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サブウェイ・パニック「The Taking of Pelham One Two Three」 [面白いアクションサスペンス!]

☆サブウェイ・パニック「The Taking of Pelham One Two Three」
(1974年製作、ジョセフ・サージェント監督、脚本:ピーター・ストーン
音楽:デヴィット・シャイア、撮影:オーウィン・ロイズマン、原作:ジョン・ゴーディ
ウォルター・マッソー、ロバート・ショウ、マーティン・バルサム、ヘクター・エリゾンド、アール・ハインドマン、ジェリー・スティラー、リー・ウォレス)
   
面白い!面白い!
ニューヨークの地下鉄を乗っ取り、乗客を人質に身代金100万ドルを要求するという前代未聞のサブウェイジャック事件を描いている。
無駄を一切排除した脚本、サスペンスの盛り上げ方も上手い、どことなくユーモアの漂う保安警部ガーバー(ウォルター・マッソー)と緊迫感漂うハイジャック犯4人組のリーダー、ブルー(ロバート・ショウ)のバランスも非常に見事。

犯人役グリーン(マーティン・バルサム)、グレイ(ヘクター・エリゾンド)、ブラウン(アール・ハンドマン)達のキャラクターも凝っていて、グリーン以外の、それぞれの死際もキャラクターに合っていて、リーダーブルーの死際は、壮絶な電気ショックによるもので、身体中から煙が出るという演出。

一人逃れたグリーンも、カーバーの追及に咳き込んだことで、犯人と解ってしまうという落ちも洒落ていて、エンディングのガーバー(ウォルター・マッソー)の“犯人は、お前だろう”とでも言っているような表情が忘れられない。

練りに練られた脚本が、この映画の生命線で適度に過激なシーンも描かれ、(車掌を撃ち殺したり、身代金を運ぶパトカーが横転したり等)退屈させない。
犯人達が、変装し色の名前で呼び合うというアイデアも、見事。
ジョセフ・サージェント監督は、テレビ映画を中心に活躍したが、劇場用映画にも見応えのある作品がある。「地球爆破作戦The Forbin Project」「白熱:White Lightning」「マッカーサーMacArthur」等。

ウォルター・マッソー、ロバート・ショウ、マーティン・バルサムは、実績のある名優たちで、流石の演技を見せてくれる。この作品は、この3人が出演してこその作品となっている。

2009年トニー・スコット監督「サブウェイ123」でリメイクされた。ガーバー役はデンゼル・ワシントン、ブルー役は(ライダーと名前は変更されている)ジョン・トラボルタで、ユーモアは一切排除され硬派の重厚なサスペンス作品となったが、作品の完成度は、ジョセフ・サージェント版の方が高い。

この時代、デザスターパニック映画が世界中でヒットし、大仕掛けの作品が多かった中で、アイデアと面白い脚本で勝負した佳作である。
面白くてスカッとする、ジョセフ・サージェントの最高傑作ではないだろうか。

“毎日が映画日和” 100点(こんな映画が大好き!)


がんばれ!ベアーズ「The Bad News Bears」 [心あったまるハートフルな作品!]

☆がんばれ!ベアーズ「The Bad News Bears」
(1976年製作、マイケル・リッチ―監督、脚本:ビル・ランカスター音楽:ジェリー・フィールディング、撮影:ジョン・A・アロンゾ
ウォルター・マッソー、ティタム・オニール、ヴィック・モロー、ジャッキー・アール・ヘイリー、ジョイス・ヴァン・パタン)
   
コメディで上質の作品を発表するマイケル・リッチ―監督が手懸けた、とっても痛快でハートフルな作品。

リトル・リーグの弱小チームを監督することになったバターメイカー(ウオルター・マッソー)は、元マイナー・リーグ出身で、今はプール清掃員をしながらビール(ウイスキーを入れる)と葉巻が生きがいの中年ダメオヤジ。
問題児ばかりのチームでは、全くやる気が無くチームのメンバーにも、見放されているという設定。個性豊かな子供達が、面白い。
子供達の勝ちたいという思いに応える為、元恋人の娘で、ナックルが得意のピッチャー、アマンダ(テイタム・オニール)を何とか協力させることに成功、野球の上手い不良ケリー(ジャッキー・アール・ヘイリー)もチームに入団させ、リトル・リーグのチャンピオン、ターナー率いるヤンキースに挑んでいく。

アメリカの大好きなスポーツコメディで、野球が下手なちびっこたちが、プレイ毎に成長する姿が楽しい。最終回ベンチ要員を出場させ、勝利よりチームみんなで戦うというチームワーク優先のストーリーが、実に爽やかである。
この当たりが、いかにもアメリカ的で明るい万人向けの脚本となっている。

ウォルター・マッソーの一癖、二癖ありそうなキャラクター設定が、楽しいしアマンダ役のテイタム・オニールが、芸達者なところを見せる。
彼女は、俳優ライアン・オニールの娘で、9歳の時父親と共演した「ペーパー・ムーン:Paper Moon」でアカデミー賞助演女優賞を受賞している。

マイケル・リッチ―監督は、ロバート・レッドフォード主演作品(「白銀のレーサー:Downhill Racer」「候補者ビル・マッケイ:The Candidate」)で認められ、「がんばれベアーズ」の大ヒットでブレイクした監督。
チェビー・チェイスやゴールデン・ホーン、エディ・マーフィー等のアメリカの人気コメディ俳優作品を監督し人気を博した。

名優ウォルター・マッソーの演技を見ているだけでも楽しめる作品で、主にはコメディ作品で活躍、ジャック・レモンとの共演作で評価が高いが、意外とアクション映画にも評価の高い作品が多い。
(「突破口:Charley Varrick」「マシンガン・パニック:The Laughing Policeman」「サブウエィ・パニック:The Taking of Pelham One Two Three」)

この作品は、その後出演者を変え、「がんばれ!ベアーズ特訓中」「がんばれ!ベアーズ大旋風日本遠征」と製作され、2005年には、「がんばれ!ベアーズニューシーズン」としてリメイクされている。

“毎日が映画日和” 75点



ユニバーサル・ソルジャー「Universal Soldier」 [近未来SFアクション!]

☆ユニバーサル・ソルジャー「Universal Soldier」
(1992年製作、ローランド・エメリッヒ監督、脚本:リチャード・ロススタイン、クリストファー・レイッチ、ジョエル・B・マイケルズ、音楽:クリストファー・フランケ、撮影:カール・W・リンデンローブ
ジャン=クロード・ヴァンダム、ドルフ・ラングレン、アリー・ウォーカー、エド・オロス、ジェリー・オーバック、ランス・ハワード)
   
ローランド・エメリッヒ監督のハリウッドデビュー作で、大ヒットした作品。
SFアクション作品(後半は肉弾戦?)で、合格点が出せる面白い映画。

ベトナム戦争で、戦死した兵士が25年後、ユニバーサル・ソルジャーとして蘇るというストーリーで、ベトナム戦争時の後遺症が残っていて、ルーク二等兵(ジャン=クロード・ヴァンダム)とアンドリュー軍曹(ドルフ・ラングレン)が、べトナム時代の確執と因縁が元で死闘を繰り広げることになる。

狂気じみたラングレンが凄味がある。B級アクション専門で、そのタフネス振りを十分に発揮している。ヴァンダムは、この当時はアクションのキレもあり、良かったがパターンは一緒で、変りばえはしない。

ダムでのテロリストを一網打尽にするシーンは、ダムを駆けおりるシーンなど、なかなかの迫力とアイデアで見応え充分。
ルークの両親まで危険に晒してしまうあたりは、脚本の安易さを感じたが、格闘シーンの迫力に免じて良しとしよう。

ローランド・エメリッヒは、この作品の後「スター・ゲイト:Stargate」「インデペンデンス・デイ:Independence Day」で売れっ子監督となり、ヒットメーカーとして現在に至っている。「ディ・アフター・トゥモロー:The Day After Tomorrow」「2012:2012」で世界的大ヒットを飛ばしている一方、失敗作も有り「紀元前1万年:10000BC」や「もう一人のシェークスピア:Anonymous」等は期待外れに終わっている。次回作が待たれる監督の一人である。

軍の秘密の実験によって生み出されたソルジャーは、血清を打たないと体温が上昇し機能しなくなるという設定で、そのためマイナス35℃の状態で、エネルギーを蓄えるという設定になっているが、後半はユニバーサル・ソルジャーというよりは、ヴァンダムとラングレンの1対1の肉弾戦の戦いに終始する。
90年代を代表する2大アクションスターで、それなりに見所満載で、楽しめる作品となっている。
「ユニバーサル・ソルジャー」シリーズは今まで5作品制作されている。
ジャン=クロード・ヴァンダムとドルフ・ラングレンは、第4作・5作にも出演している。(第3作は、バンダムだけ出演)

“毎日が映画日和” 70点


0011ナポレオン・ソロ対シカゴ・ギャング「The Spy in the Green Hat [面白いアクションサスペンス!]

映画はみんな面白い――617
☆0011ナポレオン・ソロ対シカゴ・ギャング「The Spy in the Green Hat」
(1967年製作、ジョセフ・サージェント監督、脚本:ピーター・アラン・フィールズ、撮影:フレッド・コーネカンプ、音楽:ジェラルド・フリード
ロバート・ヴォーン、デヴィット・マッカラム、ジャネット・リー、ジャック・パランス、レオ・G・キャロル、レティチア・ローマン、ジャック・ラルー)

「0011ナポレオン・ソロ」は、1964年~68年までアメリカで人気を呼んだスパイもののテレビドラマで、日本では1966年~70年まで放映され、楽しんだものである。この作品は、長編版シリーズ(合計8作)の5作目である。

ゆったりとした展開、ゆる~いキャラクター設定の登場人物達、安っぽいセット作り、とってつけたような陳腐なストーリーと賞賛すべきものは何もない映画なのだが、どこか懐かしい匂いで、長~いなあと思いながらも最後ま我慢できた。
テレビシリーズの延長線上の作品で、最近の映画の様に派手な見せ場があるわけでもなく、爆破シーンや激しい銃撃戦がある訳でもないスパイ物。

イタリアはシチリア島を本拠とするスラッシュ(悪の組織)対ニューヨークを本部とするアンクルのエージェント、ナポレオン・ソロ(ロヴァート・ヴォ―ン)とイリヤ・クリヤキン(デヴィット・マッカラム)が、スラッシュの企む陰謀を阻止しようとイタリア、シカゴを舞台に活躍する作品。

共演者は、スラッシュの幹部にジャック・パランスが扮し、ちょっとコミカルな悪役を演じている。身の置き場を持て余しているような雰囲気で強面のイメージの強い俳優だけに、何故この役を引き受けたのか、不思議なくらいである。
ジャネット・リー(出演時40歳)もとてもリラックスしているようで、22歳で出演した「若草物語:Little Women」の頃の面影もまだ残っている。

ニューヨークの年老いたイタリアン・マフィア達(往年の名優たちが出演している)が面白かったが、すぐ敵に捕まるソロとイリヤが設定上弱すぎる。まあ、脚本上の設定なので仕方ないのだが、今年間もなく0011ナポレオン・ソロのリメイク版新作「コードネームはU・N・C・L・E」が公開予定とのこと。アメリカでは既に公開済みのはずで、あまり評判を聞かないところを見ると、面白い作品とならなかったかと心配になるが、楽しみである。

多分、この作品はテレビで言うスペシャル版としてのテレビ放映用だったものだろう。
ロバート・ヴォ―ン主演というよりは、デヴィット・マッカラムとの2枚看板(実際にも同い年)の様な扱い方で、両社とも見せ場は五分五分というところ。裏覚えだが、スタート当初はロバート・ヴォ―ンの活躍が目立ったが、徐々にイリヤの人気が挙がり、活躍の場面が増えて行ったような記憶がある。中学生の頃、同級生の女性達が、イリヤの方がかっこいいと話していたのを覚えている。女性受けする雰囲気を持っていた俳優で、映画の実績は、ロバート・ヴォーンに及ばないが、最近まで、テレビドラマで活躍していた(「NCISネイビー犯罪捜査官」)。

懐かしんで見るにはいいのだが、テンポの良いアクションサスペンスを期待するとがっかりすることだろう。

“映画はみんな面白い”☆☆☆☆

青春群像「Vitelloni」 [青春時代を綴る名作]

☆青春群像「Vitelloni」
(1953年製作、フェデリコ・フェリーニ監督、脚本:フェデリコ・フェリーニ、エンニオ・フライアーノ、トゥリオ・ピネッリ、撮影:オテッロ・マルテッリ、ルチアーノ・トラザッティ、カルロ・カルリーニ、音楽:ニーノ・ロータ、
フランコ・ファヴリッティ、アルベルト・ソルディ、レオノーラ・ルファ、
リカルド・フェリーニ、ジャン・ブロシャール)
   
何度でも観たくなる映画で、難しいという先入観のあるフェリーニ映画の初期の傑作で、解りやすい作品。

北イタリア、アドリア海の田舎町が舞台で、5人の若者たちが、生きる目的を見いだせないでいる人生のひととき描いた作品。
彼らの家族のエピソードも絡めながら、ほろ苦い人生の想い出を綴ったこの作品は、1953年ベネツィア国際映画祭銀獅子賞受賞(監督賞)、アカデミー賞脚本賞にノミネートされている。

非常に共感できる作品で、いつもつるんでいる若者5人は無職で、勤勉な労働者をどこかあざけり、所在無げに日々を過ごし、無為な毎日を過ごしている。

ファーストは、モラルドの妹サンドラに手を出し、妊娠させたことから結婚する破目になるが、逃げ出そうとする息子を叱り飛ばすファーストの父親像が良い、演じる俳優の演技も上手い。結婚してからも女遊びを繰り返すファウストをベルトで殴り、叱るイタリア人気質の表現も上手い。

歌手を夢見るリッカルド、アルベルトの姉は不倫中で、町を出て行ってしまう、レオポルドは劇作家を目指しているもののそのきっかけすら見つけられないでいる。
サンドラの兄モラルドは、町を出てゆくことを考えているものの決断ができないでいる、そんな出口の見えない彼等の元へ、新婚旅行からファーストが戻ってくる。ファーストは、女好きで手当たり次第に口説き、ついには雇い主の妻を口説いたことから解雇されてしまう、それでも懲りないファウストに愛想をつかしたサンドラは赤ちゃんと一緒に家を飛び出してしまう、流石に心配になったファーストは、仲間とともにサンドラを探すこととなる。

ファーストの実家にいたサンドラを見つけ、安心するファーストだが父親の怒りが爆発する。そんな騒動も終わったある日、モラルドは一人、この町から列車で旅立つのである。

この作品の構成、演出の見事さは、当時33歳のフィリーニの瑞々しい感性が生かされ、悶々とした若者達の心情が見事に捉えられている。

庶民を描くフィリーニのスタイルは、ネオレアリズモ(イタリアの生んだ映画と文学の潮流を言う)派と言う人たちもいるが(単純にいうと現実をリアリズムに描くこと)フィリ―ニを一言で、必ずしもそのスタイルと決めつけることは難しいのではないだろうか。

1953年製作(戦後8年後)で、主人公たちはみんな無職で社会全体が混沌としている時代の中で製作された作品、やり場のないエネルギーのはけ口を見いだせない若者を描いた秀作で、何度でも観たくなる作品、好みの作品である。

“毎日が映画日和” 100点(好みの作品で満点!!)



ブラック・ライダー(シドニー・ポワチエ監督・主演)「Black and the Preacher」 [渋い西部劇の代表作]

☆ブラックライダー「Black and the Preacher」
(1972年製作 シドニー・ポワチエ監督、脚本:アーネスト・キノイ
撮影:アレックス・フィリックス・ジュニア、音楽:ベニー・カーター
シドニー・ポワチエ、ハリー・ベラフォンテ、ルビー・デイー、キャメロン・ミッチェル、デニー・ミラー、ジョン・ケリー)
   
シドニー・ポワチエ主演・監督の西部劇。
同格の扱いでハリー・ベラフォンテが共演している。
シドニー・ポワチエの西部劇とは珍しいが、「砦の29人:Duel at Diablo」での黒人兵役が思い出される。新天地を求める黒人移住者たちを導く元北軍軍曹でガイドのバック(シドニー・ポワチエ)と牧師のルサフォード(ハリー・ベラフォンテ)の活躍を描いた作品。

黒人の移住者を排除しようとするディシェイ(キャメロン・ミッチェル)に付け狙われ、幾度か窮地に陥りながらも、顔見知りの先住民の援助も得て、新たな地にたどりつくというストーリーである。

正直これといった見せ場も無く過ぎてゆくが、いつも白人幌馬車隊が新天地を求める映画ばかりなので、黒人の幌馬車隊というのは、初めてだったし、新味があった。
幌馬車隊が、襲われたり、インディアンに助けられたり、賑わいのある脚本なのだが、盛り上げ方がもう一つで、ドラマチックに盛り上がる場面があっても良かったように思うが、、、、。

名優シドニー・ポワチエには、監督作品が8本あるが、出演作品ほど話題にはならなかったようである。
共演するハリー・ベラフォンテは、「バナナ・ボート」を世界的にヒットさせた歌手で、俳優としても活躍した黒人である。
ラスト間近、ディシェイ一味との戦いで、拳銃を撃ちまくるが、どことなくこの2人のガンマン振りには違和感を覚えるのだが、、、、。
それだけ、歌手としてのハリー・ベラフォンテの印象が強烈だし、映画俳優として名作、傑作に出演しているシドニー・ポワチエのイメージが強いからだろうか。
毛色の違った西部劇としては、なかなか楽しめるが、もう少し全体的に迫力が欲しかった。

“毎日が映画日和” 60点

マシンガン・パニック「The Laughing Policeman」 [サスペンスパニック!]

☆マシンガン・パニック「The Laughing Policeman」
(1973年製作 スチュアート・ローゼンバーグ監督、脚本:トーマス・リックマン、音楽:チャールズ・フォックス、撮影:デヴィット・M・ウォルシュ
原作:ペール・ヴァ―ルー、マイ・シュヴァール「笑う警官」
ウォルター・マッソー、ブルース・ダーン、ルイス・ゴセット・ジュニア、アンソニー・ザープ、ヴァル・エイヴァリ―、アルバート・ポールセン、ジョアンナ・キャシディ、フランシス・リー・マッケイン)
    
スウェーデンの作家マイ・シュバール・ペール・ヴァ―ルーの大ヒット小説「マルティン・ベック」シリーズの第4作の映画化。
舞台は、ストックホルムからサンフランシスコへ変わり、マルティン・ベック刑事や出演者の名前は、全て原作とは変えられている。

事件の発端となるバス乱射事件での大量虐殺、その中にジェイク(小説ではマルティン・ベック)の相棒エバンス刑事がいた。
犯人を捜査する過程で、ジェイクの担当した2年前の迷宮入りの高級娼婦殺人事件が、絡んでいるのではと考えるようになる。

新しい相棒ラーソン(ブルース・ダーン)とは、そりが合わず上手くいかないが、次第に犯人を追いつめる中で、信頼関係が築かれていく。
ウォルター・マッソーが、ジェイク刑事役でシリアスな演技を見せ、演技派の一面をのぞかせる。

アンソニー・ザーブが、刑事たちの上司スタイナー警視役で脇を固め、「愛と青春の旅立ち:An Officer and a Gentleman」で、アカデミー賞助演男優賞を受賞したルイス・ゴセット・ジュニアが、刑事役で顔を見せる。
犯人役カメレロ(アルバート・ポールセン)は、不動産業者でバイセクシャルという設定で、実は2年前の高級娼婦殺人事件の犯人でもあったという設定となっている。

監督のスチュアート・ローゼンバーグは、編集者上がりで「暴力脱獄:Cool and
Luke」「新・動く標的:The Drowing Pool」「ブルベイカー:Brubaker」
「さすらいの航海:Voyage of the Damned」等の作品で知られ、キレのある演出を得意とする監督である。

シリアスなタッチで描いた刑事物で、さまざまなルートを使って情報を入手してゆく方法は、なかなか面白かった。願わくば、もう少しスケール感が欲しかったのと、盛り上げ方が、後半に繋がらなかったのが、惜しまれる。

“毎日が映画日和” 70点




インタースティーラー(クリストファー・ノーラン監督)「Interstellar」 [SF映画の傑作!]

☆インタースティーラー(クリストファー・ノーラン監督)「Interstellar」
(2014年製作、クリストファー・ノーラン監督、脚本:ジョナサン・ノーラン、クリストファー・ノーラン、音楽:ハンス・ジマー、撮影:ホイテ・ヴァン・ホイテマ
マシュー・マコノヒー、アン・ハサウェイ、デヴィット・シャーシ―、ジェシカ・ジャスティン、エレン・バースティン、マイケル・ケイン、ケイシー・アフレック、ジョン・リスゴー、ウィリアム・ディヴェイン、マッケンジー・フォイ、マット・ディモン、ウェス・ベントリー)

   
世界的なヒットメーカーとして、今や大物と化したクリストファー・ノーラン監督の壮大な世界観で綴るSF作品。
重力場と時空の問題、相対性理論、ワームホール(ブラックホールではない)など何がなにやら難しい言葉が出てくるが、映画として非常に面白い作品となっている。

緊張感、ハラハラドキドキ感、これからどうなるのかという期待感や映像表現への驚愕感、さまざまな感情が湧きおこる169分に及ぶシリアスなタッチのサイエンスフィクション作品である。

地球環境が悪化し植物が減少、食糧難に見舞われている地球は滅亡が目前に迫り、NASAは人類が移住可能な惑星の探査を進めていたのだが、3つの惑星からの信号を基に、惑星に到着し待っているであろうそれぞれの探査チームに接触しようと、新たな探査チームを派遣する。

新たな探査チームに参加することになったエンジニアクーパー(マシュー・マコノヒー)は、パイロットとして困難なミッションに挑むこととなる。
祖父、息子、娘との4人暮らしで、二度と家族と会えないかも知れない任務のため宇宙へと旅立っていく、特に娘マーフの失望感は大きく、反発を強める中での旅立ちだった、時空を飛び越えて描かれる未来と過去が混在となって展開する作品で、家族の絆と過酷な運命を想像を超えるスケールで描く、クリストファー・ノーランの世界観に圧倒されっぱなしの169分である。


一緒に宇宙へ旅立つ乗務員アメリア・ブランド博士にアン・ハサウェイ、娘ワーフにジェシカ・ジャスティン(子供の頃はマッケンジー・フォイ)そして年老いたマーフ役はエレン・バースティン、先に氷の惑星で救出を待っていたマン博士には、マット・ディモンが扮しカメオ出演。

クーパーの祖父役は、存在感抜群のジョン・リスゴー、人類の惑星移住計画を進めるアメリアの父ブランド教授には、マイケル・ケイン(撮影時80歳)が扮し名優振りを見せる。(クリストファー・ノーランのバットマンシリーズ全作品に出演)

クリストファー・ノーラン監督は、2005年「バットマンビギンズ:Batman Begins」その後「ダークナイト:The Dark Knight」「ダークナイトライジングThe Dark Knight Rises」のバットマン3部作と「インセプション:Inception」が世界中で大ヒット、その後大作の製作に携わる45歳と新進気鋭の監督である。弟ジョナサン・ノーラン(39歳)の脚本を映画化、兄弟で活躍する映画人である。脚本執筆に当っては、カリフォルニア工科大学で、相対性理論を学んだとのこと。

今作では、たどり着く人類が移住する候補となる惑星の撮影地にアイスランドを選び、荒涼たる惑星の雰囲気を見せてくれる、クーパーが家族と住む家のトウモロコシ畑は実際にトウモロコシを植えて育てて撮影したとのことで、徹底してリアリズムにこだわる演出スタイルを見せている。

宇宙船が登場(レインジャー、エンデュランス、ランダー)、また宇宙船がドッキングする宇宙ステーション(母船)も登場、宇宙物には欠かせないロボットも登場、面白い直線的な動きで宇宙船のクルーの一員として(一体として?)活躍する。宇宙空間の描き方も只々圧倒される。

ワームホールを通過する際の映像や、通過した後の映像表現など視覚効果スタッフの仕事も大変だったと思うのだが、さまざまなスタッフがどれぞれの専門分野の技術を持ち寄り、見事なチームワークを見せている。
5次元の世界に3次元の世界を作りあげるとか、想像すらできないのだが、一人の映画ファンとして、非常に面白い作品だった。2度、3度と鑑賞する内にもっとこの映画の凄さがより深まって来るものと思われる。
まずは必見です!!
“毎日が映画日和” 100点(難解な箇所ありも、映像表現に満点!!)


真昼の決闘「High Noon」 [西部劇の傑作!]

☆真昼の決闘「High Noon」
(1952年製作、フレッド・ジンネマン監督、脚本:カール・フォマン
音楽:ディミトリ・ティオムキン、撮影:フロイド・クロスビー
原案:ジョン・W・カニンガム 主題歌:テックス・リッターDo Not Forsake Me,Oh ,My Darlin
ゲイリー・クーパー、グレース・ケリー、トーマス・ミッチェル、ケティ・婦ラド、ロイド・ブリッジス、リー・ヴァン・クリーフ、ジャック・イーラム)


世界名作映画の1本!
それまでの西部劇の常識を覆すストーリーを名匠フレド・ジンネマンが監督した作品。
アカデミー賞4部門受賞(主演男優賞・音楽賞・歌曲賞・編集賞)3部門ノミネート(作品賞・監督賞・脚色賞)の評価の高かった作品である。

5年前に逮捕されたフランクが、正午着の列車で帰ってくるのを迎えるため、弟ベン・コルビー(リー・ヴァン・クリーフ)・ジムの3人がハドリー・ヴェイルの駅で待つ。目的はただ一つ、保安官ケイン(グレゴリー・ペック)への復讐である。
町中を通り駅へ向かう3人組に街中が動揺する。

街に荒くれどもを呼び込み、活性化を促し喜ぶホテルや酒場の経営者たち、町中に無法者が溢れることで女性や子供は安心して暮らせないと嘆く市民たち、町への投資を呼び込むため、殺し合いを避けたいとケインに町から出て行ってほしいと願う町長や牧師など、危険が迫った時の人間の本性を描き出す。

フランクが列車で到着することを知ったケインは、応援を要請するが、怖がった住民たちは、さまざまな理由を述べ応援を回避、誰も助っ人はいないことが解り、恐怖の念に駆られながらも、勇気を奮起し、殺し屋4人に立ち向かっていく保安名の孤独な戦いを時間の経過と上映時間を一致させた作品に仕上げた傑作西部劇。

結婚式を挙げたばかりのケインが、決着をつけない限り、どこまでも付け狙われると悟り、決着をつけることで町も救えると考えるが、最愛のエミイ(グレース・ケリー)も何故わざわざ危険を承知で町へ戻るのかが理解できない、ましてエミイは過去に父や兄を殺されており、争いそのものを否定するクエィーカー教徒だった。

酒場や教会でのエピソード、友人宅や先輩保安官、副保安官などとのエピソードも絡め、無駄を一切省き、スリリングで明瞭な作品に仕上ている。
脚本カール・フォアマンの研ぎ澄まされた簡潔な脚本、ディミトリ・ティオムキンの印象深い音楽、特に主題歌となるテックス・リッターの「Do Not Forsake Me, Oh, My Darlin」が耳から離れなくなる。(大ヒットした曲でもある)

ゲイリー・クーパーは、この作品で2度目のアカデミー賞主演男優賞を受賞、出演時は50歳、「クール・ビューティー」と呼ばれた美貌の女優グレース・ケリーが、エミイ役で出演し華を添える。
メキシコの名女優として西部劇等でハリウッドでも活躍したケティ・フラドが、酒場のホテルの女経営者として出演し存在感を見せれば、「駅馬車:Stagecoach」でアカデミー賞助演男優賞に輝いた名優トーマス・ミッチェルが、町長役で脇を固めている。

西部劇ファンにはうれしいのだが、殺し屋の役でリー・ヴァン・クリーフが出演、ハーモニカを吹いているがセリフは一切ない、またジャック・イーラムが保安官事務所の牢屋へ入っている飲んだくれの役で顔を見せる。この2人はその後、さまざまな西部劇で活躍する俳優となった。

85分という短い上映時間の中に、多くのエピソードがぎっしり詰め込まれ、重厚な人間ドラマが展開するばかりでなく、スリルと緊張感が映画の魅力を高めている。フレッド・ジンネマン監督の構成力と演出力に脱帽である。
保安官バッジを足元に捨てて、町を去って行くエミイとケインの後姿でエンディングとなる。

西部劇の傑作は数多いが、その中でも完成度の高さは1~2を争うだろう。
詩情や美しい景観が観られないのが残念だが、傑作中の傑作とはこういう映画の事だろう。
フレッド・ジンネマン監督作品は、傑作揃いだが、「ジャッカルの日:The day of the Jackel」に次いで好きな作品である。

“毎日が映画日和” 100点(完成度の高さに脱帽!!)




アウトランド(ショーン・コネリー)「Outland」 [近未来SFアクション!]

☆アウトランド「Outland」
(1981年製作、ピーター・ハイアムズ監督・脚本、音楽:ジェリー・ゴールドスミス、撮影:スティーブン・ゴールドブラッド
ショーン・コネリー、ピーター・ボイル、フランシス・スターンハ―ゲン、ジェームズ・B・シッキング、キカ・マーカム)
    
ショーン・コネリー主演の珍しいSF作品。
テイストはサイエンスフィクションなのだが、地球からシャトルで1年間の距離にある木星の衛星イオに赴任したばかりの保安官オニール(ショーン・コネリー)が孤立無援の中(唯一女医が手助けしてくれる)、麻薬密輸の親玉と殺し屋との対決をクライマックスとした(フレッド・ジンネマン監督の西部劇の傑作「真昼の決闘:High Noon」をモチーフ)作品となっている。

イオには鉱物資源を採掘する基地があり、犯罪者などを中心に働いていたが、
11ヶ月目頃になると不審な死を遂げる労働者たちが、続出するようになる、何故か死体は解剖されず、理由は解明されず保安官助手を含め一様にその原因については口を閉ざす。

労働者の待遇を良くし、業績を上げようと会社が、覚せい剤を密売し、働かせていたというのが真相で、牛耳るマーク・シェパード(ピーター・ボイル)の権力に、衛星イオの人達はさまざまな報復や障害を恐れ、見ざる・言わざる・聞かざるを決め込んでいた。

イオでの生活に慣れない妻と子供は、オニールの不在時に、地球に戻るためイオの基地を飛び出し、オニールにも一緒に戻るよう映像通信で懇願するが、保安官の職務を果たそうと、会社が送り込んだ殺し屋との対決に勇気を奮い立たせ挑んでいく。

監督はピーター・ハイアムズで、残念ながらスケール感が今一つで、宇宙空間のセットや美術も精密度や完成度が、質的にあまり高くない様に感じる結果となっている。
エイリアンが出て来るとか、悪役一味にもう少し凄味や緊迫感が欲しかったし、脚本や宇宙空間の美術・セットに工夫がほしかったところ。

ピーター・ハイアムズ監督は、作品の出来不出来の落差がある監督だが、
「カプリコン1:Capricon 1」「プレシディオの男たち:The Presidio」「カナディアン・エクスプレス:Narrow Margin」「タイムコップ:Timecop」「サドン・デス:Sudden Death」等のアクション・サスペンスで面白い作品を発表したことを考えると、ちょっと物足りない作品となってしまった。

監督はショーン・コネリーと、「プレシディオの男たち」でもコンビを組んでいる。
ショーン・コネリー51歳時の作品で、渋さが加わり味のある俳優となった。今回気が付いたのだが、実はクリント・イーストウッドと同い年で2人共に、映画界に残した功績と影響力は計り知れない、偉大なスター俳優達である。

作品としては、サスペンスの盛り上がりも、SF的な映画のテイストも不足していて、傑作とまではいかなかったが、ショーン・コネリーの奮闘に敬意を表したい。

“毎日が映画日和” 70点


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