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テン(ブレイク・エドワーズ監督)「10」 [コメディ映画の傑作!!]

☆テン「10」
(1979年制作、ブレイク・エドワーズ監督・脚本、音楽:ヘンリー・マンシーニ、撮影:フランク・スタンリー、
ダドリー・ムーア、ジュリー・アンドリュース、ボー・デレク、ロバート・ウェバー、サム・J・ジョーンズ、ディー・ウォレス、ブライアン・デネヒー)
   
ダドリー・ムーアの面白さに抱腹絶倒の作品で、ブレイク・エドワーズ監督の喜劇のセンスが活かされた傑作の1本である。
男の願望を満たす映画であり、特にメキシコのリゾート地で、水着のジェニファーが、波打ち際を走るシーンや、ウェーバーと激しく抱擁しキスするシーンは、男性の妄想の極みである。

アカデミー賞音楽賞を4度受賞、女優のサム(ジュリー・アンドリュース)が恋人で、満たされた生活を送っている音楽家のジョージ・ウェーバー(ダドリー・ムーア)が、車に乗っている花嫁姿のジェニファー(ボー・デレク)を見て一目ぼれ、彼女の魅力に溺れ、取りつかれ、様々なエピソードを巻き起こすロマンチック・コメディである。

ジェニファーの向かいに住むカップルとの覗き合いをアクセントにして、笑わせてくれる。ポルノまがいの絡み合いを見せてくれるカップルが可笑しい。
ヘンリー・マンシーニの奏でる美しくロマンチックな曲が、素晴らしいし、ジュリー・アンドリュースの澄んだ歌声を聞ける映画ともなっている。劇中演奏されるダドリー・ムーアのピアノ曲や憧れのジェニフーとベッドインの時に流されるボレロなど、演出だけでなく、音楽でもさまざまなバリエーションで、楽しませてくれる。

映画「殺しのテクニック」の渋い殺し屋を演じたロバート・ウェバーが、ダドリー・ムーアの仕事仲間で出演、ホモという設定に驚くが、、、、。
強面のブライアン・デネヒーが、メキシコのリゾート地のホテルのバーテンで出演、独特の風貌は一目で印象に残る。
「E・T」等の出演で知られるディー・ウォレスが、ホテルのバーで出会う女性に扮し、役柄の設定は子供3人を抱えた女性で何かに不満とストレスを抱えた女性を演じ、存在感を見せている。

ダドリー・ムーアは、ミュージシャン、コメディアン、そして俳優として活躍し、「ミスター・アーサー」「ミスター・アーサー2」のヒットで知られている。
この作品でも、エドワーズ監督の演出もあるのだが、絶妙の間、演技を披露している。自宅の坂道を転がり落ちるシーンや、歯医者で治療の後、酒を飲みふらふらになるシーンなど必見である。

ボー・デレクはこの作品でセックス・シンボルとなり、有名女優となるが、その後の出演作品では、ゴールデンラズベリー賞を3度受賞という名誉に輝いている、結局は“でくの坊”女優というレッテルを張られたということだろう。
しかし、この作品での、インパクトは強烈で、豊満すぎてアジア人向けではないが(そんなことはないという男性もいるだろうが)、世界中の男性が憧れたことだろう。

“毎日が映画日和” 80点



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スターゲイト「Stargate」 [近未来SFアクション!]

スターゲイト「Stargate」
(1994年制作、ローランド・エメリッヒ監督、脚本:ローランド・エメリッヒ、ディーン・デブリン、音楽:デヴィット・アーノルド、撮影:カール・W・リンデンローブ
カート・ラッセル、ジェームズ・スペイダー、ヴィヴェカ・リンドフォース
ミリ・アヴィダル、ジェイ・デヴィドソン、エリック・アヴァリ)
   
今やデザスター映画の巨匠と呼ばれるメガヒット連発のローランド・エメリッヒが、「ランボー」シリーズ、「氷の微笑」等で知られる世界的なプロデューサー、マリオ・カサールの下ハリウッドデビュー作「ユニバーサル・ソルジャー:Universal Soldier」の成功で信頼を得て、監督したSF作品である。

この作品も大ヒットを記録し、1997年からテレビドラマ化され、2007年まで続くヒットとなった。映画はスピンオフ作品も2作制作されている。

冒頭1928年エジプトでの発掘現場で、ラングフォード教授率いる調査隊が謎の大きな輪を発見したところから、“現在”に舞台を移し、アメリカ空軍基地で、謎の輪を発見したラングフォード博士の娘キャサリンを中心に、66年間密かに研究がつづけられていたという設定。
異端児扱いの学者ダニエル(ジェームズ・スペイダー)が、謎の輪に描かれた文字を解読したことで、巨大な輪の謎が解け“スターゲイト”を通り異空間へ旅立つというストーリーとなっている。

隊長は、オニール大佐(カート・ラッセル)で、探索隊はゲートの向うへ辿り着くのだが、そこはかつて古代エジプトに文明を与えた異星人ラーが支配する惑星で、エジプトから連れてこられた砂漠の民が、奴隷として働かされていた。
探索隊部族の長カザフのもてなしで、娘や息子と仲良くなりやがて、ラーとの戦いへと突入していくSF巨編である。

意外な面白さが、ぎっしり詰まっており退屈しない作品となっていて、物語のオリジナル性が抜群である。エジプトの文明は、異星人が伝えたものという土台を基にストーリーは組立てられていて、異星空間を移動する宇宙人ラーとその部下の人員の少なさが気になったが、傷を癒し生物を再生させたり、小型の宇宙船が空中を飛び交いながら攻撃をするシーン等、楽しい場面が沢山見られる。

ローランド・エメリッヒ監督の20年以上前の作品だが、今製作したら、現在の技術を駆使し、VFX効果や撮影現場でのSFX等によって、よりスケールアップした作品に仕上げた事だろう。

物語は後半、地球へ帰還できるかどうかという展開になって行くが、戦いの最後は、ラー一族が乗船したピラミッド型UFOが、地球から持ち込んだ爆弾によって爆破され、オニール大佐と部下は、無事地球へ帰還する、ただ一人ダニエルは、そのまま留まることになるというストーリーで、是非続編を製作してほしい。

ダニエルを訪ねるというストーリーを中心に、製作は十分可能と思われる。
来年大ヒット作「インデペンデンス・ディ」の続編を20年ぶりに公開予定のローランド・エメリッヒ監督なので、充分続編のチャンスはあると思うのだが、、、、。

ローランド・エメリッヒ監督作品は、賛否両論あるものが多いのだが、メガヒット作品揃いの監督で、映画会社と製作者には大変ありがたい監督である。
「インデペンス・ディ」「GODZILLA」「ディ・アフター・トュモロー」「紀元前1万年」「2012」等作品の出来はともかくも、大ヒット作品ばかりである。

“毎日が映画日和”80点

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どら平太(市川昆監督) [時代劇の佳作]

☆どら平太
(2000年制作、市川昆監督、脚本:四騎の会(黒沢明、木下恵介、市川昆、小林正明)、音楽:谷川賢作、撮影:五十嵐幸勇、
原作:山本周五郎「町奉行日記」
役所広司、浅野ゆう子、片岡鶴太郎、宇崎竜童、菅原文太、石倉三郎、石橋蓮司、岸田今日子、大滝秀治、神山繁、加藤武、三谷昇、尾藤イサオ、うじきつよし、本田博太郎、赤塚真人、伊佐山ひろ子、江戸家猫八、津嘉山正種)
   
ある小藩の町奉行に就任した望月小平太(役所広司)の藩政改革を描いた作品で、ダイナミックなチャンバラ映画ではなく、作品の構成力と演出力で楽しむ痛快時代劇となっている。

脚本は、「四騎の会」(黒澤明・木下恵介・小林正樹・市川昆)で、山本周五郎の「町奉行日記」を原作としている。
「四騎の会」を構成するメンバーも山本周五郎作品を映画化しており、黒澤明は、「椿三十郎:日日平安」「赤ひげ:赤ひげ診療譚」、小林正樹監督は、「いのちぼうにふろう:深川安楽亭」等がある。山本周五郎の小説は、その他、多数の作品が映画化、テレビドラマ化さている。

町奉行就任以来、一度も奉行所に出仕せず、難題を解決するという、その豪放磊落な度胸の良さと気転の見事さ、腕っぷしの強さが魅力の小説が原作で、望月小平太を演ずる俳優の魅力で、ある意味この作品は決まると言っても過言ではないように思う。そういう意味では、役所広司は何とか合格というところだろうか。

役柄から言っても、もう少し、男臭さが全面に出る俳優の方が、似あっていたように思うのだが、逆にそうは見えない役所広司を、敢えてキャスティングしたのかも知れない。
城内の管轄に在らずという堀外での、ヤクザの一味と藩政を預かる重役たちの癒着の慣習が物語の土台となっており、菅原文太を大親分とするヤクザ一味を脅しながら懐柔するあたりのストーリー展開も面白いし、城代家老(大滝秀治)や家老(加藤武)など藩政の重役たちを引退させるシーンも爽快な痛快娯楽作品である。

重役たちののらりくらりの演技も観ていて楽しいし、演技が一本調子だが片岡鶴太郎と宇崎竜童が熱演を見せている。
こせい(浅野ゆう子)とのエピソードが、ちょっと解りづらく、必要だったのかどうか、何とも言えない。無い方がすっきりした感じがしないでもないが、、、。

市川昆監督の語り口の上手さに、助けられた感じがしないでもないが、退屈しのぎには、充分合格の楽しい作品である。

“毎日が映画日和” 75点



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めぐり逢えたら [映画は最高!!]

☆めぐり逢えたら「Sleepless in Seattle」
(1993年制作、ノーラ・エフロン監督、脚本:ノーラ・エフロン、デヴィット・S・ウォード、音楽:マーク・シャイマン、撮影:スヴェン・ヌクヴィスト、原案:ジェフ・アーチ
トム・ハンクス、メグ・ライアン、ビル・プルマン、ロス・マリンジャー、ギャビー・ホフマン、キャリー・ローウェル、ロージー・オドネル)
   
大好きな作品で、脚本の上手さに脱帽である。
ノーラ・エフロン監督は、元々脚本家で、「恋人たちの予感:When Harry Met Sally」
がヒットし注目を浴び、その後監督も手懸けロマンチック・コメディの第一人者と称された女流監督である。

1957年制作された恋愛映画の名作「めぐり逢い:An Affair to Remenber」が、映画のモチーフとなっておりベースにもなっている、劇中ケーリー・グラントとデボラ・カーが、何度か映し出される。その他「特攻大作戦:The Dirty Dozen」「打撃王:The Pride of the Yankees」「危険な情事:Fatal Attraction」「ガンガ・ディン:Gunga Din」等ヒットした映画出演者のセリフが、度々紹介されている。

妻を癌で亡くし、妻への思いを断ち切れないサム(トム・ハンクス)とジョナ(ロス・マリンジャー)の親子は、妻との想い出が残るシカゴからシアトルへ
転居し、心機一転出直すのだが、サムを心配するジョナが、ラジオの人生相談に応募したことがきっかけで、ボルティモアに住む婚約中の新聞記者アニー(メグ・ライアン)が、たまたまそのラジオを聞き、素直に妻への思いを語るサムの人柄が気になり、見ず知らずの男性を運命の人と思うようになっていくという構成。

バレンタイン・デーにニューヨークのエンパイア・ステートビルで会うというサムに成りすましたジョナとアニーの手紙での約束が、エンディングに生かされていて、爽やかな感動を呼ぶ作品となっている。
手と手が触れあった瞬間に感じる運命というモチーフを上手く脚本に反映させ、女性ならではの視点が随所に散りばめられている。

アニーの同僚ベッキー役のロージー・オドネルが、存在感を出していて面白い。
アメリカのコメディアンで、司会業もこなす才媛である。
息子役のロス・マリンジャーは、「サドンデス:Sudden Death」でも、ジャン・クロード・ヴァンダムの息子役を演じている。
亡くなった妻役のキャリー・ローウェルは、ショートカットヘアーの似合う、清楚な美しさを見せているが、「007消されたライセンス:Licence to Kill」で、メインのボンドガールを演じていた。
アニーの婚約者を演じているビル・プルマンは、「インデペンデンス・デイ:Independence Day」で、大統領役を演じて大ヒットを飛ばした俳優でさまざまな作品で脇役を演じている。(2016年続編が公開の予定)

ストーリーを面白くするエピソードの主役は、息子のジョナとガールフレンドのおませなジェシカ(ギャビー・ホフマン)で、ほのぼのとしたエピソードが、ほんわか和やかな雰囲気にさせてくれる。

ロマンチック・コメディの女王と言われるメグ・ライアンだが、この作品が一番好きである。決して特筆すべき美人タイプではないが、可愛らしさとセンスの良さが魅力的な女優で、演技力が優れているという女優でもないので、若いころならまだしも、最近は映画出演の話題が無いのが残念である。(流石に50歳を超えると、この手の女優は役柄が厳しくなる)他に「恋人たちの予感」「フレンチ・キス:French Kiss」等の作品が印象深い。

トム・ハンクスは、今やすっかり大物俳優の雰囲気で、精力的に映画出演を続けているが、アカデミー賞5度ノミネートで2回受賞、ゴールデングローブ賞7度ノミネートで4回受賞という輝かしい受賞歴を誇る名優である。
まだ59歳とこれからの活躍にも是非期待したい。この作品は、トム・ハンクスの代表作の1本で、この年(1993年)「フィラデルフィア:Philadelphia」という作品でアカデミー賞男優賞を受賞している。

映画全体の構成力が素晴らしく、女性らしい細やかなストーリー展開が、清々しいラストに繋がり、ハッピーな気分にさせてくれる作品である。劇中挿入されるさまざまな音楽も選曲が素晴らしい。

“毎日が映画日和” 100点(文句なく満点!!)






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ローン・レンジャー(1981年版)「The Legend of the Long Ranger」 [西部のヒーロー]

ローン・レンジャー「The Legend of the Lone Ranger」
(1981年制作、ウィリアム・A・フレイカー監督、脚本:ジェラード・B・デーロション他、音楽:ジョン・バリー、撮影:ラズロ・コヴァックス
クリントン・スピルスベリー、マイケル・ホース、クリストファー・ロイド
マット・クラーク、ジェイソン・ロバーツ)
   
1981年制作で、日本未公開の第2回ゴールデンラズベリー賞(1981年公開の“最低“の映画を選ぶ)5部門ノミネート(作品、主演男優賞、新人賞、作曲賞、主題歌賞)3部門受賞(主演男優賞、新人賞、作曲賞)の珍品である。

監督は、大好きな映画「モンテ・ウォルシュ:Monte Walsh」を監督したウィリアム・A・フレ―カ―で、撮影監督としてハリウッドで多くの作品を担当、アカデミー賞撮影賞に5度ノミネートされている。

一流のスタッフを招聘し、製作されたテレビでお馴染みのキャラクターだが、主演のローン・レンジャーを演じたクリントン・スピルスベリーに魅力が無く、悪役にクリストファー・ロイドやマット・クラークを配し、大統領役には、名優ジェイソン・ロバーツをキャスティングし、それなりに制作費も注込んだ作品だと思うが、中途半端な出来となってしまったのが惜しまれる。

物語の展開をナレーションで語るという手法も、古すぎたのかも知れない。
幼い時両親を殺される、キモサベ(頼りになる相棒)トント(マイケル・ホース)に救われ、インディアンの部落で育ったジョンは、弁護士の資格を得るが、兄のダンを訪ねる道中、極悪非道のキャベンディッシュ少佐(クリストファー・ロイド)に兄を殺され、自らも撃たれ、危ういところをキモサベトントに再び救われる。

回復したジョンは、黒マスクを付け、ローン・レンジャーとしてキャベンディシュ少佐一味の企みを阻止するべく立ち向かう。(なぜ、黒マスクを付けるのかが良くわからない)
折しも遊説中の大統領が、少佐一味に拉致され拘束されていて、大統領も救うことになるというストーリー。

エピソードの一つ一つが、薄っぺらくなってしまい、ダイジェストをフラッシュバックで見せられているような感じで、全体的に重みが無かったのが惜しまれる。悪役の描き方も、もう一つ凄味が無く、折角の名優たちも手持無沙汰の感じ。

ウィリアム・A・フレ―カ―としても、不本意な作品だったことだろう。
勿論、アメリカでもそっぽを向かれた作品だったようだ、元々ラジオドラマとして放送され、その後コミック、テレビドラマ化(1949年~58年:221話)がされた。

映画化も、1956年、1958年とテレビと同じキャストで制作されており、この作品は、新たに制作された作品で、人気を呼んだテレビ版を踏襲するつもりだったのだろうが、見事に失敗したということだろう。

2013年ジョニー・ディップがトントに扮した新たな「ローン・・レンジャー」がスケールアップし、CG満載で制作費も2億ドル以上かけて制作されたが、期待したほどのヒットとはならず、またしてもゴールデンラズベリー賞を賑わす結果となってしまった。製作者の一人ジェリー・ブラッカイマーは、「パイレーツ・オブ・カリビアン」の2匹目のどじょうを狙ったのだろうが、失敗したようである。

“毎日が映画日和” 55点

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ラブ・アクチュアリー「Love Actually」 [心あったまるハートフルな作品!]

☆ラブ・アクチユアリー「Love Actually」
(2003年制作、リチャード・カーティス監督・脚本、音楽:クレイグ・アームストロング、撮影:マイケル・コールター
ヒュー・グラント、コリン・ファース、リーアム・ニーソン、アラン・リックマン、エマ・トンプソン、ローラ・リニ―、マルティン・マッカチョン、ルシア・モリス、ビル・ナイ、キーラ・ナイトレイ、アンドリュー・リンカーン、ビリー・ボブ・ソートン、ローワン・アトキンソン)
   
素敵な映画で、監督はリチャード・カーティス初監督作品である。
リチャード・カーティスは、「ノッティングヒルの恋人:Notting Holl」や「ブリジット・ジョーンズ:Buriget Jones’s Diary」シリーズ,「戦火の馬:War Horse」や「Mr、ビーン:Mr,Bean」シリーズで知られる脚本家。

1本の映画の中にクリスマスを控えた9組の家族や友人、恋人たちの出会いや別れを描き、ハート・ウォーミングな作品で大好きである。
リチャード・カーティス作品ではお馴染みの、コリン・ファースやヒュー・グラントが、笑わせ、泣かせてくれる傑作である。

リチャード・カーティス監督は、ニュージーランド生まれで、フィリピンやスウェーデンで過ごし、11歳でイギリスに定住し、オックスフォードで文学を学んだという。
彼の作品は、人生の挫折や後悔を暖かく見守る優しさが感じられるのだが、さまざまな国で過ごした経験が生かされているのだろうか。

エピソードの中でも、独身の英国首相(ヒュー・グラント)とふくよかな秘書ナタリー(マルティン・マッカチョン)の恋の顛末や作家のジェイミー(コリン・ファース)が、恋人を弟に横取りされ、フランスで出会ったポルトガル人のメイド、オーレリア(ルシア・モニス)と結ばれるエピソード、好きな女性ジュリエット(キーラ・ナイトレイ)が親友と結婚してしまい、よそよそしい態度で接するマーク(アンドリュー・リンカーン)が、ジュリエットに、実は愛していることを知られてしまうエピソード、結婚式に突然さまざま楽器が奏でられ「All you need is love」を歌い祝福する結婚式のシーンとイブの夜、新婚宅を訪ねジュリエットに叶わぬ紙芝居告白をして、別れを告げるシーンが特に好きである。リチャード・カーティス監督の豊かな感性を感じる名場面となっている。

芸達者な俳優達が繰り広げるエピソードに、心癒される作品で、構成が上手いのとエピソードがそれぞれ素敵である。
アラン・リックマンが、会社の女性に好意を寄せられ、妻(エマ・トンプソン)を裏切ろうとするほろ苦いエピソードも面白いし、世の男性には参考になるエピソードだったのではないか。

アメリカ大統領との記者会見での英国首相の強烈な反撃スピーチは、英国民の思いを代弁しているかのようで、日本の首相もあのぐらい言えたらよいのにと思ってしまう痛快な場面である。
9組のエピソードが、人間関係でそれぞれが繋がっているという構成で、語り口が見事で映画的な御都合主義も垣間見えるものの、135分があっという間の作品だった。

リチャード・カーティスは、2013年「アバウト・タイム:About Time」監督後、これからは監督業からは卒業すると宣言しているが、まだ59歳と若く、是非監督作品を発表してほしい一人である。
それにしても、この語り口の上手さは特筆に値する。「ノッティングヒルの恋人」「ブリジット・ジョーンズの日記」でも感じたが、生粋のセンスの良さと人間に対する抜群の観察眼が、リチャード・カーティスのバック・ボーンとなっているのではないだろうか。
これからも注目したい脚本家である。
この頃のヒュー・グラントは最高!!

“毎日が映画日和” 100点(大好きな作品で満点!!)



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秋日和(小津安二郎監督+原節子) [小津の名作]

☆秋日和(小津安二郎監督+原節子)
(1960年制作、小津安二郎監督、脚本:野田高悟、小津安二郎、音楽:
斎藤高順、撮影:厚田雄春、原作:里見弴
原節子、司葉子、岡田莱莉子、佐分利信、中村伸郎、北竜二、佐田啓二、三宅邦子、沢村貞子、桑野みゆき、渡辺文雄、須賀不二男、南美江、三上真一郎、高橋とよ、岩下志麻、笠智衆)
   
小津監督の晩年の傑作で、親友の法事に集まった旧友3人が引き起こす、ほのぼのとした出来事を、ほんわかさせて、しんみりさせ、にんまりさせる物語。

母秋子(原節子)と娘アヤ子(司葉子)の2人暮らしの三輪親子の結婚話に奔
走する間宮(佐分利信)、田口(中村伸郎)、平山(北竜二)のおせっかいトリオが、
引き起こす騒動が、アヤ子の結婚に繋がって行くというストーリーで、
デジタル再生によるくっきりと鮮やかで、しっとりと綺麗な色調で、
小津監督独特のローアングルで固定された構図が、画面に落ち着きと安定感を生み出している。

家族をさまざまな視点で捉える小津監督作品は、ヨーロッパで評価が高く、
小津組と称されるスタッフ・キャストで、映画を作り続け、父や母と娘、家族と
の絆がテーマとして描かれている作品がほとんどである。
主演の原節子(出演時40歳)は、2015年9月に95歳で、亡くなったが、
1963年小津監督が60歳で亡くなると、公の場に一切姿を見せなくなり、
実質引退している。

小津監督作品では、原節子出演作品の評価が高く、小津監督も原節子を最高の
女優と評している。(小津監督作品6作品に出演「晩春」「麦秋」「東京物語」「東
京暮色」「秋日和」「小早川家の秋」)

この作品でも、清潔感ある気品漂う演技で、未亡人を爽やかに演じている。娘
の幸せを願い、自らの運命に逆らうことなく一人生きていくことを決意してい
ることを娘に語る伊香保温泉(セット)でのシーンは、涙溢れるシーンとなっ
ている。

修学旅行生(女子)の歌う「山小屋の灯」が心地よく耳に残るが、映画全体に
流れる斎藤高順の昭和を感じさせる明るく綺麗な、さまざまな場面で流される
旋律が、印象深い。
小津作品ではお馴染みの、中村伸郎、北竜二、佐分利信の3人が、掻き回し役
となり、当時(昭和35年制作)の道徳感を司葉子(当時26歳)や岡田莱莉
子(当時27歳)に代弁させている。

生涯54本の監督作品があり、戦前39本、戦後15本で、特に戦後の作品の
評価が高い。「東京物語」は、世界中でベスト10やベスト100に選出される作品で、
家族の在り方を描く名作である。

戦後の作品のほとんどを共同で脚色している野田高悟は、戦前の小津監督の処
女作からの付き合いで、私生活でも繋がりが深く、良きパートナーだったとの
こと。
小津監督作品は、どっしりとした安定感があり、安心して鑑賞できる作品が多
く、今では見る事の出来ない卓袱台のある風景や家族の絆を再認識でき、心の
琴線に触れる懐かしい思いを抱かせる名作揃いである。

“毎日が映画日和” 90点


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マンハッタン無宿「Coogan's Bluff」 [イーストウッドを見逃すな!]

☆マンハッタン無宿「Coogan’s Bluff」
(1968年制作、ドン・シーゲル監督、脚本:ハーマン・ミラー、ディーン・リーズナー、ハワード・ロッドマン、音楽:ラロ・シフリン、撮影:バド・ザッカリー
クリント。イーストウッド、リー・J・コップ、スーザン・クラーク、ドン・ストラウド、シーモア・カッセル、トム・タリー)

遅咲きの大スター、クリント・イーストウッドのアメリカ主演第2作で、アリゾナの保安官補が、ニューヨークで活躍するポリスアクション、イーストウッドが多くを学んだ映画における師匠とも言える監督ドン・シーゲルと初めてコンビを組んだ、記念すべき作品でもある。

出演時38歳(47年前)、テレビドラマ「ローハイド」やイタリア製西部劇マカロニ・ウェスタン3部作のヒットで、経験をある程度積んでからの出演だけに、落ち着いていて変に若造っぽくないところが、逆に良かったのではないだろうか。

アリゾナで保安官補をしているクーガン(クリント・イーストウッド)は、一匹狼的なところがあり、上司からは目を付けられていて、凶悪犯リンガーマンの引き取りにニューヨークへ、リンガーマンを連れて空港から飛び立つ寸前リンガーマンの仲間に襲われ逃げられてしまう、孤立無援のクーガンが、苦労しながら再びリンガーマンを逮捕するまでが描かれる。

ニューヨークでは、田舎者扱いで書類を出せ、規則を守れとうるさいことを言われるが、面倒くさいとばかり半ば強引な手法で、物事の解決を図っていくという役柄、シーゲル監督とイーストウッドの大ヒット作「ダーティー・ハリー」の主人公ハリー・キャラハンのキャラクターの原型を、この作品に見出すことができる。

作品のスケールは小粒だが、脚本が良く出来ていてストーリーが面白いし、マリファナを吸いあう若者やサイケ調の音楽や絵やファッションを画面に登場させることで、制作当時の世相も垣間見ることができる。
大都会ニューヨークで、アリゾナから来た異人種の男が、執念に燃えて犯人を捜し出すというアクション物で、面白い作品になっている。

ニューヨークの警部補マッケルロイを演ずるのは、名優リー・J・コップで手を焼かせるクーガンを自制しろと強要するものの、陰ながらフォローする人情肌の役柄、映画に渋みと重みを与えている。

相手役のスーザン・クラークは、映画やテレビで活躍、シーゲル監督の佳作「刑事マディガン:Madigan」やジョセフ・サージェントの傑作SF映画「地球爆破作戦」やロバート・レッドフォード主演「夕陽に向かって走れ」等で存在感を発揮した女優である。

クリント・イーストウッドの殴り方は特徴があるのだが、この作品では早くもその特徴が出ているし、バイクでのチェイス・シーンも中々見応えがある。
この作品の後、2作品「真昼の死闘:Two Mules for Sister Sara」「白い肌の異常な夜:The Beguiled」で、シーゲル監督とコンビを組み「ダーティー・ハリー」を発表する。イーストウッドを世界的なビッグスターにしたのは、紛れもなく「ダーティー・ハリー」で、ドン・シーゲルの代表作ともなっているが、その原型を彷彿とさせる作品として「マンハッタン無宿」は、記憶に残る作品であろう。

“毎日が映画日和” 80点



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サン・フィアクル殺人事件「Maigret et l'affaire St,Fiacre」 [頑張るベテランスター達]

☆サン・フィアクル殺人事件「Maigret et l'affaire St. Fiacre」
(1959年制作、ジャン・ドラノワ監督、脚本:ロドルフ・モーリス・アロー、ミシェル・オーディアール、ジャン・ドラノワ、撮影:ルイ・バージュ
音楽:ジャン・プロドロミデス、原作:ジョルジョ・シムノン
ジャン・ギャバン、ヴァランティーヌ・テシエ、ミシェル・オークレール、ロ
ベール・イルシェ、ポール・フランクール)
   
ベルギーの作家ジョルジュ・シムノンが、生み出したメグレ警視の映画化である。
フランスの名優ジャン・ギャバンがパリ警視庁のメグレ警視を演ずるのは、
1958年「殺人者に罠をかけろ」が最初で当時54歳、この作品は翌年55
歳で演じている。3作品でメグレ警視を演じていて、もう1作は1963年制
作の「メグレ赤い灯を見る」である。

原作では、黒いつばの幅の広いフェルト帽、ビロード襟の厚手のトレンチコー
トに身を包み、パイプをこよなく愛し、ビール好きで、食いしん坊、身長18
0センチ、100キロを超える巨漢という設定で、ジャン・ギャバンは、身長
こそ足りないものの、存在感抜群で、何故一人で捜査するのかと思っていたの
だが、原作でも単独捜査が多いとのこと。

短編・長篇併せて113作品執筆されている。
フランスで有名なメグレ警視シリーズは、さまざま映像化されており、199
1年~2004年まで、フランステレビで放送された「メグレ警視」シリーズ
(主演ブリュノ・クレメール)が、有名である。

今作品は、40年ぶりに生まれ故郷のサン・フィアクル村を訪れたメグレ警視が、幼いころ憧れたサン・フィアクル夫人(ヴァランティーヌ・テシエ)に届けられた脅迫状の捜査を依頼されたことから始まる。
館に到着した翌日早朝、ミサの後夫人は亡くなるのだが、巧妙に仕組まれた殺人だと見抜いたメグレが捜査を開始し、見事トリックを暴き犯人を逮捕するまでが描かれる。

サスペンスミステリーの定番だが、夫人の息子で浪費家の伯爵、悪徳秘書、館の管理人とその息子の銀行員、いわくありげな司祭等、怪しげな人物が行き交い、複雑なプロットで、演ずる俳優達の風貌や演技力も効果的で、なかなか楽しめる作品となっている。

動きのあるアクションサスペンスではないので、地味な印象がするが、1950年代後半の製作ということを考えれば、これはこれで味のある作品だった。
ジャン・ギャバン主演のメグレ警視シリーズの他の2作も是非観たい。

“毎日が映画日和” 75点


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謎の要人悠々逃亡!「Very Important Person」 [名優達の演技を楽しもう!]

☆謎の要人悠悠逃亡!「Very Important Person」
(1960年制作、ケン・アナキン監督、脚本:ジャック・デイヴィス、ヘンリー・ブライス、撮影:アーネスト・スチュワード、音楽:レグ・オーウェン
ジェームズ・ロヴァートソン・ジャスティス、スタンリー・バクスター、レスリー・フィリップス、エリック・サイクス)
  
脱走映画の名作と言えば、
古くは「大いなる幻影」「第十七哺亮収容所」「大脱走」「穴」「パピヨン」「暴力脱獄」「脱走山脈」「シォーシャンクの空に」「アルカトラズからの脱出」等々、世界中で制作されており、時代背景や設定場所は違うもののさまざまなシチュエーションにおかれた軍人や囚人が脱走するケースがほとんどである。

大作戦争映画の名監督ケン・アナキンが1960年に製作したこの作品は、ちょっととぼけた雰囲気のコメディタッチの作品で、肩の力を抜いて楽しめる作品となっている。

イギリスの科学者が自ら開発した機会を試す為、敵地へ潜入しようとするが、途中空中砲火を浴び、ドイツ軍の捕虜として捕えられてしまい収容所へ送られる。この収容所での脱出までの顛末を描いた映画だが、主演のジェームズ・ロヴァートソン・ジャスティスの物事に動じない冷静な科学者というキャラクターが、俳優の風貌と合い楽しい展開。

収容所施設を訪れる赤十字の調査員に変装して脱出するというアイデアで、緊迫感はないものの、ほのぼのとしたタッチで面白い映画となっている。
「大脱走」の2年前に製作されていることに驚くのだが、ドイツ軍の収容所からの脱出というシチュエーションは、この手の映画のパターンとして定着していたのだろう。

先日楽しく観た「ギャング情報:The Informers」でも、見応えある作品を演出したケン・アナキン監督の作品だが、骨組みのしっかりした作品に仕上げる監督でアカデミー賞等には縁がない監督だが、多くの大作・名作を手懸けている。

主演のジェームズ・R・ジャスティスは、多くの映画で脇役として活躍してきた俳優で、大きな体型と独特の風貌から、重要人物を演ずることが多かった。
収容所仲間とのさまざまなやり取りやエピソードも、楽しく、退屈しないで鑑賞できる94分という上映時間もちょうど良い。

“毎日が映画日和” 70点


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