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遥かなる山の呼び声(山田洋次監督+高倉健) [映画(高倉健の魅力)]

☆遥かなる山の呼び声「A Distant Cry from Spring」
(1980年制作、山田洋次監督、脚本:山田洋次、浅間義隆、撮影:高羽哲夫、音楽:佐藤勝
高倉健、倍賞千恵子、吉岡秀隆、ハナ肇、鈴木瑞穂、杉山とく子、武田鉄也、大竹恵、畑正憲
渥美清、神保秀郎、粟津號、木の葉のこ、下川辰平)

    
健さんの映画の中でも、「冬の華」と共に好きな作品。
名作「シェーン:Shane」の主題歌を映画のタイトルにしていて、映画の着想は「シェーン」から得ている。未亡人と一人息子を流れ者が助けるというモチーフで「無法松の一生」も映画の要素の中に沢山詰まっているような感じがする。
北海道の四季の移ろいと共に物語は進行して行くが、四季折々の風景描写がとてもきれいで、素晴らしい。

山田洋次作品でほとんどコンビを組んでいる名手高羽哲夫のカメラ・ワークが冴えていて、高倉健が馬を洗う川のシーン、武志と恵を馬に乗せ手綱を引いて牧場へ戻るシーン、夕焼けのシーン、朝もやの立ち込めるシーン、武志と民子が牛を追いながら家路に戻るシーン、ラストの走る列車を空中撮影で追うシーン等々きりがない程、素敵なシーンが沢山描かれている。

映画音楽界の巨匠佐藤勝の音楽も、この映画には欠かせない、メインテーマ曲だけでなく、場面場面に挿入される音楽が、それぞれに印象に残る素晴らしい出来栄えとなっている。
風景が映画に溶け込んでいて、そこに音楽が流れストーリを語っている珍しい映画作品。

殺人事件で追われている田島耕作(高倉健)が、零細牧場経営の未亡人風見民子(倍賞千恵子)と武志(吉岡秀隆)親子と過ごす2か月間の出来事を中心に描いている。高倉健当時49歳、逞しい身体、男臭いそれでいて温かみのある優しい眼差しがこの映画全体の雰囲気を表している。
倍賞千恵子(当時39歳)演ずる民子は、徐々に働き者で誠実な人柄の耕作に魅かれて行き最後は、行かないでとすがる切ない女心を見せて大熱演。
すっかりなついた武志もどうしていっちゃうのと泣いてたずねる、涙なくして語れないシーンが続く。
脚本が良く出来ていて、虻田3兄弟との絡みのシーンなど構成が上手く、ハナ肇への演出も見事で持ち味が良く出ている。

草競馬への出場で優勝することから、警察に眼を付けられてしまうのだが、「無法松の一生」(徒歩競争で優勝する)を連想する場面でもある。高倉健自ら馬に乗り手綱を引いている。逮捕され、裁判の後網走刑務所へ移送される列車の中のエピソードは、忘れられない名シーンとなっていて、
護送される耕作の通路を挟んで向かい側の席に座った、虻田社長と民子が、牧場を止め、中標津の街で働きながら出所を待っていると伝えるシーンは、日本映画史上に残る名場面でもある。
何と民子が耕作に渡すハンカチは、黄色いハンカチという、おしゃれで切なくて悲しいが、希望を
与えるシーンでもある。山田洋次監督の思いが伝わる。

何度見ても泣ける映画で、杉山とく子の役作りの上手さ、兄役の鈴木瑞穂の生活に疲れていながらも弟への心遣いを見せる演技、ハナ肇の豪放磊落な雰囲気作りなど脇役陣も充実。
高倉健、倍賞千恵子、山田洋次監督と言えば「幸せの黄色いハンカチ」が、代表作として知られる
が、「遥かなる山の呼び声」も負けず劣らずの名作である。
日本映画の底力と良心を確認できる映画で、必見である!!

”毎日が映画日和”” 文句のない100点!!

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冬の華(高倉健) [映画(高倉健の魅力)]

☆冬の華
(1978年制作、降旗康男監督、脚本:倉本聡、音楽:クロード・チアリ、撮影:中沢半次郎
高倉健、北大路欣也、田中邦衛、池上季実子、三浦洋一、小池朝雄、夏八木勲、峰岸徹
小林稔侍、寺田農、小林亜星、岡田真澄、池部良、大滝秀治、倍賞美津子、小沢昭一、藤田進)


高倉健の映画の中で、個人的に大好きな作品。
東映の任侠映画でスターとなった健さんが、1976年東映を退社してからの作品で、
足を洗おうとしながらも抜け出せない男のしがらみを描いた映画である。
倉本聡の脚本で、物静かな義理堅い男を演じさせたら独壇場の不世出のスター高倉健の名作である。

実力派俳優を随所に配し、それぞれの個性が役柄にマッチし違和感が無い、何度見ても素敵な映画である。降旗監督は、健さん映画を20本監督し、最もよく健さんの魅力を知る人で、表情一つで健さんの心情を語って見せる。

殺した兄弟分(池部良)の娘洋子(池上季実子)の生活を支える足長おじさんを演じ、成長した洋子に出所後会おうとするが、結局は会えず、踏ん切りのつかない昔気質の男、加納秀次(高倉健)が、堅気になることを、一度は決心しながらも、ヤクザ世界の義理や極めて特異な狭義の世界で、刑務所へ戻る決断をするまでを描く。(裏切り者をまた殺すことになる)
池上季実子が、刑務所を出所したばかりの健さん(ブラジルにいる叔父さんと思っている)に会いたがる女子学生を演じ、可憐な姿を見せる。

健さん映画の常連、田中邦衛が、健さんの舎弟を演じ相変わらず渋い演技を見せ、峰岸徹や夏八木勲、寺田農、三浦洋一そして実生活でも弟分の小林稔侍が、健さんの舎弟分としてそれぞれ個性を発揮する。親分の息子で、復讐に執念を燃やす自衛隊員道郎を演ずる、北大路欣也の硬派の魅力が、映画に緊張感を生んでくれる。

裏切る小池朝雄の演技は、絶品で一見の価値有(特にサウナのシーン)、また健さんのお兄さん役、大滝秀治が、何ともうらぶれた雰囲気を醸しだし、これまた出色の演技、二人とも文句のない助演賞ものである。小沢昭一が、中国人役で名人芸を見せ、倍賞美津子が、チョイ役だが存在感を見せる。

シャガールの絵に誘われ、罠とも知らず殺される親分(藤田進)、カラオケの曲を奪いあう組の幹部たち(小林亜星、曽根晴美)、洋子(池上)が良く通う横浜馬車道のクラシック喫茶「コンチェルト」で、秀治(健さん)がリクエストするのはチャイコフスキーの「ピアノ協奏曲変ロ短調」、従来の東映任侠映画とは違う世界が、情感たっぷりに描かれる。
ソフトな語り口の脚本が、過剰な演技を極力抑えた演出に調和し、新たな健さんワールドをみせてくれる。

クロード・チアリの奏でる物悲しい音色のギター曲が、画面にフィットし、効果的にリフレインされ、より切なさを感じさせる。1976年以降の健さんの映画の中では、「幸せの黄色いハンカチ」や「鉄道員」「八甲田山」「遥かなる山の呼び声」などと違い、ヤクザの世界を描いていることで、大衆受けはしなかったものの、隠れた名作である。必見!!

”毎日が映画日和”100点(健さん最後の任侠映画に敬意を表して、満点!!)

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