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男の旅立ち「The Culpepper Cattle Co」 [甘く切ない青春の想いで]

☆男の出発(たびだち)「The Culpepper Cattle Co」
(1972年制作、ディック・リチャーズ監督、脚本:エリック・パー子ヴィッチ、グレゴリー・プレンティス、撮影:ローレンス・エドワード・ウィリアムズ、ラルフ・ウールジー、音楽:トム・スコット、ジェリー・ゴールドスミス
ゲイリー・グライムズ、ビリー・グリーン・ブッシュ、ボー・ホプキンス、ジェフリー・ルイス、マット・クラーク、ジョン・マクライアム)
   
16歳の少年がカウボーイに憧れ、コックの助手とそして雇われ、テキサスからフォート・ルイスへキャトル・ドライブに旅立ち、さまざまな経験を経て母親の元へ帰ってゆくという青春西部劇。

ボスのフランク・カルペッパー初め、カウボーイ達を演ずる俳優達が渋い。
多くの映画で見かける、マット・クラークやジェフリー・ルイスが出演しているのも嬉しい。

牛泥棒との戦いで、仲間が死んだり、馬泥棒に襲われ、馬泥棒との撃ちあいなどを経験する中で、カウボーイの生活が甘いものでないことを知ってゆく。
キャトルドライブの途中で起こる、地主とのいざこざで、仲間を失い敵も全滅させるが、現実に直面することで、母親の元へ帰る決断をするという、青年期の男の成長物語をセピア色の画面の中で淡々と描いていく。

ディック・リチャーズ監督は、「さらば愛しき人よ:Farewell My Lovely」で、一躍注目を浴びた監督だが、「男の出発」が初監督作品である。
「トッツィー」の製作も手懸けている。

主演は、名作1971年制作「おもいでの夏:The Summer of 42’」で、主人公のハーミーを演じた、ゲイリー・グライムズで、成長過程の揺れる少年を演じているが、「おもいでの夏」同様の瑞々しい演技を見せ、この作品でもキャラクターに良く合っている。
壮絶なガンファイトやカウボーイたちの生活感も良く出ていて、牛の暴走や牛泥棒、馬泥棒なども脚本に上手く織り込み、西部劇の魅力を散りばめた佳作となっている。

少年が成長してゆく西部劇に、「11人のカウボーイ:The Cowboys;71」やガンマンとして非業の最期を遂げる若者を主人公とした同じくゲイリー・グライムズ主演の「スパイクス・ギャング:The Spikes Gang;74」など、少年が成長してゆく過程を描いた西部劇の傑作が多いのも1970年代前半の特徴を表している。

“毎日が映画日和” 75点


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バルカン超特急「The Lady Vanishes」 [ヒッチコックタッチをご覧あれ!]

☆バルカン超特急「The Lady Vanishes」
(1938年制作、アルフレッド・ヒッチコック監督、脚本:シドニー・ギリアット、フランク・ラウンダー、音楽:ルイス・レヴィ、チャールズ・ウィリアムズ、原作:エセル・リナ・ホワイト
マーガレット・ロックウッド、マイケル・レッドグレイブ、メイ・ウィッティ
ポール・ルーカス、ノートン・ウェイン、ベイジル・ラドフォード)
   
バルカン超特急とは、オリエント急行のことなのだが、この作品は架空の国バンドリカが舞台で、明確にオリエント急行と解るような場面はない。
ヒッチコックが、イギリス時代に製作した映画としては後期の作品である。

ユーモアとサスペンスを随所に散りばめ、消えた老女の謎を解き明かし、仮想敵国の陰謀から逃れるまでを描いた秀作である。
仮想敵国とは、ドイツを想定していたことは、ドイツ語を話すことで創造できるし、後半列車を襲う軍人達の軍服がドイツ軍の物とそっくりなことからも容易に想像できる。製作当時のヨーロッパの政治状況が、垣間見える設定となっている。

ヒロイン役のアイリス(マーガレット・ロックウッド)は、ロンドンへ向かう列車車内で、ホテルでも一緒だった老婦人フロイ(メイ・ウェッティ)と同室で、頭に花入れが落ちてきてショックが残っていたアイリスが目覚めたら、フロイが消えていたことから、アイリスのフロイ探しが始まるという物語。

ホテルで些細なことでいがみ合ったギルバート(マイケル・レッドグレーブ)が協力し、老女と接触した乗客が、それぞれの事情で見ていないという中で、
諦めず、探し続けついに見つけ出し救出する。
ヒッチコック得意の偶然の重なり合いの積み重ねが、サスペンスを盛りあげ物語を面白くする。

ミス・フロイは実は、英国のスパイだったということが明かされるのだが、
その後は、銃撃戦があり列車での脱出とたたみかける演出は、流石ヒッチコックでハッピーエンドが心地よい。
謎めいた同乗者、仮想敵国の任務を帯びた医師、クリケット好きの英国人紳士、不倫のカップルなどキャスティングも絶妙で、楽しい演技を見せてくれる。
映画を知り尽くしたヒッチコックは、この作品の2年後ハリウッドへ移り、「レベッカ:Rebecca」で、アカデミー賞監督賞候補となり、“映画の神様”と呼ばれるまで昇りつめた。

名作は数多く、5度監督賞にノミネートされるもヒッチコック自身は、アカデミー賞とは最後まで縁が無かった。とにかく、面白い作品作りにかけては右に出る監督はいないといっても過言ではなく、多くの映画人に影響を与えた才人である。

“毎日が映画日和” 85点


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ルーキー「The Rookie」 [イーストウッドを見逃すな!]

☆ルーキー「The Rookie」
(1990年制作、クリント・イーストウッド監督、脚本:ポアズ・イェーキン、スコット・スピーゲル、音楽:レニー・ニーハウス、撮影:ジャック・N・グリーン
クリント・イーストウッド、チャーリー・シーン、ラウル。ジュリア、ソニア。ブラガ、トム・スケリット、ララ・フリン・ボイル)
    
「ダーティー・ハリー:Dirty Harry」シリーズが、1988年に終了した後のイーストウッド主演の刑事物で、新米の相棒を従えて高級車を狙う自動車窃盗団を追うアクション映画。
相棒にチャーリー・シーン、敵役にラウル・ジュリアをキャスティング、退屈することなく楽しく観れた120分である。

ベテランの刑事ニック(クリント・イーストウッド)は、高級車専門の窃盗団
を追い詰めながら同僚を殺され、逃がしてしまう。
新たに相棒となった新米刑事を従え、ストロム(ラウル・ジュリア)一味を追いこんでゆくというストーリーで、チャーリー・シーン扮する新米刑事と一匹狼風のベテラン刑事のエピソードの数々も面白く描かれている。

クリント・イーストウッド監督の手慣れた演出で、常にヒット作を求められるクリントならではの作品となっている。特に、特筆すべき出来映えではないが手堅い演出で、監督としてのクリント・イーストウッドの構成力が冴えている。

独特の風貌から悪役等が似合ったラウル・ジュリアは「アダムス・ファミリー:The Addams Familly」で、人気を呼んだプエルトリコ出身の俳優で、どことなく無気味な雰囲気を漂わせ、この作品でも印象深い演技を見せている。
ブラジル出身の女優、ソニア・ブラガが、悪女役で強烈なキャラを演じている。
クリントを縛り、もてあそび、いたぶる場面など最高に面白い。
その他にも、チャーリー・シーンの父親役でトム・スケリット、恋人役でララ・フリン・ボイル等が出演し賑やかである。

バイクや、高級車が堪能出来る映画ともなっていて、特に、監禁場所からの脱出シーンが、クライマックスとなっていて、高級車でビルから飛び降りるという荒業を見せてくれるし、空港での追跡シーンは、「ブリット:Bullitt」を彷彿とさせる。
大ヒットという作品ではないが、それなりに楽しめる作品である。

“毎日が映画日和” 75点



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マッケンナの黄金「Mackenna's Gold」 [一味捻った西部劇!]

☆マッケンナの黄金「Mackenna’s Gold」
(1969年制作、J・リー・トンプソン監督、脚本:カール・フォアマン、撮影:ジョセフ・マクドナルド、音楽:クインシー・ジョーンズ
グレゴリー・ペック、オマー・シャリフ、カミラ・スパーヴ、テリー・サバラス、ジュリー・ニューマー、テッド・キャシディ、イーライ・ウォラック、エドワード・G・ロビンソン、レイモンド・マッセイ、バージェス・メレディス
リー・J・コップ、キーナン・ウィン、アンソニー・クェイル)
   
映画の醍醐味が満載で、128分があっと言う間の作品だった。
46年前ということで、合成映像など特殊撮影に多少違和感を覚えるものの
秘密の谷に眠る莫大な金塊を探す冒険西部劇で、タイトル・ロールのホセ・フィリシアーノの歌から、ワクワクする期待感を抱かせる。

ストーリー展開の良し悪しはさておいて出演者の顔触れが凄い、脚本家でプロデューサーのカール・フォアマンの力に寄るところが大きいと思うが、主人公の保安官マッケンナに、グレゴリー・ペック、お尋ね者でマッケンナの宿敵コロラドにオマー・シャリフと主演2人をどっしりと据えて、名優たちが脇を固め、スェーデン出身の美人女優カミラ・スパーヴ、マッケンナに恋するアパッチのハシュケ役ジュリー・ニューマーの2人が、スタイル抜群でそれぞれの魅力も全開で彩りを添えている。

“黄金の谷“が見つかるまでが、ちょっと長い感じがするが、保安官がコロラド一味と遭遇し、黄金に群がるベン・ベイカー(イーライ・ウォラック)等の黄金に取りつかれた欲深い連中が、途中で合流するが、その顔触れも凄い。新聞記者フラーにリー・J・コップ、神父にレイモンド・マッセイ、雑貨店主にバージェス・メレディス、黄金を見たことで目を潰されたという盲目老人に、エドワード・G・ロビンソンという錚々たる俳優達が、演技をする暇もなくアパッチに襲われ死んでゆく、ちょっと勿体ない気もするが、この手の映画には、賑やさも重要で必要なキャスティングでもある。

騎兵隊を率いるティッブス軍曹(テリー・サバラス)も、黄金に眼が眩み仲間に入、クライマックスを迎えるが、アパッチのハチタ(テッド・キャシディ)に殺される。
“黄金の谷”での特殊撮影もまあまあの出来映えで、J・リー・トンプソン監督の演出力も見事、楽しい作品に仕上っている。
トンプソン監督とグレゴリー・ペックは、「ナバロンの要塞:The Guns of Navarone」でもコンビを組んでおり、娯楽活劇作品で良い仕事をしている2人である。(製作者も脚本も同じ、カール・フォアマンである)

ラストのエンディングで、マッケンナの乗る馬に、黄金がバッグにしっかりと入っているのが、しゃれっ気たっぷりで笑わせる。(ティッブス軍曹が積んでいた馬)

“毎日が映画日和” 80点


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マッキントッシュの男(ポール・ニューマン)「The Mackintosh Man」 [クールなタッチが堪らない]

☆マッキントッシュの男「The Mackintosh Man」
(1973年制作、ジョン・ヒューストン監督、脚本:ウォルター・ヒル
音楽:モーリス・ジャール、撮影:オズワルド・モリス、原作:デズモンド・バグリィ、
ポール・ニューマン、ドミニク・サンダ、イアン・バネン、ジェームズ・メイソン、ハリー・アンドリュース、ナイジェル・パトリック、マイケル・ホーダーン)
   
巨匠ジョン・ヒューストンが、イギリスの冒険小説家デズモンド・バグリィの原作を映画化したスパイサスペンスである。
脚本は、1972年にデビューしたウォルター・ヒル監督で、その上、音楽はアカデミー賞8回ノミネート3回受賞のモーリス・ジャール、撮影はアカデミー賞受賞歴のあるオズワルド・モリスと一流のスタッフが集結、否が応でも期待が高まる。

モーリス・ジャールの旋律が全編にわたってミステリアスな雰囲気を醸し出し、マッキントッシュ(ハリー・アンドリュース)の指示を受け、宝石強盗を装い刑務所に入りソ連のスパイ、スレード(イアン・バネン)と一緒に、脱獄するまでは快調に展開する。

アイルランドでロケ(ジョン・ヒューストンの別宅があった)されており、荒涼とした風景、港町の風景が雰囲気があり興味深かった。
物語は、熱烈な愛国者として知られる議員ウィーラー(ジェームズ・メイソン)の二重スパイを暴くため、マッキントッシュ〔ハリー・アンドリュース〕が、リアデン(ポール・ニューマン)を組織に潜入させ、正体を暴くのだがちょっと解りづらく、映画では背景や立場が説明不足のように感じた。

刑務所からの脱獄のエピソードも、何故リアデン(ポール・ニューマン)に声が掛かるのかがもう一つ理解できなかったし、マッキントッシュの秘書のスミス夫人(ドミニク・サンダ)が、実の娘で、最後の教会での人質交換の場面でも、父親の復讐というのは理解するのだが、ソ連のスパイ2人を撃ち殺すのも説得力が乏しかった気がする。

淡々としたシリアスなタッチで、見応えはあるのだが渋い通好みの作品と言った方がいいのだろう。
派手な銃撃戦とか、爆破シーンとかはないが、ポール・ニューマンは魅力的だし、ドミニク・サンダが美しい。フランス出身の女優で、ベルナルド・ベルトリッチ監督作品で有名な女優である。

数多くの作品に出演をする英国の名優達、ジェームズ・メイソンの悪役振りは相変わらずで、ハリー・アンドリュースも好演、他には、イアン・バネンやナイジェル・パトリック等実力派俳優達が、脇をしっかり固めている。

カーチェイスや刑務所からの脱出、隠れ家からの逃走、海中シーンや豪華ヨットでのエピソード等盛りだくさんの脚本なのだが、全体的に地味だったことが、もう一つ話題にならなかった要因だろうが、シリアスなタッチが好みの映画ファンには、面白い作品に違いない。
ポール・ニューマンファンとしては、ちょっと物足りない作品となってしまった。

“毎日が映画日和” 70点


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子連れ狼(第6作目)―地獄へ行くぞ!大五郎― [面白時代劇を見逃すな!]

☆子連れ狼―地獄へ行くぞ!大五郎―
(1974年制作、黒田義之監督、脚本:中村努、音楽:村井邦彦、撮影:牧浦地志、
 若山富三郎、大木実、富川昌宏、木村功、瞳順子、睦五郎、小林千枝、草野大悟、石橋蓮司、曽根晴美、西田良、潮健児)
   
シリーズ6作目にして最終作。(主演の若山富三郎は、もっと制作を続ける予定だったために、柳生烈堂との決着はつかないまま、終わってしまった)

蔵王の雪山でロケしたという合戦シーンは、今迄観たこともない画面となっているが、そりやスキーで滑りながらの斬り合いは、大変だったことだろう。
当初監督予定だった、三隅研次は、脚本の段階でこれでは西部劇ではないかと、演出を断っていて、特撮物で知られた黒田義之監督に演出を頼んだという裏話がある。

子連れ狼の乳母車が、そりとなって雪原を駆け巡るのは、荒唐無稽だが、今迄もありえない設定で制作されてきたシリーズということも考えると、これはこれで面白いアイデアだった。

柳生烈堂(大木実)も子供を殺され残るは、娘香織(瞳順子)一人となり、拝一刀へ挑んでゆくが返り討ちに会い正妻の子を全て失った烈堂は、妾腹の子で、土蜘蛛一味を率いる土蜘蛛兵衛(木村功)に最後の望みを託すが、柳生の為ではなく、土蜘蛛一族のために拝一刀を倒すためだと拝一刀へ挑んでいく。
設定が面白いし、土蜘蛛3人衆無我(宮口二郎)無門(石橋蓮司)無堂(草野大悟)が、無気味で凄かったのだが、意外とあっさり一刀の乳母車の薙刀兵器に殺されてしまうのは、ちょっと意表を突かれた感じでもう少し迫力あるシーンが見たかった。

「続・荒野の用心棒:Dijango」で、ジャンゴが棺桶からガトリング銃を出し、ジャクソン一味を撃ち殺すシーンの様な、荒唐無稽な物語を見せてくれるのだが、今回は蔵王の一面の雪の中に裏柳生黒鍬一味が、ズラッと並んでいる様は壮観で、(前作では砂丘での決闘シーンで似た様なシーンがある)スタントの人達も大変だったことだろう。

このシリーズは、アメリカでロジャー・コーマンの会社が配給、第1作と2作を編集し、「Shogun Assassin」として1980年に公開された。
オカルト的人気を誇る作品で、クエンティン・タランティーノ等映画人のファンも多い。アメリカンコミックの大御所、フランク・ミラーが「子連れ狼」を大絶賛したことから、アメリカでの人気も高い作品である。

今となっては、この手の作品は誰も制作しないが、ガキ向けの映画ばかり制作する時間と余裕があったら、大人向けの面白い時代劇を是非制作してほしい。
シリアスな原作本の映画化も悪くないが、コミック本の映画化も、面白いと思うのだが、、、。
子役、富川昌宏君のさまざまな驚きの表情や、可愛い仕草が大好きだった。

“毎日が映画日和” 80点




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子連れ狼(5作目)―冥府魔道― [時代劇終焉時代の傑作]

☆子連れ狼―冥府魔道
(1973年制作、三隅研次監督、脚本:小池一雄、中村努、音楽:桜井英顕
撮影:森田富士郎
若山富三郎、富川昌宏、安田道代、佐藤友美、大滝秀治、須賀不二男、加藤嘉、岡田英次、戸浦六宏、志賀勝、天津敏、山城新吾、石橋蓮司、大木実)
   
シリーズ第5弾。
筑前黒田藩のお家事情を公儀隠密黒鍬衆の総統領で、菩提寺の住職慈恵和上(大滝秀治)に知られた黒田藩は、慈恵和上の暗殺と江戸へ出向く和上が持つ密書の奪還を拝一刀に依頼するのだった。

黒田藩の秘密とは、藩主黒田斉隆(加藤嘉)の妾に産ませた子供が女の子であるのを隠し、世継ぎの男子として育ていたことで、その秘密を知った慈恵和上を殺害しようというものだった。

拝一刀の腕を試す名目で、黒田藩は刺客を次々と繰り出すが、ことごとく一刀の前に敗れていく前半から、若山富三郎の殺陣が満載で、わくわくする。
黒田藩の忍び不知火(安田道代)から、別の刺客の依頼を受けた一刀は、大川の渡し場で、慈恵和上を殺害する。

前半に、一刀と大五郎親子の冥府魔道に生きる絆の固さを示す場面が挿入されている。街の中でスリ(佐藤友美)が追われ、大五郎に財布を預け、“誰にも言わないで、約束だよ”と言ったことから、岡っ引きに捉えらえた大五郎は、叩きの刑にあっても、決してく口を割らず、約束を守るというエピソードがある。
「子連れ狼」シリーズの名場面として語り継がれるだろう出来映えである。
素敵な女っぽい女優佐藤友美が、粋なスリを演じ楽しませてくれる。

そして、不知火からの依頼を果たそうと黒札藩へ乗りこみ、城主共々妾の子を殺害し、正妻の子供松丸君を世継ぎとした不知火は、自ら命を絶つ。というストーリーで、水中での暗殺シーン、砂丘での大立ち廻りや、城内での決戦など、見どころ満載である。

首が飛び、身体が飛ぶいつもの惨殺シーンは、相変わらずで、みはや漫画チックになっている。一刀の乳母車の秘密兵器もパワーアップしており、機関銃どころか、ガトリング銃と化している。

柳生烈堂の企みは、全て失敗しするものの、烈堂(大木実)との決戦はお預けとなる。勝プロダクションの経営もかなり厳しくなり、経緯はわからないが、製作は勝新太郎から、若山富三郎へ変更されている。

“毎日が映画日和” 75点


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子連れ狼(第4作目)―親の心子の心― [時代劇終焉時代の傑作]

☆子連れ狼(4作目)―親の心子の心――
(1972年制作 斎藤武市監督、原作・脚本:小池一雄。小島剛、撮影:宮川一夫、音楽:桜井英顕、
若山富三郎、林与一、山村聡、東三千、遠藤辰雄、小池朝雄、内田朝雄、岸田森、田中浩)
   
「子連れ狼」シリーズ4作目、監督は三隅研次から斎藤武市へ変わっている。
監督が変わると、面白いことに、タッチが変わり、拝一刀が少し優しくなっているような感じがする。

狐塚円記(岸田森)に騙され操を奪われた娘雪は尾張藩を脱藩し、復讐を誓う。
胸に金太郎の刺青、背中に山姥の刺青を施した雪は、尾張藩武士を倒しては、髷を送りつけ、円記との対決にこぎ付ける。
妖術の眼くらましに2度は敗れることなく、見事宿願を果たす。
尾張藩より、雪(東三千)の殺害を請け負っていた一刀は、雪との果たし合いの末、見事な最後を見届け、野火送りとする。

因縁浅からぬ柳生軍兵衛(林与一)は、御前試合での雪辱を果たそうと再び一刀に挑むが、腕を切り落とされ、一度死んだ者の命をとっても意味はないと一刀は、留めを果たさず立ち去ってゆく。

雪の父親乞胸仁太夫(山村聡)を訪ね、雪の遺骨を届け、事の仔細を伝えた一刀親子が立ち去ろうとした際に、柳生烈堂の策略で、尾張藩は一刀を捕縛しようとするが、一刀は尾張藩主徳川義直(小池朝雄)を人質に獲り脱出する。
広大な岩山での裏柳生との壮絶な決戦が始まり、傷つきながらも一刀は、烈堂(遠藤辰雄)の右目に短剣を突き刺し、その場を切り抜ける。

何ともアクション満載の作品となっているが、前3作の様な過激な描写は少し押さえられているように感じる。
アクションのアイデアが満載で、これでもかという工夫と見映えの良さに脱帽のシリーズである。
今作での冒頭シーンは、雪が上半身裸体で、追ってと刀を交えるチャンバラのシーンで、びっくりするが、金太郎の刺青で覆われた上半身は乳房も露わで、女優魂に敬服する。

共演者は大物揃いで、山村聡、林与一、小池朝雄、内田朝雄、遠藤辰雄、岸田森、田中浩等のベテランが、脇を固めている。
大五郎の出番も少し増えているのがうれしかった。

“毎日が映画日和” 70点

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追撃機「The Hunters」 [戦争娯楽活劇]

☆追撃機「The Hunters」
(1958年制作、ディック・パウエル監督、脚本:ウェンデル・メイス、撮影:チャールズ・G・クラーク、音楽:ポール・ソーテル、原作:ジェームズ・ソルター
ロバート・ミッチャム、ロバート・ワグナー、マイ・ブリット、リチャード・イーガン、リー・フィリップス、ジョン・ガブリエル、ステイシー・ハリス)
   
「眼下の敵:The Enemy Below;57」のディック・パウエル監督の作品。
1952年アメリカ空軍F86戦闘機に乗務、北朝鮮軍ミグ戦闘機との戦いに挑む朝鮮戦争でのサビル少佐(ロバート・ミッチャム)の物語。

空中戦が中々の見物で、本物の戦闘機の迫力が伝わってくる。
クール・ビューティー、クリス役のマイ・ブリットとの恋模様も描かれるが、ちょっと中途半端な設定で、ディック・パウエル監督は、あまり恋愛ものは得意じゃないかも。

生意気な戦闘機乗りベル中尉(ロバート・ワグナー)や、クリスの夫で、サビルの飛行隊に所属するアボット中尉(リー・フィリップス)等と北朝鮮軍の撃墜王”ケイシー・ジョーンズ“隊長の飛行隊との戦いなど、面白く描かれているし、墜落したアボットを救出するサビルとベルの逃避行も、ちょっとしたスパイスとなっている。

映画スタート当初は、へんてこ伊丹空港や京都が出てきて、興ざめするが、風景描写は実際にロケを行っているようで、京都や宮島(?)が、出てくるシーンもある。
前作「眼下の敵」が海を舞台にした傑作だったので、今作では空を舞台にということだろうか。アメリカ空軍の全面協力を得ての製作は、迫力ある空中シーンが満載となっている。ディック・パウエル監督は、男の世界を描くのは得意のようである。

反共的ニュアンスも感じられるが(アメリカ軍の協力を得るためということもあるだろう)、それによって、映画のストーリーが可笑しいとか、ということはなく、肩が凝ることも無く、時間つぶしには最適の映画である。
ロバート・ミッチャムの存在感が、良い感じ。

“毎日が映画日和” 70点(中々の美人女優、マイ・ブリットに5点サービス

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ダンス・ウィズ・ウルブス「Dances with Wolves」 [見逃すなこの西部劇!!]

☆ダンス・ウィズ・ウルブス「Dances with Wolves」
(1990年制作、ケヴィン・コスナー監督、脚本:マイケル・ブレイク、音楽:ジョン・バリー、撮影:ディーン・セムラー、原作:マイケル・ブレイク
ケヴィン・コスナー、メアリー・マクドネル、グレアム・グリーン、ロドニー・A・グラント)
    
1860年代、フロンティアという名目で侵入した白人に土地を奪われたインディアン(スー族)との交流を描いたアカデミー賞作品賞・監督賞(7部門受賞)受賞作品。
インディアン側の視点で描いていることと、白人は侵略者とであると明確な意図で貫かれている作品となっている。

バッファローは、インディアンの貴重な食料で部族が食べれる分だけで、満足なのだが、白人の商人たちが毛皮欲しさに無為な乱獲をしたことを批判的に描き、騎兵隊の隊員が奪われた土地を奪い返すというセリフがあるが、奪ったのは白人なのだということを意図する演出となっている。

1990年当時、アメリカ製西部劇は衰退していて、インディアンは白人に危害を加える悪人で、白人は善人という在り来たりの描き方では、観客にそっぽを向かれていたのだが(視点を変えた作品もあった)、3時間を超える長尺にも拘らず、従来と異なる視点から描いたこの作品は、全世界で4億ドルを超える大ヒットとなった。

ケビン・コスナーは、監督・主演を努め、監督賞も受賞していて初監督にして監督賞受賞という、偉業を達成している。当時トップスターとして君臨していて、リスクが高かったと思うが大成功を納めた。
しかし、その後製作者として関わった「ワイアット・アープ:Wyatt Earp;94」
「ウォーター・ワールド:Waterworld;95」は、巨額な制作費を投入したにも関わらず、上手くいかなかったことも有り、2000年以降は、助演等に徹し低迷するもの、ここ数年は、テレビ・映画共、佳作に主演し復活を予感させている。

撮影画面が綺麗、荒野のさまざまな景観、大自然の美しさを堪能させてくれる。アカデミー賞撮影賞を受賞したのも、うなずける美しさである。

家族を大切にし、仲間を大切にする先住民の生活、人との関わり合いを大切にするという生き方に共感する場面が沢山描かれている。
主題の斬新さと語り口の上手さは、初監督作品とは思えない演出振りで、ケヴィン・コスナーの豊かな才能を感じさせる。

まだ、60歳と若く、7年後再び監督した「ポストマン:The Postman;97」は、製作費の回収も出来ないような散々な結果となり、第18回ゴールデンラズベリー賞では作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞、最低オリジナル歌曲賞を受賞する。
2003年、再び西部劇に挑んだ「ワイルド・レンジ:Open Range;03」は、本格的な西部劇で、凄まじい銃撃戦とロヴァート・デュバルの演技が印象に残る傑作で、アメリカでもヒットし、ケヴィン・コスナーの監督としての才能を再び世に知らしめた。その後、監督作品はなく、そろそろ新作を期待したところ。

先住民の会話が、彼らの言語で語られる(それもほとんど全編)という作品は珍しく、メイク技術が発達した所為か、白人俳優が先住民を演じても、違和感なく、先住民らしく描かれていて、見応え十分の作品だった、181分という長さが、あまり気にならなかったのは、作品の力かも知れない。

“毎日が映画日和” 80点


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