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おとうと(市川昆監督) [珠玉の名作]

☆おとうと
(1960年製作 市川昆監督、脚本:水木洋子、音楽:芥川也寸志、撮影:宮川一夫、原作:幸田文
岸恵子、川口浩、森雅之、田中絹代、岸田今日子、浜村純、中谷昇、江波杏子)
   
市川昆監督の珠玉の名作。
作家の父親(森雅之)、継母(田中絹代)、姉ゲン(岸恵子)、弟碧郎(川口浩)の4人家族の悲劇を描いた映画

放蕩息子(川口浩)の碧郎を何かと面倒を見る姉ゲン(岸恵子)、その兄弟愛が胸を打つ、語り継がれる名作である。
原作は幸田文、脚色は水木洋子、撮影は宮川一夫、音楽は芥川也寸志と一流のスタッフを揃え、岸恵子、森雅之、田中絹代など名優をキャスティング、弟を演じる川口浩の悪童振りも爽やかである。

万引きで捕まり、退校処分となり新しい学校へ移っても、何かとお金のかかる悪戯や遊びで、ゲンを困らせるが、起こったり励ましたりと世話を焼く、ゲンが切なく愛おしい。
特に、肺病で入院してからは、感染を怖がりもせず、腕にリボンを結び泊まり込みで看病するという、母親の様な愛情を注ぐ。

キリスト教を信仰する片足の不自由な母親(田中絹代)の、継母という微妙な立場の役作りは難しかったと思うが、どことなく冷たい態度、視線が、映画の中である意味敵役のような存在感を出し、兄弟の愛情を一際際立たせている。名女優田中絹代の真骨頂を見せる。

おとうとの非行は、エネルギーを持て余しているのだと、多少甘やかし美味の父親だが、継母という子供達への負い目を隠せない父親の不器用な愛情表現が、痛いように感じる脚本作りとなっている。

岸恵子は当時28歳で、役どころの年齢よりは10歳ほど年上なのだが、鼻筋のすきっと通った美人女優で、日本女優としては珍しい洋風な顔立ち。
ちょっと勝気なお姉さん役が、良く似合っている。
川口浩は、当時24歳で17歳の高校生役だが、もともと童顔のせいか、違和感なく、やんちゃな甘えん坊の弟という雰囲気を上手く出している。

最後は、肺病で亡くなってしまうが、臨終と告げられた時の岸恵子の表情が、切なく、アップで捉えない表現が、また良かった。
実の母親のいない兄弟がおりなす情愛が胸に沁みる、市川昆監督の名作で、
何度も観たいと思わせる映画の1本である。

“毎日が映画日和” 85点


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雨月物語(溝口健二監督) [珠玉の名作]

☆雨月物語(溝口健二監督)
(1953年製作、溝口健二監督、脚本:川口松太郎、依田義賢、音楽:早坂文雄、撮影:宮川一夫
森雅之、田中絹代、京マチ子、水戸光子、小沢栄(小沢栄太郎)、上田吉二郎
香川良介、青山杉作)
   
江戸後期の読本作者、歌人、茶人、俳人等で知られる、上田秋成の怪異小説短編集「雨月物語」の中から「浅茅が宿」「蛇性の婬」の2編を元に、小説家川口松太郎と溝口作品の脚本を多く手懸けた依田義賢が脚色し、溝口健二が監督した。

戦国時代を舞台にはしているが、人間の営みには常に問われるテーマを題材に、人間の愚かな欲望を描いた幽玄なタッチの作品で、第13回ベネツィア国際映画祭で銀獅子賞(監督賞に相当)を受賞し、第28回アカデミー賞でも衣装デザイン賞にノミネートされ、その他にも多くの映画際で評価を受けた作品である。

「浅茅の宿」は、戦乱の世、一旗挙げる為、妻と別れて故郷を立ち、京に出た男が、7年後幽霊になった妻と再会する物語。
「蛇性の淫」は、男が蛇の化身である女に付きまとわれるが、最後は道成寺の僧侶に退治され救われるという物語。
上記の2作品を元に作品は制作された。

貧しい農民源十郎に森雅之、妻宮木に田中絹代、妹阿濱に水戸光子、その夫藤兵衛に小沢栄が扮し、ささやかな幸せに気付かず、一時の欲望を満たそうと我を忘れて幸せを壊してしまう2組の夫婦を演じている。
物の怪に扮した京マチ子と毛利菊枝が、源十郎の心に潜む欲望を暴き出す役を演じ、おどろおどろしい雰囲気を醸し出し、豪華な衣装に身を包んだ若狭姫とお付きの右近役を見事に演じている。

京マチ子は、出演作品が世界的な映画祭(アカデミー賞、世界三大映画祭)で評価を受けた作品に出演している稀有な女優で、国際的にも知名度の高い女優である。(日本人は、その事実を、ほとんど知らないが、、、、、)一部を列記すると
(「羅生門:ヴェネツァア国際映画祭グランプリ、アカデミー賞名誉賞(最優秀外国語映画賞)受賞」、「源氏物語:カンヌ国際映画祭撮影賞受賞」、「地獄門:カンヌ国際映画祭グランプリ受賞、第27回アカデミー賞名誉書(最優秀外国語映画賞)、アカデミー賞衣裳デザイン賞受賞」「八月一五夜の茶屋:ベルリン国際映画賞金熊賞ノミネート、ゴールデングローブ賞主演女優賞ノミネート」)

森雅之(世界三大映画祭、アカデミー賞で出演作品が受賞、出演作品が4冠達成している世界的名優である)、田中絹代(1975年ベルリン国際映画祭最優秀主演女優賞受賞)など日本が世界に誇る俳優達が、渾身の演技を見せる。

溝口健二監督、撮影は日本が誇る名手宮川一夫、極めて日本らしい旋律で効果を高める音楽は早坂文雄、美術監督は(溝口健二、木下恵介、稲垣浩、豊田四郎等)多くの名監督の作品を手懸けた伊藤熹朔、アカデミー賞衣裳デザイン賞ノミネートされた風俗考証等を担当した甲斐庄楠音等一流のスタッフが集まり、日本が世界に誇る名作を生みだした。

人間の欲望は限りない、時代が変わっても、ささやかな身近な幸せに満足すること、身近な家族こそ大切にしなければと気づかされる作品。単純なテーマを幽玄の世界で描いて見せる、カメラワークや撮影技術、美術やセットの見事さ、日本映画界の当時のレベルの高さを味わってほしい作品でもある。

“毎日が映画日和” 100点(必見!)


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小鹿物語「The Yearling」 [珠玉の名作]

☆子鹿物語「The Yearling」
(1946年製作、クラレンス・ブラウン監督、脚本:ポール・オズボーン、ジョン・リー・メイソン、音楽:ハーバート・ストサート、アルバート・センドリー、撮影:アーサー・E・アーリング、チャールズ・ロッシャー、レナード・スミス、原作:マージョリー・キーナン・ローリングス
グレゴリー・ペック、ジェーン・ワイマン、クロード・シャーマン・ジュニア
チル・ウィルス、クレム・ピヴァンス、ドン・ギフト

    
アメリカの作家、マージョリー・キーナン・ローリングスの児童小説を映画化した作品。
1946年の製作で、アカデミー賞6度ノミネートの監督クラレンス・ブラウンが、家族の暖かさと子供の成長過程における人生の厳しさとつらさを、美しい自然の中で描いた感動作である。

南北戦争後の1878年、アメリカフロリダの人里離れた森に移り住んでいるバクスター家(グレゴリー・ペック)は、貧しいが明るく希望溢れる家族。
両親と11歳の男の子の3人暮らしで、僅かな農作物を収穫、森の動物を狩りすることで、慎ましく生活をしている。

熊狩りの場面では、2匹の犬と熊の格闘シーンが、スピーディーに描かれ驚く。
また、ジョディが鹿と森を走り回るシーンなど、どのように撮影したのか、非常に興味深いシーンが沢山あり撮影クルーの技術の高さが偲ばれる。

第19回アカデミー賞では、作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、美術監督賞、撮影賞、編集賞の7部門でノミネート、撮影賞と美術監督賞で見事受賞、子役のクロード・シャーマン・Jrに特別賞が授与されている。

狩りの途中ガラガラヘビに噛まれた父親が、蛇の解毒をするため鹿を打ち殺し、肝臓で毒を消す、その時、親鹿と一緒にいた子鹿を育てることを許されたことから、ジョディの成長の物語が始まる。(親鹿を殺したことで、子鹿を育てる義務があると教えている)

身体の弱い友達のフォダウィングの死、大洪水の被害で、自然に打ちのめされるが、また立ち直るのが人間だと、父親が家族を励ます場面が素晴らしい。
また、結婚式に出席するため、街へ繰り出した際の蒸気船まで映し出す遠望シーンが素晴らしい。フォダウィングの死に際し、父親のグレゴリー・ペックの述べる挨拶が、胸を打つ。

子鹿が成長しタバコの苗やトウモロコシの若芽を食べつくすことから、人間が生きていくため撃ち殺せと父親は、ジョディに命令する。
人間と動物の共存は、互いの領域を犯さないことでバランスが保たれるのだが、片方が領域を犯すことでバランスが崩れる自然の厳しさを、この映画では可愛がった子鹿を殺すことで、人間が生き延びることができるのだと訴える。

1946年制作と70年以上前の作品だが、美しいカラー撮影が感動を呼ぶヒューマンドラマで、良質な映画を見ると本当に幸せだと思う。

“毎日が映画日和” 85点


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二十四の瞳(木下恵介+高峰秀子) [珠玉の名作]

☆二十四の瞳
(1954年製作 木下恵介監督・脚本 音楽:木下忠司、撮影:飯田浩之
原作;壺井栄
高峰秀子、笠智衆、浦辺粂子、清川虹子、天本英世、明石潮、浪花千栄子、夏川静江、1年生12名 6年生12名、月丘夢路、田村高廣、)
   
60年前の映画で、涙が止まらない名作。

壺井栄の小説「二十四の瞳」を映画化したもので。昭和3年から昭和21年までの18年間を描いている。
原作では具体的な地名は明示されていないが、映画では、小豆島の岬の分校と本校を舞台とした先生と生徒の交流を綴りながら、第2次大戦前から戦後までの不安定な時代の人々の過酷な運命とその中で必死に生きていく健気な生徒たちと先生の人生を描く。

監督は、木下恵介監督で、他にも名作は数多いものの代表作として、永遠に語り継がれる反戦映画の傑作だろう。
主に小学1年生時代と小学校6年生時代が描かれ、(全国から良く似た兄弟を募集し、その中から選んだ子役たち)戦後に、岬の分校に先生として戻った大石先生とかつての教え子たちが集まる歓迎会の席上、自転車がプレゼンされる。(集まった生徒たちは、12人の内7名だった。)
ラストは、自転車で学校へ通う大石先生の姿で、フィードバックとなる。
教え子の内、戦争で3名の生徒を失くし、夫も戦死する。

人生の悲劇をうまく散りばめながら、子供達との学校生活を描く前半は、あどけない生徒たちの表情が、自然で爽やかな場面が続く。桜の木の下で学校唱歌を歌う場面や、足を怪我した先生のお見舞いへ行こうとする生徒たちとバスから降りて生徒たちへ駆け寄る大石先生の場面は後世に残る名場面である。

貧しくて旅行に行けない生徒など涙失くして観られない場面が続く中、卒業し、進学するもの、奉公に出るもの、人生は12歳で早くも過酷な試練を与える。
当時は、当たり前だったことと思うが、今見ると貧しさで人生が思うようにならなかった人達が多くいたことを、あらためて知ることとなる。

全編を通して木下恵介監督の徹底した戦争反対、権力へのアンチテーゼが貫かれ、声高にならず、生徒と先生との交流という、ごく自然な関係を描きながら、言論弾圧へのやんわりとした批判なども盛り込まれる。
何度見ても新たな発見がある映画で、涙失くして見られない映画でもある。
日本映画の良心が、沢山詰まった映画で、この優しさはなかなか他の映画では見られない。

“毎日が映画日和” 100点!文句なく満点!!


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禁じられた遊び「Jeux interdits」 [珠玉の名作]

☆禁じられた遊び「Jeux interdits」
(1951年製作 ルネ・クレマン監督、脚本:ジャン・オーランシュ、ピエール・ポスト、ルネ・クレマン、撮影:ロベール・ジュイヤール、音楽:ナルシソ・イエベス
ブルジット・フォッセー、ジョルジョ・ブージュリー、リュシアン・ユベールシュザンヌ・クールタル、ジャック・マラン、アンドレ・ウディスレ、アメデー、ルイ・サンティーブ)
     
アカデミー賞名誉賞(外国映画賞)、ベネツィア映画祭グランプリ受賞の名作。

1940年のフランスの農村、パリからの難民がドイツ軍の空襲を受け、両親と愛犬を殺された5歳のポーレット(ブリジット・フォッセー)と農村の3男坊10歳のミシェルとの心の交流を描く映画。
反戦を声高に訴える映画ではないが、ミシェルの家の父親と隣家の父親は何故か、いがみ合っており仲が悪く。事あるごとにぶつかり合う、話し合えばわかることなのに、思いこみや決めつけが争いをますます深刻にしていく、果ては墓地の十字架をめぐり殴り合いをすることとなる。

戦争の原因の大きな理由の一つ、相手を理解しようとしないことが鮮明に描かれる。冒頭のドイツ飛行機による空襲は、ポーレットの様な戦争孤児を多く産みだしたことだろうし、そして今現在、戦争をしている多くの国々にも同じような戦争孤児が生み出され、多くの戦争の被害者がいて、残された家族がいることをこの映画を観ていると痛切に感じる。何故、戦争をするのだろうか。

宗教的対立や過去の出来事へのこだわりや大国の利害の対立や燃料資源の確保など、さまざまな問題があるのだろうが、戦争は人類の歴史が始まって以来耐えることはない。
ポーレットが最後、ミシェルの抗議も受け入れられず、孤児院へ引き取られていく駅で、必死にミシェルを探し求める声が涙を誘う。

子供を演じた2人の演技を引き出した監督の力量が凄いのだが、子供たちが可愛い、特に、ポーレットの仕草が何ともいえず可愛らしい。
「ニュー・シネマ・パラダイス:Nuovo Cinema Paradiso」no」でエレナの成人役を演じたブリジット・フォセーが演じていて、出演時5歳、殺されてしまう両親も実際の両親が演じている。

ルネ・クレマンは、1940年代~50年代は、社会的テーマ性の高い作品で評価が高まり、世界的にも有名となる。1960年の「太陽がいっぱい:Plein soleil」が大ヒットし、その後はビジネスとしての映画が主流となって行くが、作品としてレベルの高い作品を発表し続けた監督である。

「雨の訪問者:LE passager de la pluie」「パリは霧に濡れて:La MAISON SONS LES ARBRES」「狼は天使の匂い :LA COURSE DU LIEVRE A TRAVERS LES CHAMPS」等などが特に好きな作品である。

“毎日が映画日和” 満点意外は無い感動作品!! 100点

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ニュー・シネマ・パラダイス「「Nuovo Cinema Paradiso」 [珠玉の名作]

☆ニュー・シネマ・パラダイス「Nuovo Cinema Paradiso」(完全版)
(1988年製作 ジュゼッペ・トルトナーレ監督・監督、音楽:エンニオ・モリコーネ、撮影:プラスコ・ジュラ―ト、製作:フランコ・クリスタルディ
フィリップ・ノワレ、ジャック・ぺラン、サルヴァトーレ・カシオ(少年)
マルコ・レオナルディ(青年期)、アニェーゼ・ナーノ(若年期)、ブリジット・フォセー、アントネラ・アッティーリ、プペラ・マッジオ、エンツォ・カナヴェイル(支配人)イサ・ダニエリ(アルフレード奥さん)レオポルド・トリエステ(司祭)、レオ・グロッタ(案内人))
     
大好きな映画で、アルフレード(フィリップ・ノワレ)のトトへの父親の様な愛情が何度見ても泣ける映画です。
トルトナーレ監督32歳の作品。生まれ故郷への郷愁と映画への思いが一杯詰まった素敵な映画。
トルトナーレ監督は、映画に描かれる時代背景より少し後の世代だが、幼少期から子供のころそして青年期と似た様な環境で育った体験の多くを映画に込めたと言われている。

映画館に多くの観客がいた時代を懐かしむような映画愛溢れるこの映画は、アカデミー賞外国語映画賞初め数多くの賞を受賞している。
日本では、シネスイッチ銀座で1989年12月から公開され40週という長期の上映となった。この映画を最初に観たのは、シネスイッチ銀座だったことを思いだす。

映画館に通いつめ、アルフレードに怒られながらも映写技師の技術を習得していく幼少期は、ほのぼのとアルフレードとトトの交流を描いて行く。マリアとの悲恋を描く青年期は、成長していくトトへの父親に似た愛情を注ぐアルフレードとの交流を描く。後半は、アルフレードの訃報を聞き故郷に戻ったトト(ローマで映画監督として大成功している)が、今は結婚しているマリアと再会し、断ち切れない思いを伝え、すれ違いの理由を知ることとなる。

アルフレードの形見を手にローマに戻ったトトは、幼少期教会教区映画としての上映だったためカットされた映画のキスシーン(アルフレードがトトへあげると約束していた)だけを編集した形見のフィルムを観て、アルフレードのトトへの深い愛情を再認識するという物語。通常上映版は、マリアとの再会の部分がカットされた短縮版で、世界中で評価の高いバージョン。

今回観た完全版は、運命の皮肉も描きつつ母親やアルフレードのトトへの深い愛情をトトが再確認するバージョンとなっていて175分の長尺版。
イタリア映画で、架空の村の物語、撮影の大半はシチリアのパラッツォ・アドリアーノ村で行われ多くの住民がエキストラで出演しているとのこと。

ニュー・シネマ・パラダイス座は、広場にセットで建てたもので、映画館の内部は教会を改装したもので、当時の雰囲気をうまく出している。またラスト、ローマの会社でトトが、形見のフィルムを観る時の映写技師にはトルトナーレ監督が扮している。幼少期を演じたトトは、今はスーパーマーケットのオーナーとのこと。映画の中に登場する多くの映画は、44本で(ポスターも含め)
・どん底 ・駅馬車 ・揺れる大地 ・チャップリンの拳闘 ・無法者の掟
・にがい米 ・白い酋長 ・ジキル博士とハイド氏 ・風と共に去りぬ 
・ヴィッジュの消防士たち ・アンナ ・絆 ・素直な悪女 
・略奪された七人の花嫁 ・青春群像 ・貧しいが美しい男たち・ユリシーズ
・さすらい ・嘆きの天使 ・街の灯 ・激怒 ・白雪姫 ・カサブランカ
・戦場よさらば ・ロビンフッドの冒険 ・素晴らしき哉、人生! 
・ベリッシマ ・夏の嵐 ・マンボ ・ヨーロッパ1951年 ・ウンベルトD
・サリヴァンの旅 ・越境者 ・ならず者 ・黄金狂時代 ・熱砂の舞 
・ノックアウト ・ナポリの黄金 ・ローマの休日 ・ヒズガールフライデー 
・美女と野獣 ・玩具の国 ・底抜け極楽大騒動 ・丘の羊飼い
以上である。

トトが、アルフレードや家族の元から、列車で旅立つシーンにかぶせて、葬儀に駆けつけるため飛行機が着陸するシーンなどの演出が切なくて堪らない。
映画館に入れない人たちへの思いやり溢れるシーン(アルフレードが光を失う場面)、野外映画のシーンなどの雰囲気が素晴らしい。感性豊かな監督で、ラストのキスシーンのフィルムの場面など何度観ても涙が溢れる名シーンである。

映画館のボヤのシーンなどは、実際の当時の映写技師達の話からヒントを得ているとのこと。多くの経験と体験がこの映画に詰まっており、忘れられない名画となっている。生涯にそんなに出会えない名作の1本である。
    
“毎日が映画日和” 文句ない100点!

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ベニスに死す「Der Tod in Venedig」 [珠玉の名作]

☆ベニスに死す「Der Tod in Venedig」(Morte a Venezia)(Death in Venice)
(1971年製作 ルキノ・ヴィスコンティ監督、脚本:ルキノ・ヴィスコンティ、ニコラ・パダルッコ、音楽:グスタフ・マーラー、撮影:バスクァリーノ・デ・サンティス、原作:トーマス・マン
ダーク・ボガード、ヴョルン・アンデルセン、シルヴァーノ・マンが-ノ、
マリサ・ベレンソン、マーク・バーンズ、ロモロ・ヴァリ)
     
映画の画面のシーン一場面一場面が、芸術とも呼ぶべき美しさで、40年以
上経って再見すると最初この映画を見たときの印象とは、全く違ったように思える。

冒頭、薄暗い夕闇に包まれた静かな海を、まるで滑るように航行する客船の場面からくぎ付けにされる。
ホテルのエントランスレストランの内装、調度品などを含む美術は1900年代初期の雰囲気を醸し出し、
出演者達の衣裳も見事で映画芸術の凄さを見せつけられる。
(メイキングシーンでは、ベニスのリド島のホテルを、冬季閉鎖期間に借り切って撮影している)

監督のこだわりが相当細かいのが良くわかり、重厚で耽美的な表現はビィスコンティの真骨頂。
この映画の原作者トーマス・マンは、実際にベニスに旅をした際に、この美少年と遭遇している。
(今では、モデルとされた人物の氏名、身分もわかっている。)

原作と映画の大きな違いは、作家ではなく作曲家(音楽家)に変更されていること。
映画の中で、アッシェンバッハは、親友アルフレッドと芸術論議を交わしているが、
会話の内容が、難しくてヴィスコンティの意図を理解することは最後までできなかった。

トーマス・マンとグスタフ・マーラーは、実際に親交があったとのことで、ヴィスコンティ監督が、
アッシェンバッハとアルフレッドの関係を描くことで、トーマス・マンとフスタフ・マーラーの関係を
投影させたのは間違いないだろう。

老いていく主人公が、美貌の少年をストーカーのごとく追い回すのだが、
ヴィスコンティ自らバイ・セクシャルであることをカミングアウトしていることもあって、
もう手に入らない若さと美しさを追い求める心情が、ホモセクシャル的な雰囲気を醸し出し見事である。

ベニスが舞台の撮影は、さまざまな映画の舞台としても知られるが、(「夏の嵐」「旅情」「娼婦ベロ二カ」
「ベニスで恋して」「007」では3作品等)この作品でのベニスは、物悲しく寂しい。
ホテルのあるリド島の海岸での場面もカメラワークが、素晴らしい。

画面の上3分の1だけに人物を写し、画面の下方は海岸の砂という場面など、とにかく絵画を見る様な
シーンとなっている。映画は総合芸術と言うが、正にこのような映画をいうのだろう。
マリサ・ベレンソンの美しさが、際だっている!!

“毎日が映画日和” 100点!





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バベットの晩餐会「Babettes Gaestebud」 [珠玉の名作]

☆バベットの晩餐会「Babettes gæstebud」「Babette’s Feast」
(1987年製作 ガブリエル・アクセル監督・脚本、撮影:へニング・クリスチャンセン、音楽:ベア・ノアゴー  原作:アイザック・ディネーセン(実際は、デンマークの女流作家:カレン・ブリクセン)
ステファーヌ・オードラン、ピルギッティ・フェダースピール(ヴィ―べケ・ハストルフ)、ボデュル・キュア(ハンネ・ステンゴー)、ボウエル・ケアン、
ヤール・キューレ(グドマール・ヴィヴィ―ソン)、ジャン・フィリップ・ラフォン)
      
デンマーク映画で、19世紀後半のユトランド半島の寒村を舞台にした心温まる、慈愛に満ち優しさ溢れる映画で大好きな映画。

老父の牧師と暮らす美しい娘2人が、姉さんは(マーチーネ)軍人ローレンスから、妹は(フィリパ)はパリのバリトン歌手パパンから思いを寄せられながらも、父と共に神に仕える道を選択する。父の死後、フランスでの革命で難を逃れパパンから紹介された女性(バベット)を受け入れたことから始まる心温かな交流が描かれる。バベットは、パリ時代レストラン「カフェ・アングレ」の有名シェフだったのだ。

バべットは、たまたま宝クジで1万フランが当たったこと、牧師が無くなり生誕100周年になること等偶然が重なったことで晩餐会を計画する。
お姉さんが、食材(海亀やうずらなど)を見て悪夢にうなされたことから、晩餐会に集まる人々に相談の上、料理には関心を示さないこと話題にしないことなどを決める。

晩餐会当日、今や将軍となったローレンスと叔母も参加し、晩餐会がスタートするのだが、結果はその美味しさにみんな笑顔で幸せになる、そう、美味しい料理は人の心を豊かにしてしまう。いがみ合っていた人達がみんな許し合う姿にこの映画のテーマがある。

美味しい料理は、心を豊かにそして幸せな気分にしてくれる。映画のような高級な食材でなくても、十分味わえる幸福である。(アカデミー外国語映画賞初め各国のさまざまな映画で評価の高かった映画で、カレン・ブリクセン原作の映画化では、名作「愛と哀しみの果て」も必見である。)

映画の食事はいかにも美味しそうだったし、ヴーヴ・グリコのシャンパンやブルゴーニュ・ワイン(クロ・ド・ヴァ‐ジュ)、食前酒:シェリー酒(アモン・ティラート)も美味しそうだった。映画には、こういう楽しみもあるので止められない。味わえるかどうか別にして、分不相応の知識が間違いなく増えるのだ。
映画とは何て面白いのだろうか。

“毎日が映画日和” 100点!(映画は本当に面白い!)

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屋根の上のバイオリン弾き「Fiddler on the Roof」 [珠玉の名作]

☆屋根の上のバイオリン弾き「Fiddler on the Roof」
(1971年制作 ノーマン・ジョイソン監督 脚本:ジェイソン・スタイン
撮影:オズワルド・モリス 音楽:ジョン・ウィリアムス 挿入歌作詩:シェルドン・ハーニック、作曲:ジェリー・ボック 原作:ショレム・アレイハム
トポル ノーマ・クレイン、ロザリンド・ハリス、ミシェル・マーシュ
ニーバ・スモール、エレイン・エドワーズ、キャンデス・ポンスタイン
モリ―・ピコン、ポール・マン、レナード・フレイ、マイケル・グレイザー
レイモンド・ラブロック)
      
久しぶりに見る3時間の大作で、19世紀末の帝政ロシア領シュテットルに暮らす信心深いユダヤ教徒の貧しい牛乳屋テヴィエ家を描いた物語。

しかもミュージカルで、挿入される数々の歌も映画の流れに良く合っていて退屈しないで観られる。
今は観られなくなった正統派大作映画で、CGなどは無い。
伝統を重んじて、信心深く地域の人達にも認められ、貧しいながらも夫婦仲良く5人の娘と暮らすテヴィエ家族の長女に縁談が持ち込まれることから物語はスタートし、幼馴染同士の長女の結婚、次女の信念を貫く結婚、三女の愛を大切にする結婚などを描きながら、政治的情勢から居住地を追われ新たな土地へ出発するところでエンディングとなる壮大な家族の愛の物語。

また、権力に翻弄される人々や、権力に抵抗しようと立ち上がる人々も描いている。3時間の作品の中に、ユダヤ人の抱える運命も取り入れ壮大な抒情詩が綴られる。撮影が素晴らしい。音楽が素晴らしい。挿入される数々の歌が良い。やはり「Tradition=伝統の歌」「Sunrise Sunset=陽は昇り陽は沈む」が印象深く残る。

美術等スタッフの仕事がいいのだろう、農村の風景がとても良く出来ている。
ロケ地の風景もきれいで、撮影も美しい、夕陽の沈むシーンなどは圧巻である。
時代考証は、実際に良くは解らないが当時はこうだったのだろうと、いかにもそれらしく感じさせてくれる。すべてに一流が揃うとこのような映画が出来るのである。

トポル(イスラエル出身)は、「フォロー・ミー」や「007ユア・アイズ・オンリー」に出演し存在感ある演技を見せているが、「フォロー・ミー」は、キャロル・リード監督後期の名作で、トポルの持ち味が良く出ている映画である。テヴィエ役は舞台でも当たり役で、堂々と演じ見るものを共感させる。伝統と格式を重んじながらも、娘たちの気持ちを大切にしてくれる優しい父親を演じていて、その風貌と相まってか安心感を与えてくれる。
妻役のノーマ・クレインも熱演、娘役の3人も好演。肉屋、レビ、仕立屋、隊長などそれぞれ上手くて手堅い演技。

長年住んでいる土地を追われることになりながらも、それぞれが逞しく生きようとする姿が素晴らしい。ときどき出てくるバイオリン弾きが、明日への希望を奏でているようで、前向きになれる映画で素晴らしかった。(アイザック・スターン演奏とのこと:ユダヤ系)

ノーマン・ジェイソンは、「夜の大捜査線」「華麗なる賭け」「シンシナティ・キッド」「オンリー・ユー」「ザ・ハリケーン」「月の輝く夜に」などの傑作揃いの監督だが、初期のコメディ作品や「フィスト」「ジャステス」「結婚しない族」
「ソルジャー・ストーリー」「アグネス」「アザー・ピープルズ・マネー」「僕のボーガス」などの作品が未見のため、一刻も早く見てみたい。

“毎日が映画日和” 90点

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黄昏「On Golden Pond」 [珠玉の名作]

☆黄昏「ON GOLDEN POND」
(1981年制作 マーク・ライデル監督、脚本:アーネスト・トンプソン、撮影:ビリー・ウィリアムス、音楽:ディブ・グル―シン
キャサリン・ヘップバーン、ヘンリー・フォンダジェーン・フォンダ ダグ・マッケオン、ダブニー・コールマン、ウィリアム・ラント‐)
      
自愛溢れるキャンデス・バーゲンの眼差しがこの映画の全てを語っている。
単に泣きを誘う映画ではなく、死と向き合う老夫婦の人生を娘や娘の結婚相手の息子との交流を通じて綴る、心優しい映画。

ヘンリー・フォンダが、素晴らしい。この映画が最後の作品となった。
数多くの映画に出演した、アメリカを代表する名優で傑作・名作が目白押しの俳優である。アカデミー賞には縁がないが、最後のこの作品で受賞したのは、何とも皮肉だが、ふさわしい演技である。

キャサリン・ヘプバーンは、主演女優賞をこの映画でも受賞し4度目とのこと。二人は、これまで共演がなかったというのが不思議なくらいである。
娘役のジェーン・フォンダが、実父のヘンリーと共演した唯一の映画でもある。
このときジェーンは、44歳だが見事なシェープアップした身体で、水着姿を披露している。
出演する俳優が、5~6人で主演の2人が出ずっぱりだが会話や仕草など物静かな演技だが、迫力さえ感ずる。

マーク・ライデル監督作品「ローズ」も力作だったが、今作では肩の力を抜いた演出でベテラン二人の個性をうまく引き出している。
くっきりと鮮やかな画面は、きれいで、自然豊かな湖畔の風景を映し出している。原題は「ゴールデン・ポンドGOLDEN POND」、映画を見るとその意味が良く分り、湖面で遊ぶ水鳥に老夫婦が重なりあって印象深いラストとなっている。

“毎日が映画日和” 85点

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