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コナン・ザ・グレート「Conan the Barbarian」 [重厚な史劇サスペンス]

☆コナン・ザ・グレート「Conan the Barbarian」
(1982年制作、ジョン・ミリアス監督、脚本:ジョン・ミリアス、オリヴァ―・ストーン音楽:ベイジル・ポールドュリス、撮影:キャロル・ティモシー・オミーラ
アーノルド・シュワルツェネッガー、ジェームズ・アール・ジョーンズ、マックス・フォン・シド―、サンダール・バーグマン、マコ・岩松、山崎清)
    
ディノ・デ・ラウランティス制作のヒロイック・フアンタジーで、主演のアーノルド・シュワルツェネッガーが世界的に名を馳せた作品である。
原作は、ロバート・E・ハワード「英雄コナン」で、世界中で愛されている小説である。

ボディ・ビルダーとして頂点に立っていたが、映画俳優としては駆け出したった。この作品は決して成功作ということではないが、シュワルツェネッガーにとっては、大成功となった。

幼い時に村を襲われ両親を殺されたコナンは、妖術師タルサ・ドゥーム(ジェームズ・アール・ジョーンズ)率いる一団に復讐を誓う。
逞しく成長したコナンは、諸国を旅する間にさまざまな試練を乗り越え、ヴェレリア(サンダール・バーグマン)や魔法使い(マコ岩松)、モンゴル人の泥棒(ゲリー・ロペス)等の仲間と出会い、窮地を助けられ、復讐を果たすまでを描いている。

脚本に締りがないせいか(脚色は、ジョン・ミリアスとオリヴァ―・ストーン)
ネームバリューは抜群の2人だが、演出にキレが無く散漫な感じの映画となって終った。特に修行の旅の描写が長すぎたのと、アクションにスピード感が無い。
15分か20分ぐらい短くしたら、面白くなったのではないだろうか。

冒頭、村が襲われるシーンなどは、緊張感も有り滑り出しは好調だったが、その後がいけない。後半、タルサの宮殿内での戦闘シーンもスピード感があれば面白くなったと思うのだが、剣を振るうスピードがゆったり過ぎるし、銅の剣が、ある意味主役の様な意味合いもあるのだが、その辺の描き方も押しが弱い。

この作品はスマッシュヒットとなり、続編「キング・オブ・デストロイヤー;Conan the Destroyer;84」が製作された。続編も含め剣技の指導は、新道自然流の山崎清で、出演もしている。
ジェームズ・アール・ジョーンズは、存在感抜群で、野太く響く声が素晴らしい、眼力が凄いし、独特の役作りを楽しんでいるかのようだ。
監督のジョン・ミリアスは、脚本家としてスタート「ダーティー・ハリーDirty Harry;71」「地獄の黙示録;Apocalypse Now;79」「「大いなる勇者;Jeremiah Johnson;72」「今そこにある危機;Clear and Present Danger;94」等の脚本を担当し、「デリンジャー;Dillinger;73」で監督デビュー、「風とライオン;The Wind and the Lion;75」「ビッグ・ウェンズデー;Big Wednesday;78」等の作品は必見の傑作である。

残念ながら、第2作はヒットとはならず、ジョン・ミリアス監督は3部作としたかったと、メイキングで述べているが実現することはなかった。

“毎日が映画日和” 65点







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鴛鴦歌合戦(おしどりうたがっせん;マキノ正博監督) [日本映画 名作クラシック]

☆鴛鴦歌合戦(おしどり歌合戦)
(1939年制作、マキノ正博監督、脚本:江戸川浩二、オペレッタ構成・作詞:島田肇他、音楽大久保徳次郎、撮影:宮川一夫
片岡千恵蔵、志村喬、市川春代、香川良介、服部富子、深水藤子、ディック・ミネ)
   
江戸時代を舞台にした日本版ミュージカルで、77年前の作品である。
片岡知恵蔵(当時36歳)、志村喬(当時34歳)の(後年の2人を知る人間としては、とんでもない作品)映画界の大スターが、ジャズに併せて歌うという楽しい作品となっている。

共演者は、ディック・ミネ、服部富子、市川春代、深水藤子で、ディック・ミネは歌手が本業だが、出演者の歌声が軽やかで聞きやすい。
脚本は、マキノ監督が江戸川浩二名で執筆し、31歳という若さにも関わらず、製作時既に100本以上の作品を監督しており、生まれながらにしての才能が花開いた戦前・戦後を代表する大監督である。

時代劇で歌い・踊るのは東映で継承されたが、この作品は戦前の作品で、出来が良いし、片岡千恵蔵、志村喬の歌声にはびっくりである。
宮使いを嫌って気楽な浪人暮らしの浅井禮三郎(片岡千恵蔵)を巡っての恋愛騒動が物語の土台になっているのだが、3人の女性にモテまくるという役で明るい物語となっている。
恋愛騒動に、骨董品の偽物騒動が絡んだ作品で、にこにこ笑いながら楽しむ作品となっている。

主演の片岡千恵蔵が、病気で出番が減り、その分志村喬とディック・ミネの出番が増えたとのことだが、帰ってその方が作品全体を、明るくしたのではないだろうか。
重厚な演技派というイメージの志村喬にこんな作品があったとは、驚きである。

カメラ(撮影)は、若かりし頃の宮川一夫で、「銀残し」という撮影技法を編み出し、世界中の映画で使用されるようになったという、日本が世界に誇る名カメラマンである。数々の名作を担当しており、巨匠と呼ばれる監督達の信頼が高かったカメラマンである。

こんな洒落た作品を、80年前に製作していたということに驚くが、戦前の日本の映画のレベルの高さに、ビックリ・ポンである。

“毎日が映画日和” 100点(満点以外にない驚きである)


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ランボー3/怒りのアフガン「RamboⅢ」 [アクション爆裂!!]

☆ランボー3/怒りのアフガン「RamboⅢ」
(1988年制作、ピーター・マクドナルド監督、脚本:シルベスター・スタローン、シェルドン・レティック、撮影:ジョン・スタニア、音楽ジェリーゴールドスミス
シルヴェスター・スタローン、リチャード・クレンナ、カートウッド・スミス、
マーク・ド・ジョング、スビロス・フォーカス、サッソン・ガーベイ)
   
スタローンのランボーシリーズ第3作目である。
ベトナム戦争に従事したストイックで寡黙な主人公というキャラクターは、マッチョなスタローンが演じるからいいのだが、逆にワン・パターンの演技は、ゴールデン・ラズベリー賞の常連ともなっている。

3作目ともなるとさすがにアメリカでは、飽きられたのか前作の3/1程度の興行成績となってしまったが、世界的にはメガヒットを記録し、スタローンブランドは強いことを証明した。

ロケは、タイとイスラエル、そして激しい戦闘シーンの大半は、アリゾナで撮影されていて、アフガニスタンに駐留するソ連軍との(設定)ド迫力の戦闘シーンがこれでもかとばかりに繰り広げられる。
イスラエル軍の全面協力を得て、シリアやエジプトとの戦争で手に入れたソ連製の銃火器が使用されていて、イギリスやアメリカの武器等も多種使用されているという。攻撃型戦闘用ヘリコプター、戦車などが有効に利用され、爆破シーンや銃撃シーンが繰り返される。兵器好きにはたまらない映画だろう。

トラウトマン大佐(リチャード・クレンナ)が調査に出向いたアフガニスタンで、ソ連軍に拉致されたことから救出に向かうランボーの活躍を描いているが、
アフガンゲリラと協力する米軍という今では考えられないストーリーが設定されている。アフガンゲリラ(ムジャーヒデーン)の一部が、その後、アルカイダへと変貌してゆくことを思うと考え深いものがある。

ランボーが負った傷を治療する場面は、実際にけがをした傷を、スタローン自ら実際に治療しているということで驚くが、過激な撮影であることが理解できる。「ロッキー」シリーズといい、最近の「エクスペンダブルズ」シリ―ズといい、過激で扇情的な作品が真骨頂のスタローン作品には、やっぱり激しいアクションと鍛え抜かれた肉体のぶつかり合いが、よく似合う。

見事にビルドアップアされた上半身が、映画全編で見られるのも、スタローンファンには最高だろう。
70歳を目前にしても、尚激しいアクションシーンに挑み続けるこの俳優は、どこを目指していくのか、これからも興味は尽きない。
面白く、楽しく観る映画としては、最高!!

“毎日が映画日和” 65点




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ダーティー・ファイター「Every Which Way But Loose」 [イーストウッドを見逃すな!]

☆ダーティー・ファイター「Every Which Way But Loose」
(1978年制作、ジェームズ・ファーゴ監督、脚本:ジェレミー・ジョー・クロンズバーグ、音楽:スナッフ・ギャレット、撮影:レックスフォード・メッツ
クリント・イーストウッド、ソンドラ・ロック、ジェフリー・ルイス、ルース・ゴードン、ビヴァリ―・ダンジェロ、クライド)
   
さまざまなジャンルにチャレンジしていた頃の、クリント・イーストウッドのアクション・コメディーで、ヒットした作品である。
常にヒット作を生み出すことが義務付けられるスター故の試行錯誤の時期であったかも知れない。
出演時48歳と、男としても油の乗り切った頃の作品で、引き締まった身体が逞しい。

ビールとカントリー・ウェスタンの好きなトラック運転手のファイロ(クリント・イーストウッド)が、行き付けの店で、歌手のリン(ソンドラ・ロック)に一目ぼれするが、プロ歌手を目指すということで、突然目の前から消えてしまったことから、彼女を探す為、賭けファイト(殴り合い)で資金を稼ぎながら旅するという作品で、相棒のオーヴィル(ジェフリー・ルイス)やオランウータンのクライドが、ゆる~いアクセントとなっている痛快な作品である。

暴走族や警察官等が絡み、ドタバタコメディが展開されるが、ストリート・ファイトの壮絶さも楽しめる作品で続編が1980年に製作されている。
クリントのコメディアクションは、「ピンクキャデラック;Pink Cadillac;89」が不評で以後コメディは製作されていない。

イーストウッド作品の常連ジェフリー・ルイスは、イーストウッド作品に7本出演している脇役俳優で、悪役でも何でもこなす名バイブレーヤー、この作品でも重要な相棒役を演じ、楽しそうである。
この映画のヒットの要因ともなったと思われるオランウータンのクライドは、可愛い仕草が、女性客を惹きつけたと思われるが、彼が登場すると画面が和やかになり、自然と笑みがこぼれること間違いない。

結局は、男を踏み台にして渡り歩くリンに振られるという落ちで、意外な肩透かしの結末も面白いし、最後の賭けファイトでわざと負ける当たりの演出も心憎い。
監督は、「ダーティー・ハリー3;The Enforcer;76」のジェームズ・ファーゴで、監督作は9本あるが、日本公開作品はクリント主演の2作品だけである。

クリント・イーストウッド主演の映画は、難しい文藝作品とかシリアスなテーマを主題とした作品とかではなく、純粋にエンターテイメント作品が圧倒的に多い。そういう意味でも、映画は娯楽で、多くの観客に楽しんで貰うものという意識が高いのだろう。
2000年代「ミスティック・リバー;Mystic River;03」以降の監督作品に観られるような、不条理な人生を描いたどこか暗い作品とは、大きく異なっている。

娯楽映画の申し子、“クリント・イーストウッドを見逃すな”ということで、主演・監督作品等関わった作品57本中24本をブログ開始以後見てきたが、実に多彩な才能を持っている映画人であることが良くわかる。アカデミー賞主演男優賞は、縁が無く無理だろうが十分匹敵する活躍をしている。ジョン・ウェイン亡き後のアメリカを背負った本物のスターである。
(アカデミー賞監督賞を2度受賞は凄いし、彼の作品で個人的に受賞している俳優も数多い。ジーン・ハックマン、モーガン・フリーマン、ショーン・ペン、ロビン・ウィリアムス等)

まだまだ再見するべき映画の多い俳優・監督で、これからもクリント・イーストウッドを見逃せない。

―イーストウッドを見逃すなー24

“毎日が映画日和” 70点



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ベンガルの槍騎兵「The Lives of a Bengal Lancer」 [骨太の男臭い映画が堪らない]

☆ベンガルの槍騎兵「The Lives of a Bengal Lancer」
(1935年、ヘンリー・ハサウェイ監督、脚本:ウォルデマ―・ヤング、ジョン・L・ボルダーストン、アクメッド・アブダラー、撮影:チャールズ・ラング
ゲイリー・クーパー、フランチョット・トーン、リチャード・クロムウェル、サー・ガイ・スタンディング、C・オーブリー・スミス、モント・ブルー)
   
1936年度の第8回アカデミー賞に於いて、作品賞、監督賞、脚色賞、美術監督賞、録音賞、編集賞、助監督賞にノミネートされ、助監督賞受賞のスペクタクル活劇巨編である。
インドのデルヒに駐在する英国の槍騎兵41連隊の将校達の活躍を描いた作品で、ヘンリー・ハサウェイ監督(男っぽい映画が得意)のダイナミックな冒険活劇となっている。

80年前の作品とは思えない、迫力とテンポの良さが特徴で、ゲイリー・クーパー演ずる血気盛んな中尉マクレガーが、ストーン大佐の命令も聞かず、将校仲間で大佐の息子ストーン小尉の救出のため(カーンの愛人の罠に落ち捕えられる)、同じく仲間のフォーサイス中尉と敵カーンのアジトに乗りこむが捕えられ、軍需品の受け渡し場所を拷問に耐え切れずストーン少尉が白状してしまう。

牢番をうまく騙し、奪われた弾薬を爆破するため、マクレガー中尉は敵の銃弾を浴び亡くなるがカーン軍との戦いの壮絶な場面はスケールの大きさと迫力といい、今でも見応え十分で脚本の面白さと実写の迫力に拍手喝さいの映画となっている。

娯楽映画の王道をゆく作品で、典型的な活劇巨編の成功例と言っていいだろう。
このような、エンターテイメント性豊かな作品は、少女趣味な作品や人間の本質を問うドラマ性の無い昨今の映画と違い、大人のエンターテイメント作品の王道をゆく堂々たる大作となっている。
実に面白い!!

ヘンリー・ハサウェイ監督は、多くのスター俳優と組んだ作品が多く、ランドルフ・スコット、ゲイリー・クーパー、ヘンリー・フォンダ、ジョン・ウェイン等錚々たるスター達が、ヘンリー・ハサウェイと仕事をしている。
「Gメン対間諜:The House on 92nd Street」「砂漠の鬼将軍:The desert Fox」「ナイアガラ:Niagara」「悪の花園:Garden of Evil」「エルダー兄弟:The Sons of Katie Elder」「勇気ある追跡:True Grit」等、幅広いジャンルの作品を手懸け、名作・傑作が多数あり、どの作品も必見である。

”毎日が映画日和“ 85点

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男の旅立ち「The Culpepper Cattle Co」 [甘く切ない青春の想いで]

☆男の出発(たびだち)「The Culpepper Cattle Co」
(1972年制作、ディック・リチャーズ監督、脚本:エリック・パー子ヴィッチ、グレゴリー・プレンティス、撮影:ローレンス・エドワード・ウィリアムズ、ラルフ・ウールジー、音楽:トム・スコットジェリーゴールドスミス
ゲイリー・グライムズ、ビリー・グリーン・ブッシュ、ボー・ホプキンス、ジェフリー・ルイス、マット・クラーク、ジョン・マクライアム)
   
16歳の少年がカウボーイに憧れ、コックの助手とそして雇われ、テキサスからフォート・ルイスへキャトル・ドライブに旅立ち、さまざまな経験を経て母親の元へ帰ってゆくという青春西部劇。

ボスのフランク・カルペッパー初め、カウボーイ達を演ずる俳優達が渋い。
多くの映画で見かける、マット・クラークやジェフリー・ルイスが出演しているのも嬉しい。

牛泥棒との戦いで、仲間が死んだり、馬泥棒に襲われ、馬泥棒との撃ちあいなどを経験する中で、カウボーイの生活が甘いものでないことを知ってゆく。
キャトルドライブの途中で起こる、地主とのいざこざで、仲間を失い敵も全滅させるが、現実に直面することで、母親の元へ帰る決断をするという、青年期の男の成長物語をセピア色の画面の中で淡々と描いていく。

ディック・リチャーズ監督は、「さらば愛しき人よ:Farewell My Lovely」で、一躍注目を浴びた監督だが、「男の出発」が初監督作品である。
「トッツィー」の製作も手懸けている。

主演は、名作1971年制作「おもいでの夏:The Summer of 42’」で、主人公のハーミーを演じた、ゲイリー・グライムズで、成長過程の揺れる少年を演じているが、「おもいでの夏」同様の瑞々しい演技を見せ、この作品でもキャラクターに良く合っている。
壮絶なガンファイトやカウボーイたちの生活感も良く出ていて、牛の暴走や牛泥棒、馬泥棒なども脚本に上手く織り込み、西部劇の魅力を散りばめた佳作となっている。

少年が成長してゆく西部劇に、「11人のカウボーイ:The Cowboys;71」やガンマンとして非業の最期を遂げる若者を主人公とした同じくゲイリー・グライムズ主演の「スパイクス・ギャング:The Spikes Gang;74」など、少年が成長してゆく過程を描いた西部劇の傑作が多いのも1970年代前半の特徴を表している。

“毎日が映画日和” 75点


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バルカン超特急「The Lady Vanishes」 [ヒッチコックタッチをご覧あれ!]

バルカン超特急「The Lady Vanishes」
(1938年制作、アルフレッド・ヒッチコック監督、脚本:シドニー・ギリアット、フランク・ラウンダー、音楽:ルイス・レヴィ、チャールズ・ウィリアムズ、原作:エセル・リナ・ホワイト
マーガレット・ロックウッド、マイケル・レッドグレイブ、メイ・ウィッティ
ポール・ルーカス、ノートン・ウェイン、ベイジル・ラドフォード)
   
バルカン超特急とは、オリエント急行のことなのだが、この作品は架空の国バンドリカが舞台で、明確にオリエント急行と解るような場面はない。
ヒッチコックが、イギリス時代に製作した映画としては後期の作品である。

ユーモアとサスペンスを随所に散りばめ、消えた老女の謎を解き明かし、仮想敵国の陰謀から逃れるまでを描いた秀作である。
仮想敵国とは、ドイツを想定していたことは、ドイツ語を話すことで創造できるし、後半列車を襲う軍人達の軍服がドイツ軍の物とそっくりなことからも容易に想像できる。製作当時のヨーロッパの政治状況が、垣間見える設定となっている。

ヒロイン役のアイリス(マーガレット・ロックウッド)は、ロンドンへ向かう列車車内で、ホテルでも一緒だった老婦人フロイ(メイ・ウェッティ)と同室で、頭に花入れが落ちてきてショックが残っていたアイリスが目覚めたら、フロイが消えていたことから、アイリスのフロイ探しが始まるという物語。

ホテルで些細なことでいがみ合ったギルバート(マイケル・レッドグレーブ)が協力し、老女と接触した乗客が、それぞれの事情で見ていないという中で、
諦めず、探し続けついに見つけ出し救出する。
ヒッチコック得意の偶然の重なり合いの積み重ねが、サスペンスを盛りあげ物語を面白くする。

ミス・フロイは実は、英国のスパイだったということが明かされるのだが、
その後は、銃撃戦があり列車での脱出とたたみかける演出は、流石ヒッチコックでハッピーエンドが心地よい。
謎めいた同乗者、仮想敵国の任務を帯びた医師、クリケット好きの英国人紳士、不倫のカップルなどキャスティングも絶妙で、楽しい演技を見せてくれる。
映画を知り尽くしたヒッチコックは、この作品の2年後ハリウッドへ移り、「レベッカ:Rebecca」で、アカデミー賞監督賞候補となり、“映画の神様”と呼ばれるまで昇りつめた。

名作は数多く、5度監督賞にノミネートされるもヒッチコック自身は、アカデミー賞とは最後まで縁が無かった。とにかく、面白い作品作りにかけては右に出る監督はいないといっても過言ではなく、多くの映画人に影響を与えた才人である。

“毎日が映画日和” 85点


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ルーキー「The Rookie」 [イーストウッドを見逃すな!]

ルーキー「The Rookie」
(1990年制作、クリント・イーストウッド監督、脚本:ポアズ・イェーキン、スコット・スピーゲル、音楽:レニー・ニーハウス、撮影:ジャック・N・グリーン
クリント・イーストウッド、チャーリー・シーン、ラウル。ジュリア、ソニア。ブラガ、トム・スケリット、ララ・フリン・ボイル)
    
「ダーティー・ハリー:Dirty Harry」シリーズが、1988年に終了した後のイーストウッド主演の刑事物で、新米の相棒を従えて高級車を狙う自動車窃盗団を追うアクション映画
相棒にチャーリー・シーン、敵役にラウル・ジュリアをキャスティング、退屈することなく楽しく観れた120分である。

ベテランの刑事ニック(クリント・イーストウッド)は、高級車専門の窃盗団
を追い詰めながら同僚を殺され、逃がしてしまう。
新たに相棒となった新米刑事を従え、ストロム(ラウル・ジュリア)一味を追いこんでゆくというストーリーで、チャーリー・シーン扮する新米刑事と一匹狼風のベテラン刑事のエピソードの数々も面白く描かれている。

クリント・イーストウッド監督の手慣れた演出で、常にヒット作を求められるクリントならではの作品となっている。特に、特筆すべき出来映えではないが手堅い演出で、監督としてのクリント・イーストウッドの構成力が冴えている。

独特の風貌から悪役等が似合ったラウル・ジュリアは「アダムス・ファミリー:The Addams Familly」で、人気を呼んだプエルトリコ出身の俳優で、どことなく無気味な雰囲気を漂わせ、この作品でも印象深い演技を見せている。
ブラジル出身の女優、ソニア・ブラガが、悪女役で強烈なキャラを演じている。
クリントを縛り、もてあそび、いたぶる場面など最高に面白い。
その他にも、チャーリー・シーンの父親役でトム・スケリット、恋人役でララ・フリン・ボイル等が出演し賑やかである。

バイクや、高級車が堪能出来る映画ともなっていて、特に、監禁場所からの脱出シーンが、クライマックスとなっていて、高級車でビルから飛び降りるという荒業を見せてくれるし、空港での追跡シーンは、「ブリット:Bullitt」を彷彿とさせる。
大ヒットという作品ではないが、それなりに楽しめる作品である。

“毎日が映画日和” 75点



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マッケンナの黄金「Mackenna's Gold」 [一味捻った西部劇!]

☆マッケンナの黄金「Mackenna’s Gold
(1969年制作、J・リー・トンプソン監督、脚本:カール・フォアマン、撮影:ジョセフ・マクドナルド、音楽:クインシー・ジョーンズ
グレゴリー・ペック、オマー・シャリフ、カミラ・スパーヴ、テリー・サバラス、ジュリー・ニューマー、テッド・キャシディ、イーライ・ウォラック、エドワード・G・ロビンソン、レイモンド・マッセイ、バージェス・メレディス
リー・J・コップ、キーナン・ウィン、アンソニー・クェイル)
   
映画の醍醐味が満載で、128分があっと言う間の作品だった。
46年前ということで、合成映像など特殊撮影に多少違和感を覚えるものの
秘密の谷に眠る莫大な金塊を探す冒険西部劇で、タイトル・ロールのホセ・フィリシアーノの歌から、ワクワクする期待感を抱かせる。

ストーリー展開の良し悪しはさておいて出演者の顔触れが凄い、脚本家でプロデューサーのカール・フォアマンの力に寄るところが大きいと思うが、主人公の保安官マッケンナに、グレゴリー・ペック、お尋ね者でマッケンナの宿敵コロラドにオマー・シャリフと主演2人をどっしりと据えて、名優たちが脇を固め、スェーデン出身の美人女優カミラ・スパーヴ、マッケンナに恋するアパッチのハシュケ役ジュリー・ニューマーの2人が、スタイル抜群でそれぞれの魅力も全開で彩りを添えている。

“黄金の谷“が見つかるまでが、ちょっと長い感じがするが、保安官がコロラド一味と遭遇し、黄金に群がるベン・ベイカー(イーライ・ウォラック)等の黄金に取りつかれた欲深い連中が、途中で合流するが、その顔触れも凄い。新聞記者フラーにリー・J・コップ、神父にレイモンド・マッセイ、雑貨店主にバージェス・メレディス、黄金を見たことで目を潰されたという盲目老人に、エドワード・G・ロビンソンという錚々たる俳優達が、演技をする暇もなくアパッチに襲われ死んでゆく、ちょっと勿体ない気もするが、この手の映画には、賑やさも重要で必要なキャスティングでもある。

騎兵隊を率いるティッブス軍曹(テリー・サバラス)も、黄金に眼が眩み仲間に入、クライマックスを迎えるが、アパッチのハチタ(テッド・キャシディ)に殺される。
“黄金の谷”での特殊撮影もまあまあの出来映えで、J・リー・トンプソン監督の演出力も見事、楽しい作品に仕上っている。
トンプソン監督とグレゴリー・ペックは、「ナバロンの要塞:The Guns of Navarone」でもコンビを組んでおり、娯楽活劇作品で良い仕事をしている2人である。(製作者も脚本も同じ、カール・フォアマンである)

ラストのエンディングで、マッケンナの乗る馬に、黄金がバッグにしっかりと入っているのが、しゃれっ気たっぷりで笑わせる。(ティッブス軍曹が積んでいた馬)

“毎日が映画日和” 80点


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マッキントッシュの男(ポール・ニューマン)「The Mackintosh Man」 [クールなタッチが堪らない]

マッキントッシュの男「The Mackintosh Man」
(1973年制作、ジョン・ヒューストン監督、脚本:ウォルター・ヒル
音楽:モーリス・ジャール、撮影:オズワルド・モリス、原作:デズモンド・バグリィ、
ポール・ニューマン、ドミニク・サンダ、イアン・バネン、ジェームズ・メイソン、ハリー・アンドリュース、ナイジェル・パトリック、マイケル・ホーダーン)
   
巨匠ジョン・ヒューストンが、イギリスの冒険小説家デズモンド・バグリィの原作を映画化したスパイサスペンスである。
脚本は、1972年にデビューしたウォルター・ヒル監督で、その上、音楽はアカデミー賞8回ノミネート3回受賞のモーリス・ジャール、撮影はアカデミー賞受賞歴のあるオズワルド・モリスと一流のスタッフが集結、否が応でも期待が高まる。

モーリス・ジャールの旋律が全編にわたってミステリアスな雰囲気を醸し出し、マッキントッシュ(ハリー・アンドリュース)の指示を受け、宝石強盗を装い刑務所に入りソ連のスパイ、スレード(イアン・バネン)と一緒に、脱獄するまでは快調に展開する。

アイルランドでロケ(ジョン・ヒューストンの別宅があった)されており、荒涼とした風景、港町の風景が雰囲気があり興味深かった。
物語は、熱烈な愛国者として知られる議員ウィーラー(ジェームズ・メイソン)の二重スパイを暴くため、マッキントッシュ〔ハリー・アンドリュース〕が、リアデン(ポール・ニューマン)を組織に潜入させ、正体を暴くのだがちょっと解りづらく、映画では背景や立場が説明不足のように感じた。

刑務所からの脱獄のエピソードも、何故リアデン(ポール・ニューマン)に声が掛かるのかがもう一つ理解できなかったし、マッキントッシュの秘書のスミス夫人(ドミニク・サンダ)が、実の娘で、最後の教会での人質交換の場面でも、父親の復讐というのは理解するのだが、ソ連のスパイ2人を撃ち殺すのも説得力が乏しかった気がする。

淡々としたシリアスなタッチで、見応えはあるのだが渋い通好みの作品と言った方がいいのだろう。
派手な銃撃戦とか、爆破シーンとかはないが、ポール・ニューマンは魅力的だし、ドミニク・サンダが美しい。フランス出身の女優で、ベルナルド・ベルトリッチ監督作品で有名な女優である。

数多くの作品に出演をする英国の名優達、ジェームズ・メイソンの悪役振りは相変わらずで、ハリー・アンドリュースも好演、他には、イアン・バネンやナイジェル・パトリック等実力派俳優達が、脇をしっかり固めている。

カーチェイスや刑務所からの脱出、隠れ家からの逃走、海中シーンや豪華ヨットでのエピソード等盛りだくさんの脚本なのだが、全体的に地味だったことが、もう一つ話題にならなかった要因だろうが、シリアスなタッチが好みの映画ファンには、面白い作品に違いない。
ポール・ニューマンファンとしては、ちょっと物足りない作品となってしまった。

“毎日が映画日和” 70点


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