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小説家を見つけたら「Finding orrester」 [人生ドラマの傑作!!]

☆小説家を見つけたら「Finding Forrester」
(2000年製作、ガス・ヴァン・サント監督、脚本:マイク・リッチ
撮影:ハリス・サヴィデス、音楽:マイルス・ディヴィス、ビル・フリーゼル
ショーン・コネリー、ロブ・ブラウン、F・マーリー・エイブラハム、アンナ・パキン、パスタ・ライムス、マット・ディモン、マイケル・ヌーリー、リチャード・イーストン、ステファニー・ペリー)
   
世界名作映画の1本!!
ショーン・コネリーが、70歳で制作も兼ね主演した作品。
年齢を超えた友情を描き、何とも心地よい爽やかな感動を呼ぶ作品となっている。

世間と隔絶した生活を送る老作家ウィリアム・フォレスター(ショーン・コネリー)とバスケットが上手く、文才に長けている高校生ジャマール・ウォレスの出会いと別れを描いている。

優しく心に語りかけるようなストーリーで、高校生に降りかかる理不尽なトラブルに、悩みながらも毅然と立ち向かう高校生ジャマールを、オーディションで役を射止めたロブ・ブラウンが爽やかに演じている。(その後も、映画等で活躍中)

論文が上手すぎるということで、盗用だと決めつけ、権力を傘に着て糾弾しようとするクロフォード教授(F・マーリー・エイブラハム)やスペンス博士(マイケル・ヌーリー)に対し、ジャマールは(チームの勝利に貢献したら、審問会は不問にするという条件を提示する)フリースロー2本を入れるとチームが、勝利するというバスケット決勝戦の場面で、敢えて失敗するエピソードは、理不尽な権力には屈しないというジャマールの意志の強さを感じさせ、素晴らしい場面となっている。

このエピソードは、人生の過程の中で降りかかる様々な困難を象徴するエピソードとして描かれているようで、この作品の主要なテーマともなっている。

思い込みで先入観を優先させる大人(親と子供にもある問題だが)、権力を振りかざす大人、そういう大人を代表する人物としてシンボリックに描かれる、クロフォード教授を名優F・マーリー・エイブラハムが、演じていてさすがの演技を見せる。ショーン・コネリーとエイブラハムは、中世修道院を舞台とした殺人事件の謎を解く物語を描いた名作「薔薇の名前:Le Nome de la Rose」でも共演しており、名優が再び共演、演技の火花を散らしている。

ウィリアム・フォレスターは、癌でなくなるのだが、ジャマールへ託した手紙の中で、新たな人生を旅させてくれた感謝を述べる。フォレスターの作品の序文にジャマールの文章を挿入し、共著という形で次作を残し、ジャマールへの感謝を表す。

フォレスターの財産等の管理をする弁護士事務所の弁護士に、ガス・ヴァン・サント監督作品への出演作品の多いマット・ディモンが、カメオ出演している。
ガス・ヴァン・サント監督は、「グッド・ウィル・ハンティング:Good Will Hunting」で、注目を浴び「エレファント:Elephant」「ミルク:Milk」等の名作を発表している監督である。

マーティン・ブレスト監督アル・パチーノ主演「セント・オブ・ウーマン:Scent of a Women」を思い出すような作品で、世代を超えて楽しめる上質な作品である。

“毎日が映画日和” 100点!!(渋~いショーン・コネリーの魅力に満点)


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無法松の一生(稲垣浩監督+三船敏郎) [見よ!!三船敏郎]

☆無法松の一生(稲垣浩監督+三船敏郎)
(1958年製作、稲垣浩監督、脚本:稲垣浩、伊丹万作、音楽:團伊玖磨
撮影:山田一夫、原作:岩下俊作
三船敏郎、高峰秀子、茶川比呂志、笠智衆、飯田蝶子、田中春男、宮口精二、多々良純、土屋嘉男、左卜全、有島一郎、中村伸郎、中北千枝子、上田吉次郎
稲葉義男)
   
名作日本映画再発見の1本!!(三船敏郎を見よ!!)
1943年に稲垣浩監督が、監督した坂東妻三郎主演「無法松の一生」のリメイク版である。
前作が検閲によるカットが多かったこともあり、伊丹万作の脚本になるべく忠実な作品を作りたかったと稲垣浩監督は述べている。

主演は三船敏郎、その役作りには、凄味さえ感じる俳優で、今作も三船敏郎渾身の演技で、無法松を演じている。豪放磊落、粗野で無学だが、やさしさの溢れる心遣いと気風の良さは九州男児の典型のようにイメージされ熱演を見せる。

映画は、子供を助けた縁で、自宅へ呼ばれるようになった無法松と陸軍大尉吉岡(芥川比呂志)の束の間の交流と吉岡急死後に残された未亡人良子(高峰秀子)と幼い息子敏雄への献身的な愛情を描いている。

原作は、九州小倉市出身の小説家岩下俊作の1939年発表の小説「富島松五郎伝」で、数々の映画化、テレビドラマ化、舞台化がなされている。
この映画は、第19回ベネツィア国際映画祭で、グランプリ(金獅子賞)を受賞している。(日本映画のグランプリ受賞作品は、「羅生門:1951年」「HANA-BI:1997年」の3作品となっている。)極めて日本的なテイストの題材ながら、世界を代表する映画祭で、グランプリを受賞したということは、快挙といってもいいだろう。

映画を通して描かれる無法松の吉岡親子への献身的な姿は、最近見る事が少なくなった無償の愛情に他ならず、頼まれたらとことん面倒を見るその姿に、涙失くしては観られない。
亡くなった後の遺品を開けてみると、未亡人と息子へ預金通帳を残し、奥様から頂いたさまざまな御礼も封を開けずそのまま保管してある場面は、涙溢れる感動的なシーンである。
全編を通して、セットの街並みの風情が素晴らしく、美術や装飾などのバックヤードのスタッフが素晴らしい仕事をしている。
日本映画のこの素晴らしい伝統や技術は、どこにいったのだろうか。

売らんがためのCG満載の映画や、脚本の未熟な作品が多く、20歳未満のファンのために迎合するボーイ・ミーツ・ハー的作品の多さに、辟易する最近の日本映画界に、そろそろ警鐘を鳴らす時期なのかも知れない。

このままでは、映画館に足を向ける熟年層はどんどん減少するだろう。
これから、人口減少が加速し、特に若年層が減少する事を考えると、大人向けの映画をしっかり製作していく必要があるのではないだろうか。
製作会社や製作者の奮起を期待したい。

それにしても、高峰秀子の気品溢れる演技はどうだろうか、今の女優には見いだせない芯の強さと内面から滲み出る教養というか知性というか、品格を感じる。
三船敏郎は、映画の中で博多祇園太鼓を披露する場面のため、撮影所に朝早く来て太鼓を敲く練習をし(後年関係者がインタビューで語っている)、見事なバチさばきを見せている。役柄に対し真摯に取り組む三船敏郎という俳優の全編を通して描かれる“魂の演技”を、是非観て欲しい。

ベネツィア映画祭のグランプリ受賞は、三船の演技なくして獲得できなかったことは、映画を見れば一目瞭然である。(同じくグランプリ受賞黒澤明「羅生門」も三船敏郎主演である)

(三船敏郎の映画界及び日本国への功績と貢献は、「用心棒」「椿三十郎」のブログの口述として記しているのでご参照下さい。)

”毎日が映画日和“ 100点(この無償の愛に満点!!)



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アリババと40人の盗賊「All Baba and the Forty Thieves」 [家族で楽しむエンターテイメント作品!!]

☆アリババと40人の盗賊「Ali Baba and the Forty Thieves」
(1944年製作、監督:アーサー・ルービン、脚本:エドモンド・L・ハートマン、撮影:ジョージ・ロビンソン、ハワード・グリーン、音楽:エドワード・ワード 
マリア・モンテス、ジョン・ホール、ターハン・ベイ、アンディ・デヴァイン
カート・カッチ、フランク・バリア、モローニ・オルセン、フォーチュナ・ボナノヴァ)
   
イスラム世界に伝わっている物語で、良く知られている物語だが、さまざまな資料を参考にする限り、「アラビアンナイト」の原本には、収録されていない物語とのこと。ちょっと意外だが、この物語が、何故「アラビアンナイト」に収録されるのかは、良く解らないというのが、真相のようだ。

映画は、モンゴル王フラグ・カーン(カート・カッチ)が、バグダットを攻め
ハッサン王は、臣下のカシム(フランク・バリア)の裏切りで殺され、息子アリ(ジョン・ホール)を急遽、海中へ逃がす。
アリは、逃げる途中、秘密の洞窟の所在を知り、首領がババという人物の盗賊団に救われ、子供として育てられる。10数年後若き盗賊団の首領として育ったアリババは、モンゴル王カーンの許嫁アマラ(マリア・モンテス)と出会った際に、罠に陥り捕えられる。

アリを救いに来た盗賊団は、無事救出するものの、育ての親ババは、敵兵の刃に倒れ、亡くなってしまう。
ここから、大活劇が始まり、子供の頃二人が誓い合った思い出がよみがえるというストーリーのファンタジー作品で、70年前以上の作品だが、とっても面白く家族で楽しめる作品となっている。

アリ役のジョン・ホールとアマラ姫役(マリア・モンテス)は、「アラビアンナイト:Arabian Night」でも共演しており、息の合ったところを見せている。
セット撮影と合成画像、ロケーション撮影を上手く組み合わせ、楽しさ溢れる作品となっている。
ディズニーあたりで、再映画化をしてほしいような作品である。

“毎日が映画日和” 65点


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北西戦線「North West Frontier」 [通好みの渋い戦争映画]

☆北西戦線「North West Frontier」
(1959年製作、J・リー・トンプソン監督、脚本:ロビン・エストリッジ
撮影:ジェフリー・アンスワース、音楽:ミッシャ・スポリアンスキー
ケネス・モア、ローレン・バコール、ハーバート・ロム、I・S・ジョハール
アースラ・ジーンズ、イアン・ハンター)
    
拾い物の戦争アクション・サスペンスで、1905年のインドの小国を舞台としている。
1959年の製作、スケールの大きな迫力満点のシーンが随所に展開され、見応え十分の作品だった。

マハラジャの王子の護衛を頼まれた英国軍人スコット大尉(ケネス・モア)が、敵陣を突破し、カラプールへ無事王子を送り届けるという脚本で、ある種冒険サスペンス物となっている。
流石は、J・リー・トンプソン監督で、脚本家出身らしく巧みなストーリーテイラー振りを見せている。(名作「ナバロンの要塞:The Guns of Navarone」の前作)

叛乱軍に襲われたマハラジャの宮殿から、王子を伴った少数の人間達が密かに脱出する。山岳の宮殿の脱出に成功した大尉の一行は、王子をデリーまで逃がす為、途中のカラプールまで護送を総督から命じられる。

最終列車は、出発した後で、使用していない機関車(古いおんぼろ機関車ヴィクトリア号)で、カラプール目指して出発をしようと計画する。
出発に際しても、失敗すると命取りの冒険がスタートする。
敵に囲まれているため、坂道を利用し、その加勢で敵の囲みを突破しようというもので、決死の脱出劇が始まる。

乗員は、王子の家庭教師キャサリン(ローレン・バコール)、新聞記者バン(ハーバート・ロム)、総督の妻ウィンダム夫人(アースラ・ジーンズ)、武器商人(ユージン・デカーズ)、初老の紳士等で、他には大尉の部下2名と機関誌のインド人グプタ(I・S・ジョハール)等である。ハラハラ、ワクワク感がとても良い。

追いかける騎馬兵たちの多いこと多いこと、スケールもかなりのもので、途中駅での惨殺場面や、亡くなった人間達の間から、生まれたばかりの赤ちゃんを助け出すあたりなど、味付けも程よく利いている。

クライマックスは、記者バンが、実はイスラム教徒で、密かに王子の命を狙っていたということで、いくつかの伏線が描かれ(水小屋でのポンプシーン、鉄橋を渡る際のシーン等)、爆破された鉄橋を渡る危険なシーン(合成撮影)を突破するとバンは、本性を表し、王子を殺害しようと機関銃を発射するが、大尉の活躍で乗員は無事難を逃れ、屋根の上で格闘となり、間一髪大尉の危機に、キャサリンがバンを撃ち殺し、バンは列車から落ちていく。

最後、再び反乱軍に襲われるが、何とか追撃を振り切り、無事カラプールの駅に到着する。なかなか手の込んだ脚本と撮影で、活劇アクションとして申し分ない面白さである。

主演のケネス・モアは、ヘンリー8世統治化の政治家トマス・モア(「わが命つきるとも:A Man for All Seasons」の子孫とのことで、びっくり。確かな演技力と海軍従軍6年間の経験を活かした軍人役が多かった俳優である。今作品でも、実直な軍人を演じ、好感が持てる演技を見せている。

ローレン・バコールは、いうまでもなく、ハンフリー・ボガード夫人として良く知られる女優で、独特の表情とハスキーボイスが特徴、ロマンチックな恋愛映画というよりは、サスペンス映画が良く似合う女優だった。
インドの王子の家庭教師役としては、勇ましすぎるがこの作品には、その勝気そうな雰囲気が良く合っている。
話題にする人もいないと思われる映画だが、今作品の様な、面白い映画を沢山紹介していきたい。英国時代のJ・リー・トンプソンの映画は、面白い!!

“毎日が映画日和” 80点

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星に想いを「IQ」 [心あったまるハートフルな作品!]

☆星に想いを「I.Q」
(1994年製作、フレッド・スケピシ監督、脚本:アンディ・ブレックマン
音楽:ジェリー・ゴールドスミス、ダニー・マイケル、撮影:イアン・ベーカー
ティム・ロビンソン、メグ・ライアン、ウォルター・マッソー、スティーブン・フライ、チャールズ・ダーニング、ルー・ジャコビ、ジーン・サックス)
   
「ミスター・ベースボール:Mr.Baseball」「ロシア・ハウス:The Russia House」「愛しのロクサーヌ:Roxanne」等の作品で知られるフレッド・スケピシ監督のハートフル・コメディである。

ティム・ロビンスが主人公となる自動車整備工場で働くエドを演じている。
一目ぼれしたキャサリン(メグ・ライアン)へ、忘れて行った時計を届けることで、有名な科学者アインシュタイン(ウォルター・マッソー)と知り合うことになる。

教授仲間のネイサン・リープクネヒト、ボリス・ポドルスキー、カート・ゴデルの4人は、エドの人柄にほれ込み、何とかキャサリン(お宅系の教授と婚約中)への想いを遂げさせようと、核物質を融合させた燃料で月へロケットを飛ばすという、架空の研究論文(名も無い、学歴も無い科学マニアの整備工が)を発見したと発表する。(アインシュタインの昔の研究論文を引用したものだった)
ソ連と宇宙戦争の開発に力を入れていた、アイゼンハワー大統領までもが、エドを訪ねてくる騒ぎとなるが、嘘はばれて、エドはキャサリンの前から去って行く

最後まで、4人の科学者達のいたずらが功を奏し、車の故障でエドの前に姿を現したキャサリンは、運命的なものを感じ、2人でほうき星の流れる満点の星空を見上げ、愛を確認するという物語。

アインシュタインを演ずる、ウォルター・マッソーが、とにかく面白くて素晴らしい演技を見せる。ベテランの味を堪能させてくれるのだが、コメディだけでなく、犯罪物や刑事物など活躍の幅は広く、さまざまな作品で芸達者振りを見せている。(「突破口:Charley Varrick」は必見!!)

ティム・ロビンスは「ショーシャンクの空に:The Shashank Redemption」で感動を呼び、「ミスティック・リバー:Mystic River」では、アカデミー賞助演男優賞を受賞と輝かしい実績を誇る俳優で、監督作品も3作公開されている。

メグ・ライアンは、1980年代半ばから90年代は、恋愛映画の達人とも言われた売れっ子女優で、この作品もそういう時期の1本である。
代表作には「恋人たちの予感:When Harry Met Sally」「めぐり逢えたら:Sleeoless in Seattle」「フレンチ・キス:French Kiss」等がある。気さくな隣のおねえちゃん的なキュートな風貌と愛くるしい笑顔が人気を呼んだが、最近映像で見ることはほとんどない。(まだ50代前半で老け込む歳ではないのだが、、、)
ハートフルな恋愛劇を、楽しむ作品で、デートにはぴったりの映画だろう。

“毎日が映画日和” 70点


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眠狂四郎炎上剣(第5作) [市川雷蔵の多彩な表情を知る]

眠狂四郎炎上剣(第5作目)
(1965年製作 三隅研次監督、脚本:星川清司、撮影:森田富士郎
音楽:斎藤一郎 原作:柴田錬三郎
市川雷蔵、中村玉緒、姿美千子、中原早苗、西村晃、阿部徹、伊達三郎、木村玄、小桜純子)
    
柴田錬三郎が、週刊新潮で1956年から「眠狂四朗無頼控」の連載を開始。この映画は、1963年から全16作制作された市川雷蔵主演「眠狂四朗」シリーズの5作目。

市川雷蔵本人が、眠狂四朗といっても過言ではないような、はまり役で一世を風靡した当たり役。
海賊の財宝を隠し持つ鳴海屋(西村晃)と秘密を知る海賊の残党を抹殺しようとする江戸家老将藍(阿部徹)の企みを阻止する狂四朗の活躍を描く。

ぬい(中村玉緒)の仇討ちに手を貸したばかりに陰謀の渦の中に飛び込んで行く狂四朗が、ニヒルでシニカルなヒーローを演じ秀逸である。雷蔵のイメージもあるが、品のある美しいヒーロー像を創り挙げたことは賞賛に値する。

円月殺法を操り、並み居る強豪を打ち破るその姿に雷蔵以外の狂四朗は考えられない。
(過去には、鶴田浩二、田村正和、松方弘樹、片岡孝夫等が演じた)
炎情剣では、中村玉緒に妖艶な悪女を演じさせ、小桜純子の上半身入れ墨女性を演じさせ、姿美千子に清純な仲居役を演じさせている。

阿部徹、西村晃両名は悪役では、定評がありその個性が際だっている。
剣客に凄味がないのがちょっと残念だが、十分楽しめる作品となっている。

当時は、全て2本立てで上映されたため、83分という上映時間だが、短いせいで無駄が省かれすっきりしている。(併映は、田宮次郎主演「ごろつき犬」)

“毎日が映画日和” 70点




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眠狂四郎女妖剣(第4作) [市川雷蔵の多彩な表情を知る]

眠狂四朗女妖剣(第4作目)
(1964年製作、池広一夫監督、脚本:星川清司 撮影:竹村康和、音楽:斎藤一郎     市川雷蔵、城健三郎(若山富三郎)、藤村志保、久保菜穂子、根岸明美、春川ますみ、小林勝彦、中谷一郎、浜村純、稲葉義雄)
        
狂四朗シリーズの中では、娯楽映画として評価の高い作品。
キリシタンを摘発させるかわりに抜け荷を多めに観させる商人とご典医が組んで、甘い汁を吸うという良くあるパターンで、被害妄想気味の姫君も絡んで、狂四郎の円月殺法が冴える。

冒頭の大奥のアヘンによる惨殺、牢獄の宣教師を兄のために全裸となって処女の身体を捧げる町娘(藤村志保)、夫に雷蔵を惨殺せんと身体を武器に近づく鳥追い女(春川ますみ)、媚薬を使って男女を悦楽の世界に誘う謎の巫女(根岸明美)、聖女の姿に女の欲望を隠すキリシタンの尼僧(久保菜穂子)等が徹底した娯楽作品にするために盛り上げる。

久保菜穂子が、尼僧姿で画面に出てきたときの綺麗なこと。女優はやはり違う。春川ますみが、妖艶な姿を披露しているのがうれしかった。
敵役は、中谷一郎で、鎖分銅を武器に狂四郎に迫るがちょっと役不足。
「眠狂四郎殺法帖」以来となる宿敵少林寺拳法の使い手陳孫〈若山富三郎)とは、決着が着かず陳孫は戦いの途中海へ飛び込む、これはこの後の作品でも陳孫を出演させようとのことだろう。結局、市川雷蔵の死去で決着はつかないままで終わっている。
(その後東映で、「極悪坊主」シリーズ1969年~1971年で少林寺拳法と空手の壮絶な戦いを菅原文太相手に、主演している。全く違う作品で役名も違う。主人公のキャラクターが好きで、友人と映画館で楽しんだ作品である。オリジナルは、眠狂四朗にあったということである。)

本来の眠狂四郎の持つ、怪しげな女達、悪巧みの幕閣や商人、健気な町娘などが、映画に上手く構成されていて、楽しめる作品となった。
*うらやましいのは、封切り当時併映作品が「座頭市血笑旅」だった。

“毎日が映画日和” 75点


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眠狂四郎円月斬り(第3作) [市川雷蔵 眠狂四郎登場]

眠狂四郎円月斬り(第3作目)
(1964年製作、安田公義監督、脚色:星川清司、撮影:牧浦地志、音楽:斎藤一郎、原作:柴田錬三郎
市川雷蔵、浜田ゆう子、東京子、丸井太郎、佐々木孝丸、伊達三郎、成田純一郎、植村健二郎、水原浩一、毛利郁子、若杉曜子)
   
眠狂四郎シリーズ第3作目である。
将軍の宿した妾腹の子の野望を打ち砕く作品で、狂四郎特有の隠れキリシタンに関係するエピソードや怪奇的な残忍さやエロチックさは、未だ反映されていない。

将軍家斉の妾腹の子、片桐高之は、密かに次期将軍の座を狙っていたが、幕府は、その行状を知り厄介者扱いをしていた。
片桐は、名刀を収集しては、試斬りで農民を殺害していたが、たまたま、現場に居合わせた狂四郎は、父親を殺された太十(丸井太郎)と出会い、父親の無念を晴らしたいとの思いを知る。

現場にいたことで、片桐家に狙われることにもなるが、狂四郎の愛刀無双政宗に眼をつけた片桐は、剣を手に入れようと狂四郎を襲う。
豪商山崎屋(水原浩一)は、娘小波を将軍の妻としたいとの思いから片桐家に経済的な支援を行っていたのだが、狂四郎は小波を襲い犯す。

前半のストーリーを書き連ねたが、この後太十の命と引き換えに無双政宗を手放し、囚われの身となるが、犯され憎んだはずの狂四郎に秘かに思いを寄せる小波に助けられ、愛刀を取り戻した狂四郎の円月殺法が、悪の野望を打ち砕くというストーリー。

大映の名脇役、伊達三郎が、手裏剣の名手むささびの半蔵に扮し出演。
この時期の「座頭市」シリーズや「眠狂四郎」シリーズには、ほとんど顔を出している。豪商に扮した水原浩一も良く見かける俳優で、五味龍太郎、木村玄などとともに、大映映画を支えた俳優達である。

眠狂四郎シリーズは、この作品以降どんどん通常の時代劇とは、一線を画し、よりエロチックに、より猟奇的な魅力を発揮していく。
大映の生んだ異色の時代劇で、異才を放った。
主演の市川雷蔵の役作りが、独特のクールさを醸し出し何とも言えぬ男の色気を発散する。

“毎日が映画日和” 65点


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眠狂四郎勝負(第2作) [眠狂四郎個性が確立]

眠狂四朗勝負(シリーズ2作目)
(1964年製作 三隅研次監督、脚本:星川清司、撮影:牧浦地志、音楽:斎藤一郎、原作:柴田錬三郎
市川雷蔵、高田美和、藤村志保、久保菜穂子、加藤嘉、須賀不二男、五味龍太郎、丹羽又三郎)
       
1960年代映画がまだ大衆娯楽の一翼を担い、人気も高かった頃の痛快時代劇。
脚本が良く出来ていて、全体の構成力、演出力が優れている作品。
座頭市シリーズや子連れ狼シリーズなども手懸けた、プログラムピクチャーの名匠三隅研次監督渾身の娯楽作。

加藤嘉演ずる勘定奉行と狂四郎の友情にも似た交流が良い。高田美和演ずるそばやの娘つやが、爽やかで可憐。捕えられた外国人宣教師の夫を救おうと用人、主膳に協力する藤村志保のか細さと我儘で勝気なお姫様を演ずる久保菜穂子の高飛車な態度も好対照で面白い。
主膳演ずる須賀不二男が、凝った役作りで存在感抜群の演技を見せている。
惜しむらくは、剣客達にもう一つ凄味がないのが残念。

映画の冒頭、健気な子供のエピソードから知り合う老人と狂四郎の出会いのシーンがまた良い。
この2作目で、市川雷蔵の眠狂四郎の人物像のイメージが完成したのではないだろうか。
市川雷蔵は、歌舞伎役者から俳優に転身し、37歳で亡くなるまで大映のエースとして君臨、数々の傑作、名作を残している。

眠狂四郎シリーズは、12作制作され円月殺法で剣豪ブームを巻き起こしたほど。
「陸軍中野学校」シリーズ、「若親分」シリーズ、「忍びの者」シリーズなど多くの娯楽作品の他、溝口健二監督「新・平家物語」、市川昆監督作品「炎上」、「ぼんち」等の文芸大作にも出演し俳優としての確固たる地位を築いた。

転びバテレンと日本人の混血という出生の秘密が、その風貌と相まってミステリアスな雰囲気を醸しだしている。時代劇の魅力満載の映画で、82分間という短い上映時間ながら、楽しいひと時を過ごせた。
“毎日が映画日和” 70点



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眠狂四郎殺法帖(第1作) [市川雷蔵 眠狂四郎登場]

☆眠狂四郎殺法帖(第1作目)
(1963年公開 田中徳三監督、脚本:星川清司、撮影:牧浦地志、音楽:小杉太一郎、原作:柴田錬三郎    
市川雷蔵、城健三郎(若山富三郎)中村玉緒、小林勝彦、伊達三郎、木村玄、扇町景子、沢村宗之助)
       
記念すべき眠狂四郎第1作。
柴田錬三郎の描く主人公のダンディズムと、異国情緒漂う雰囲気、エロチシズムが人気のシリーズで12本制作された人気シリーズだった。市川雷蔵が亡くなったために製作が中止されたのは、誠に残念。(後に、松方弘樹主演で制作されたが2作で終わった)

転びバテレン(信仰を裏切る宣教師)とキリシタンの母の子として産まれたというキャラクター設定で、後の作品に良く見られる隠れキリシタンのエピソードや、狂四郎の出生の秘密に迫る様なストーリーは、まだ描かれていない。

前田藩の藩主前田公(沢村宗之助)と豪商銭屋五兵衛(伊達三郎)の密貿易に絡む陰謀を暴く、狂四郎の活躍を描いたこの作品は、実の娘でありながらその事実を隠されたまま前田公に使える千佐(中村玉緒)とのほのかな恋心や復讐を誓う少林寺拳法の使い手陳孫(城健三郎)との対決も交え、快調な娯楽時代劇となっている。

大名行列や修行僧のシーンなど時代劇らしい雰囲気作りもなかなかで、時代劇の定石を踏まえた作品となっている。
人気を博したおどろおどろしい残虐シーンや出演女優陣によるエロチシズム溢れる世界観は描かれておらず、どちらかというと東映時代劇の片岡千恵蔵の大岡越前や市川歌右衛門の旗本退屈男(早乙女主水助)路線を踏襲するような感じである。

千佐の出生の秘密や密貿易の証拠が隠された仏像の謎を中心に描かれている。眠狂四郎のクールなキャラクターはこの作品からも十分感じられるが、キャラクターが際だってくるのは2作目以降となる。
陳孫は、「第4作女妖剣」にも出演するが、結局最後まで決着は付かなかった。
(城健三朗は、東映で似た様な作品「極悪坊主」シリーズに主演している。)
このシリーズは、常連女優の出演が多く、久保菜穂子4本、藤村志保4本、中村玉緒2本、水谷八重子2本、高田美和2本準主演で出演している。
この作品のヒロインは、中村玉緒で初々しい可愛いさが(最近のテレビ出演時とのギャップ)信じられない。円月殺法の誕生について描かれている場面がある。眠狂四郎ファンは必見の映画である。

“毎日が映画日和” 70点 


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