・アイアランド、ベルマの過去を良く知る飲んだくれのジェシー役は、シルビア・マイルズで、崩れて転落する女性役を見事に表現している。

多くの作品できらりと光る個性を発揮するハリー・ディーン・スタントンは、ブルーネットの情報屋で部長刑事に反抗的な刑事役で、多くの名優たちが勢揃いしている。

ロバート・ミッチャム出演の作品は、大作、名作・傑作が多く、サイコキラーや悪役もできる演技派俳優で、1940年代~1980年代まで活躍したハリウッドを代表する名優。この作品は、彼の代表作の1本となった。

監督のディック・リチャーズは、「男の旅立ち:The Culpepper Cattle Co.」で注目を浴び、「トッツィー:Tootsie」では製作を担当している。作品数は少ないものの、「さらば愛しき女よ」は、ディック・リチャーズのベスト作品だろう。
音楽を担当したディヴィット・シェイア、多くの映画音楽を手懸ける作曲家で、
ムード満点の映画音楽は、この映画のタッチに良く合い素晴らしい。

“毎日が映画日和” 100点(個人的な好みで満点!!)

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ナイル殺人事件「Death of the Nile」 [極上のミステリー]

☆ナイル殺人事件「Death of the Nile」
(1978年制作ジョン・ギラーミン監督、アンソニー・シェーファー、撮影:ジャック・カーディフ、音楽:ニーノ・ロータ、原作:アガサ・クリスティ、
ピーター・ユスティノフ、デヴィット・ニーブン、ミア・ファロー、ロイス・チャイルズ、ベティ・ディヴィス、ジョージ・ケネディ、マギー・スミス、ジャック・ウォーデン、オリヴィア・ハッセー、サイモン・マッコ-キンデル、
ジョン・フィンチ)
   
ピーター・ユスティノフは、アカデミー賞助演男優賞2度受賞の名優で、大きな身体を生かした役柄で、悪役やユーモラスな脇役で活躍したが、1978年から1988年の10年間は、エルキュール・ポワロ役を6作品演じている。(テレビ用も含む)
この作品は、ユスティノフのポワロ第1作である。

英国のウィークエンドテレビ制作のデヴィット・スーシェが、ポワロに扮し1989年~2013年まで25年間続いたエルキュール・ポワロにすっかり、慣れてしまったせいか、太り過ぎで動きの鈍そうなユスティノフのポワロには、違和感を覚えたが、映画が進むにつれ、どことなくユーモアを漂わせる、おっとりとしているポワロに慣れて来るから不思議である。

俳優による役作りというものは、やはり演出力も相当影響すると思うが、結局は演ずる役者の感性と役柄への理解力が如実に反映するということが、良くわかる。

映画の魅力を最大限生かす豪華キャストで、エジプト・ロケが臨場感を盛り上げる。
デヴィット・ニーブンが、ポワロの旧友レイス大佐を演じ、ポワロと協力して捜査する役で出演、ベティ・ディヴィスが富豪の老婦人で、付添役をマギー・スミスが演じる、テレビドラマで長くアガサ・クリスティ原作「ミス・マープル」でマープルを演じた、アンジェラ・ランズベリーが女流作家役、ジェーン・バーキンが、美貌の相続人の娘のメイド役、オリヴィア・ハッセーが作家の娘役。

男優人では、スイス人の医師にジャック・ウォーデン、社会主義者の若者に、ジョン・フィンチ、アメリカの管理弁護士役で、ジョージ・ケネディが扮し、ヒロインで殺されてしまう美貌の資産家役は、ロイス・チャイルズ、殺人を計画し遺産を奪おうとする恋人をミア・ファローとサイモン・マッコーキンデールが演じている。

登場人物のほとんどは、リネット(ロイス・チャイルズ)と利害関係にあり、恨みや遺産を狙っての複雑な関係を有していた。
ポワロの予想通り、殺人事件が発生、リネットが殺害され、メイドのルイーズ(ジェーン・バーキン)も続いて殺される。最後は、何とポワロのいる場所で、作家のサロメが、殺害される。

そのトリックを見破ったポワロは、生き残った全員を前に、ジャクリーン(ミア・ファロー)とサイモンが、リネットを殺害し、相続した遺産を奪い2人で暮らそうとしていたとの計画を暴く。ルイーズとサロメが殺されたのは、偶然にも犯行現場を目撃したからであることも暴かれる。

最後に、2人は自殺してしまうが、ポワロのエジプトへの旅行は、ナイル河からの遠望で幕を閉じるのである。
エジプト・ロケを最大限に生かし、ピラミッドやアブシンベル神殿なども効果的に使われている。ナイル川クルーズの客船の中で次々と起こる殺人事件と聞くだけで、わくわくするが、一部の登場人物の変更があるものの、ほぼ原作に近い内容で、ジャック・カーディフのカメラがナイル川近郊の風景を美しく捉えている。

“毎日が映画日和” 90点

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ロング・グッドバイ「The Long Goodbye」 [極上のミステリー]

☆ロング・グッドバイ「The Long Goodbye」
(1973年制作、ロバート・アルトマン監督、脚本:リイ・ブラケット、音楽:ジョン・ウィリアムズ、撮影:ヴィルモス・スィグモンド、原作:レイモンド・チャンドラー「長いお別れ」
エリオット・グールド、二―ナ・ヴァン・バラント、スターリング・ヘイドン、マーク・ライデル、ヘンリー・ギブソン、ジム・バウトン)
     
ロバート・アルトマン監督の傑作で異色の探偵映画である。
レイモンド・チャンドラーの探偵小説「長いお別れ」を映画化した作品。

勿論、主人公は、私立探偵フィリップ・マーロウで、個人的には従来のイメージを覆した設定で、楽しめた作品だが、ハンフリー・ボガードやロバート・ミッチャムのようなタフで強い探偵を思い浮かべるとガッカリするだろう。

常にくわえ煙草で、警察には非協力的、ヤクザにはのらりくらりとつかみどころのない役どころ。
猫を可愛がり、隣に住む不思議な女性グループには慕われ、友達には義理堅い男で、決して口を割らない男。

犬には弱く、拳銃を派手に撃ちまくる場面もなく、ラストで利用されたことを知り、友人と思っていた男を撃ち殺して映画は終わる。
最初見たときは、バイオレンスシーンもなく、女性の裸は出て来るものの、艶っぽいシーンはほとんど出てこないし、気だるい感じで退屈な映画だと思っていたが、見直してみるとこの映画の雰囲気、出演者の演技、監督の描こうとしたタッチなど、とても好きになる。

レイモンド・チャンドラーの映画化と言えば、「三つ数えろ」でのフィリップ・マーロー(ハンフリー・ボガード)が、あまりにも有名だが、他に10名以上の俳優がマーローを演じているが、作家本人のイメージは、ケーリー・グラントだったとのこと。この映画は、複雑なストーリーでわかりづらい個所もあるが、傑作である。マーク・ライデル(監督)が、ヤクザのボス役を楽しそうに演じている。

“毎日が映画日和” 80点

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黄昏のチャイナタウン「The Two Jakes」 [極上のミステリー]

☆黄昏のチャイナタウン「The Two Jakes」
(1990年制作、ジャック・ニコルソン監督、脚本:ロバート・タウン、音楽:ヴァン・ダイク・パークス、撮影:ヴィルモス・スィグモンド
ジャック・ニコルソン、ハーヴェイ・カイテル、メグ・ディリー、マデリーン・ストウ  、イーライ・ウォラック、ルーベン・ブラデス、フレデリック・フォレスト、リチャード・ファンズワ-ス、デヴィット・キース、ジェームズ・ホン、フェイ・ダナウェイ(写真と声のみ))
   
前作から16年振りに製作された「チャイナタウン:ChinaTown」の後日談を描いた続編である。

主人公私立探偵のジェイク・ギデスは、妻の浮気調査を依頼され、モーテルの隣の部屋で盗聴の際に、依頼主のジェイク・バーマンが侵入し相手の男を射殺する。殺されたボディーンは、バーマンの不動産会社の共同経営者だった。

凶器の拳銃が、ボディーンの物だったことから、バーマンは無罪となるのだが、盗聴テープに残っていた、イブリン・モーレー、キャサリン・モーレーという前の事件に関連する名前から、事件の背後関係を調査し始めたジェイクは、複雑な事情を知ることとなる。

 前作から16年ということで、まずジャック・ニコルソンがすっかり太ってしまい、シャープさが消え、今作では、監督、製作も兼ねている。
時代背景でいえば、1950年代前後と思われるが、美術等、雰囲気作りがもう一つ徹底できていなかったし、音楽も中途半端でしっくりこなかった。(前作が素晴らしかっただけに、残念)

主役の一人キャサリン(メグ・ディリー)は透明感ある美人なのだが、ミステリアスさに欠け、もう少し気品が欲しかった。前作では15歳での出会いだったが、キャサリンがモーレーの娘と気が付かないのが不自然で、浮気調査の対象者のことを調査はしないのだろうかと疑問が湧く。

苦労人ハーヴェィ・カイテルが、もう一人のジェイクを演じこの映画を盛り上げている。演技派の俳優で、幅広い役柄をこなす貴重なバイブレーヤーである。
「レザボア・ドッグス:Reservoir Dogs」「ピアノ・レッスン:The Piano」「スモーク:Smoke」「バグジー」等多くの作品で印象に残る演技を披露している。

大好きなイーライ・ウォラックが、弁護士役で出演し楽しませてくれる、
前作に引き続き、使用人ジェームズ・ホンが、キャサリンの居所を知らないかとジェイクが訪れる相手役で出演している。リチャード・ファンズワースが、石油王の役で出演、事件の背後にうごめく石油の利権をめぐる争いを陰で操る老人を演じている。

エスコバル刑事が、前作に引き続き出演、ジェイクの良き理解者である。残念ながら、前作の様な傑作とはいえないが、ジャック・ニコルソンの思いれは十分感じられた映画である。脚本にもう一工夫ほしかった。

“毎日が映画日和” 70点


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チャイナタウン「ChinaTown」 [極上のミステリー]

☆チャイナタウン「Chinatown」
(1974年制作、ロマン・ポランスキー監督、脚本:ロバート・タウン、音楽:ジェリー・ゴールドスミス、撮影:ジョン・A・アロンゾ
ジャック・ニコルソン、フェイ・ダナウェイ、ジョン・ヒューストン、ダイアン・ラッド、バート・ヤング、ダレル・ツワーリンク、ジェームズ・ホン)

    
傑作映画とは、こういう映画のこと。
1930年代のロサンゼルスを舞台に、水の利権の絡む殺人事件に巻き込まれる私立探偵を主人公としたミステリー・サスペンスの傑作。

殺人事件の裏に潜む近親相姦の憎悪が、徐々に明らかになってくる後半は、重厚な雰囲気が映画に満ち、キャスティングの見事さも相まって極上のエンターテイメント作品に仕上がっている。
脚本が、素晴らしい出来映えで、脚本家ロバート・タウンの最高傑作といっても過言ではないだろう。
裏話では、ハッピーエンドにしたいロバート・タウンと悲劇で終わらせたいポランスキー監督との間で、かなりもめたとのことだが結局は、監督の意見通り、悲劇で終わったことで、余韻が残る見事なエンディングとなった。

アカデミー賞では、作品賞、監督賞はじめ11部門でノミネート、脚本賞を受賞している。アカデミー賞候補がこの年は、名作が目白押しでタイミングの問題もあるが、主演男優賞、主演女優賞、音楽賞、美術賞、撮影賞は受賞しても可笑しくなかった。
特に、1930年代の雰囲気が全編に漂う美術は見事で、撮影も素晴らしい出来映え、雰囲気に130分間酔いしれることができる。

ジェリー・ゴールドスミスの頽廃的なテーマミュージックや要所要所で挿入される音楽が、非常に効果的に使用されている。フェイ・ダナウェイの起用は、ジャック・ニコルソン推薦とのこと。
正にはまり役となり、彼女の代表作の1本となった。ジャック・ニコルソンは、アカデミー賞ノミネート10回、受賞3回を誇るアメリカの名優の一人で、今やレジェンドとなっているが、37歳で出演のこの作品では、私立探偵を演じ、新たなヒーロー像を作り上げた。

監督で脚本家、映画製作者でもあるジョン・ヒューストンが、悪役を演じている。出演場面は少ないものの、存在感が凄い。
監督作品は、名作だらけで、本人自ら11作品でアカデミー賞ノミネート13部門、2部門で受賞している巨匠の一人である。

監督のロマン・ポランスキーは、名匠の名を欲しいままにするポーランド出身の映画監督で、監督作品は絶賛を浴びたが、1970年代後半強姦罪で逮捕され、ヨーロッパへ逃亡、以後アメリカ入国はしていない。(逮捕収監される)
近年「戦場のピアニスト:The Pianist」(アカデミー賞監督賞)「ゴーストライター:The Ghost Writer」等で活躍するものの、「吸血鬼:The Fealese Vampire
Killers」「ローズマリーの赤ちゃん:Rosemary’s Baby」「マクベス:Macbeth」
などの初期の映画が衝撃的だった。
「チャイナタウン」は、アカデミー賞こそ逃したものの、ポランスキーの最高傑作と言える作品だろう。

“毎日が映画日和” 100点(文句なしの満点!!)





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薔薇の名前「Le Nom de la Rose」 [極上のミステリー]

☆薔薇の名前「Le Nom de la Rose」
(1986年製作 ジャン=ジャック・アノー監督、脚本:アンドリュー・バーキン、ジェラール・ブラッシュ、ハワード・フランクリン、アラン・ゴダール、音楽:ジェームズ・ホーナー、撮影:トニーノ・デリ・コリ)
     
イタリアの小説家ウンベルト・エーコが、1980年に発表した小説を映画化したジャン=ジャック・アノー監督の大作。

1327年北イタリアのカトリック修道院を舞台に起こる殺人事件の謎を、ショーン・コネリー扮するフランシスコ会修道士パスカヴィルのウィリアムとクリスチャン・スレーター(当時15歳)扮するベネディクト会の見習い修道士アドソが、解き明かして行く。

アヴィニョン教皇庁の時代に行われたフランシスコ会との「清貧論争」に決着をつける会談を調停し手配するために訪れた修道院で殺人事件が起こる。
殺人事件が異端者の仕業ということで、異端審問官も到着することから、かなり複雑な様相を呈することになるが、根底にはキリスト教と笑いの関係があり、アリストテレスの「詩学」の第二部の本が重要な鍵を握ることとなる。

とっつきにくいような題材でもあるが、徹底した時代考証へのこだわりと出演者たちの妖気溢れる熱演で、125分あっという間に過ぎ去る極上のミステリー映画となっている。
ジャン=ジャック・アノー監督の映画は、「愛人/ラマン」「スターリンググラード」「小熊物語」「セブン・イヤーズ・イン・チベット」という傑作の数々を拝見しているが、それぞれが心揺さぶる映画でもある。デビュー作「ブラック・アンド・ホワイト・イン・カラー」(アカデミー賞外国語映画賞受賞)「人類創生」「愛と勇気の翼」「トゥー・ブラザーズ」等の作品は未見のため早急に観てみたい。

この映画は、5年の歳月を費やし、修道院等や広場の外観は実際に外観を建造したとのこと、また映画で使われる細部の小物まで復元して作らせたものだという。主要な内部の撮影は、本物の寺院で撮影され、ドイツのエーバーバッハ修道院やフランスの修道院などでロケされたとのこと。そのこだわりが、映画に現れている。
本物の持つ迫力というものが画面を通して伝わってくる。

ルネッサンス期を前にした中世の時代、魔女狩りや異端審問など異次元の世界を観る様な面白さが詰まった映画で、J・J監督の世界を堪能できた。
ショーン・コネリーは、他の主演者で決まっていた役を熱心に監督に売り込んで、覆して得た主役らしく、名演技を見せ、極上のミステリーに重厚感が加わった。動物の解体など残酷などぎつい場面もあり、それがなければ満点!!
“毎日が映画日和” 95点

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ゴスフォード・パーク「Gosford Park」 [極上のミステリー]

☆ゴスフォード・パーク「Gosford Park」
(2001年制作 ロバート・アルトマン監督、脚本:ジュリアン・フェロウズ、音楽:パトリック・ドイル、撮影:アンドリュー・ダン  マギー・スミス、ヘレン・ミレン、マイケル・ガンボン、クリスティン・スコット・トーマス、クライブ・オーエン、アラン・ベイツ、エミリー・ワトソン、ケリー・マクドナルド、ライアン・フィリップ)
     
1930年代のイギリスの貴族の館(マナーハウス)を舞台に、キジの狩猟を兼ねたパーティーに呼ばれた人々と従者、館のメイドや執事、料理人の階級社会が描かれる群像劇。

イギリスが舞台だけに、イギリス出身の俳優で占められていて見応えがある。ヘレン・ミレン、マギー・スミス、クリスチャン・スコット・トーマス、エミリー・ワトソンなどの女優陣、クライブ・オーエン、マイケル・ガンボン、アラン・ベイツなどの男優陣ともそれぞれ見せ場が用意され、脚本もさることながら、アルトマンの演出力が光っている。

世界三大映画祭(カンヌ・ヴェネツィア・ベルリン)の最高賞を受賞している3人の監督の中の一人である。(他はアンリ・ジョルジョ・クルーゾー、ミケランジェロ・アントニオーニ)
場面のほとんどが館内という設定のため、照明は暗いが質感を感じさせるライティング、貴族の館の雰囲気が十分感じられ重厚感が出ている。

セレブの暮らしを描いて見せながら、渦巻くそれぞれの思惑が面白い。金持ちに群がりおこぼれを頂戴する親戚達がなかなか思うようにならない様子や、思わせぶりな娘がいたり、軍隊で良心的兵役拒否者だった給仕長がいたり、ゲスト達のゴシップで持ちきりの従業員や、主人の愛人となっているメイドがいたり、昔主人に手籠めにされて生んだ子供を孤児院へ預け、その子供が従者として館にやってくることで、動揺するメイド頭やその姉などが複雑に入り組んだ物語。主人を毒殺した犯人は、果たして誰なのか。

晩餐会での豪華な衣装、宝石類など美術も素晴らしく(料理がもう少し見たかったが)、カモ射ちシーンなどは、見事な演出で素晴らしかった。
従者やメイドたちのさまざまな雑用を描きながら、こまかな演出が臨時感を出している。靴磨きや懐中時計磨き、洗濯や衣類の用意など貴族階級は、彼等彼女らの存在失くしては、成り立たなかったのだということが良く分る。
世界中の映画祭で、様々評価された映画であるが犯人がはっきり描かれなかったのには、監督の意図があったのだろうか。(パ―クス)クライブ・オーエンが、サー・ウィリアム(マイケル・ガンボン)を殺そうとしたしていることを知ったミセス・ウィルソン(レンミレン)あることが、推測はできるが、、、、。

主人を演ずるマイケル・ガンボンは風貌からしても如何にも適役、マギー・スミスが素晴らしい。気位の高い夫人の役にぴったり、執事役のアラン・ベイツは久しぶりだったが、この映画の翌年「トータル・フィアーズ」で黒幕を演じて存在感を出していた。

この映画での儲け役は、エミリー・ワトソンでちょっと蓮っ葉なメイド役を演じていて秀逸である。雰囲気のある女優さんで、これからも注目したい。
クライブ・オーエン、ヘレン・ミレンは、可もなく不可もなくというところか。

“毎日が映画日和” 90点



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江戸川乱歩の陰獣 (加藤泰監督) [極上のミステリー]

☆江戸川乱歩の陰獣
(1977年公開 加藤泰監督 脚本:加藤泰、仲倉重郎 音楽:鏑木創 撮影:丸山恵司 原作:江戸川乱歩  あおい輝彦、香山美子、若山富三郎、大友柳太郎、川津祐介、野際陽子、中谷昇、田口久美、加賀まりこ、尾藤イサオ、倍賞美津子、藤岡琢也、菅井きん)
      
昭和3年に発表されたという江戸川乱歩の小説「陰獣」を映画化したもので、探偵小説家寒川光一郎と富豪の人妻静子との出会いと別れの物語を、乱歩得意の猟奇的な世界観の中で描いている。

巨匠加藤泰監督作品で、名作「沓掛時次郎 遊侠一匹」「瞼の母」や「宮本武蔵」-高橋秀樹・松阪慶子主演―、「花と龍」「人生劇場」-渡哲也。竹脇無我主演―などを見ているが、落ち着いた画調で、しっとりとした雰囲気の語り口が印象に残る。

独特のロー・アングルや照明光を上手く使い、性倒錯の題材を見応え十分の作品に仕上げていて好きな作品である。主演のあおい輝彦が、この映画の役柄としては、癖が無さ過ぎて物足りなかったのだが、香山美子は上半身裸となって、鞭打たれることに快感を覚える性倒錯者を熱演。

若山富三郎と大友柳太郎が、ベテランの演技を見せ大友柳太郎の沈黙の世界が不気味。田口久美がイギリス人の愛人役で、日本人離れした肢体を披露。
猟奇的な殺人事件に重点を置くことより、架空の作家の正体暴きが中心となっていて、結果として殺人事件と結びつき犯人が突き止められることとなっている。香山美子が、あおい輝彦に仕掛けたトリックをどのように見破るか、警察の捜査の状況などがあまり描かれないのは、不自然なのでもう少し警察との絡みを描いてもよかったのではないだろうか。

香山美子の偏執症的な演技が光っている。観客がお金を払って見る映画としても面白い作品で良く出来た映画だったと思う。
題材がタブー視されていたという問題もあるが、もう少しSM性を強調しても良かったと思うのだが。
さすが、加藤泰監督作品で、名作と言われる侠客映画「明治侠客伝三代目襲名」も早速見てみたい。
研究するに足る監督の一人で、思わぬ拾いものの映画であった。

“毎日が映画日和” 75点

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運命の逆転「Reversal of Fourtune」 [極上のミステリー]

☆運命の逆転「Reversal of Fortune」
(1991年公開 バーベット・シュローダー監督、脚本:ニコラス・カザン 音楽:マーク・アイシャム 撮影:ルチアーノ・トヴォリ ジョレミー・アイアンズ グレン・クローズ ロン・シルヴァー アナベラ・シオラ)

1980年に起こった夫によるインシュリンを使用した妻の殺人未遂事件、クラウス・フォン・ビューロー事件の映画化で、ハーバード大学法学部教授アラン・ダ―ショウィッツが、有罪判決を受けた被告クラウスの控訴を引き受け、最終的には無罪を勝ち取る。

この映画は、有罪判決を受けて控訴審を認めさせる、ダーシヨヴィッツ教授と彼の率いる弁護団を中心に描いている。見るのは3度目だと思うが、ジョレミー・アイアンズの演技が強烈に印象に残る。それだけ傑出した、何とも不気味な雰囲気を醸し出し尋常では理解不能な人物像を作りあげている。
   
数多くの映画やテレビドラマの主演や助演をこなし、低い魅力的な声とイギリス人ということがはっきりわかる明確なアクセント、大きい眼と深い彫の顔立ちが特徴的な俳優で、この映画でアカデミー賞主演男優賞を受賞している。

果たして殺そうとしたのかどうか、映画を見る限りは、無罪という印象だが、
多額の遺産相続が絡む事件で、妻の連れ子やメイド等との確執もあり人間関係が複雑で、妻は普段から多量の常備薬を飲用しており、何とももやもやした不明確な状況で物語が進んでいく。

黒いバックの中のインシュリンは、果たして妻のものなのか、夫のものなのかなど判断が難しい問題や初動捜査にまつわる検察側の証拠隠し、証言の不備や警察のいい加減な捜査内容を突かれ最終的には弁護側が勝利し無罪となった。妻は2008年死亡している。クラウス本人は、イギリスで健在とのこと。
殺人未遂はあったのかどうか、非常に面白い映画だった。

“映画はみんな面白い” 85点




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シャーロック・ホームズの冒険「The Private of Sherlock Holmes」 [極上のミステリー]

☆シャーロック・ホームズの冒険「The Private life of Sherlock Holmes」
(1970年制作、ビリー・ワイルダー監督、脚本:I・A・Lダイヤモンド、
ビリー・ワイルダー、音楽:ミクロス・ローザ、撮影:クリス・チャリス
原作:アーサー・コナン・ドイル
ロバート・スティーブンス、コリン・ブレークリー、ジュヌビエーブ・バージュ、クリストファー・リー、アイリーン・ハドスン、モリー・モーリン)

    
名作映画再発見の1本!!
監督は、数々の名作を手懸けたアメリカ映画界の巨匠ビリー・ワイルダーで
シャーロック・ホームズの決定版を制作しようと、約4時間の大作の予定で、撮影も済んだのだが、製作会社等の意向で、半分近くはカットされてしまったとのこと。
(是非、4時間近い大作版を観たいのだが、、、)

ワトソンの死後50年目に、銀行の貸金庫に預けられたBOXが開封されホームズの知られざる事件という回想で始まるこの映画は、ロンドンやスコットランドのロケ撮影の景観やセット撮影の美術や装飾、撮影等が素晴らしく、雰囲気作りがとても優れた作品となっていて、映画に深みと重厚さを与える画面作りは、流石はビリー・ワイルダーである。

前半は、シャーロック・ホームズとワトソンの人柄をいくつかのエピソードで紹介、謎の美女がホームズ邸に運ばれてくる当たりから、本筋に入っていく。
ロシアのプリマバレリーナから子供作りに協力してくれと頼まれる下りは、何とも面白いシーンで、実はワトソンとホモだとウソを言って切り抜ける。

謎の美女の夫エミールの失踪、カナリアの謎、受取人不明の手紙、謎の会社ヨナ、沈黙の修道士達、ホームズの兄マイクロフト(クリストファー・リー)も絡み、これ以上詮索するなと忠告される。
女性に弱いホームズは、罠とも知らず夫探しに協力するのだが、実は謎の美女ガブリエルは、ドイツのスパイで、各国が競って開発中の潜水艇の開発の秘密を探るため、ホームズに調査させ開発場所を突き止めるという作戦だったのである。

さまざまな伏線が、後半になるにつれ解き明かされるようになり、ビクトリア女王も登場し、物語はエンドマークへと近づく。
逮捕されたガブリエルは、ホームズの提案で、スイス国境で英国の諜報員と人質交換でドイツに帰ることになるのだが、その後日本で死亡したとの兄からの手紙が、ホームズに届く。
ホームズの淡い恋の終わりだった。
大筋の概略は以上のとおりだが、画面の構図、演出がしっかりしていることで映画全体に重厚感があり(セットの色遣いも良い)オーソドックスなタッチの見応えのある作品だった。

何とネス湖の怪物は、実は潜水艇の実験をカモフラージュするため、潜望鏡に怪獣の顔と首を被せていたとのことで、何とも楽しい作品となっている。
視察に訪れたビクトリア女王が、敵に名乗らずに攻撃することは、英国らしくない、卑怯な攻撃だと潜水艇を否定するあたり、ジョンブル魂を女王自ら見せてくれる。先日、亡くなったクリストファー・リーが、ホームズの兄役で出演し楽しませてくれる。
CGを駆使する最近の映画と違い、じっくりと練られた脚本と丁寧な画像作りを堪能できる隠れた名作である。
“毎日が映画日和” 85点
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