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駅ーStation- [高倉健の魅力!!]

☆駅―Starion-(降旗康男監督+高倉健)
(1981年製作、降旗康男監督、脚本:倉本聡、撮影:木村大作、音楽:
宇崎竜童
高倉健、倍賞千恵子、いしだあゆみ、古手川裕子、烏丸せつ子、北林谷栄、
大滝秀治、田中邦衛、小林念侍、宇崎竜童、室田日出男、名古屋晃、小松政夫佐藤慶、寺田農、織本順吉、永島敏行、根津甚八、武田鉄也、平田昭彦、
池部良)
   
日本名作映画の1本!!
北海道を舞台に1968年~1980年までの、メキシコオリンピック射撃
選手の三上刑事(高倉健)と事件に関わる女性たちを綴る名作である。

詩情溢れる美しい北海道の景色と、四季折々の北海道の景観を取り入れた木村大作撮影監督の熟練のカメラワークが、素晴らしい。
劇中挿入される「舟歌」も話題となったが、出演も兼ねる宇崎竜童の奏でる音楽も美しく優しい旋律を聞かせてくれる。

北海道の銭函、南砂川、増毛等の小さな駅を物語の中心に据え、
銭函駅:妻との別れ(直子:いしだあゆみ))、南砂川駅:殺人犯の兄を庇う揺れる妹の想い(すず子:烏丸せつ子)、増毛駅:指名手配の男を庇いながら新しい男に心惹かれる居酒屋の女将(桐子:倍賞千恵子)と殺人事件を絡めながら描いていく。
倉本聡のちょっとほろ苦さを感じさせるストーリー(「(1978年)冬の華」以来の降旗康夫監督、高倉健主演作品)は、セリフで多くを語らないスタイルが、「冬の華」同様貫かれている。

1968年:三上刑事の上司相馬(大滝秀治)が、留萌での検問中撃たれ死亡する事件が、1980年正月明けに増毛で解決する、また銭函駅で1968年、妻直子と別れるシーンがとてもせつなく、いしだあゆみの演技も素晴らしく忘れ難いシーンや、帰郷した故郷を船で離れるシーンのおかあさんの見送るシーン、別れた妻と久し振りに電話で会話するシーンも余韻が残るシーンで、倉本聡らしい巧みな脚本作りで、倉本聡らしい雰囲気が出ている。

降旗康夫監督は、東映時代「網走番外地シリーズ」等から、高倉健の後期の作品を含めると、20作品の監督を務めており、高倉健を最も良く知る監督であろう。
この時期の高倉健は、心・技・体、絶頂期で大作映画に連続出演、大物俳優としての貫禄も十分で、出演作品も見応えある作品が揃っている。

制作当時50歳と人生のほろ苦さを感じさせる陰影表現も見事で円熟期の演技を見せてくれる。
多くのキャストは、高倉健作品ではお馴染みのメンバーたちである。(大滝秀治、田中邦衛、小林念侍、倍賞千恵子、いしだあゆみ等々)
高倉健ファンは必見の映画!!

“毎日が映画日和” 90点


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エリザベス「Elizabeth」 [重厚な史劇サスペンス]

☆エリザベス「Elizabeth」
(1998年製作、シェカール・カブール監督、脚本:マイケル・ハースト
音楽:デヴィッド・ハーシュフェルダ―、撮影:レミ・アデファラシン
ケイト・ブランシェット、ジョセフ・ファインズ、ジェフリー・ラッシュ
リチャード・アッテンボロー、クリストファー・エクルストン、フアニー・アルダン、ヴァンサン・カッセル、ジョン・ギールグッド、ダニエル・グレイブ
エミリー・モーティマー、エドワード・ハードウィック)
   
ヴァージン・クイーン「エリザベス1世」(1558年~1603年)の誕生と絶対君主として君臨していくエピソードを綴る大作である。

宗教的対立、スコットランドに君臨するメアリーとの対立、フランスとスペインからの圧力、国内諸侯からの女性ということに対するねたみと政権転覆の野望にさらされる女王エリザベスが、危機を乗り越え、基盤を固めてゆく過程を、サスペンスフルに描いた見応え十分の歴史劇で、アカデミー賞7部門でノミネート、「作品賞、主演女優賞、美術賞、撮影賞、衣装デザイン賞、メイクアップ賞、劇映画音楽賞」メイクアップ賞を受賞している。

出演者が凄い、エリザベス1世には、ケイト・ブランシェット、エリザベスが愛した男にジョセフ・ファインズ、エリザベスを支える警護隊長ヴォルシンガムにジェフリー・ラッシュ、エリザベスの助言を与える秘書長官セシルにリチャード・アッテンボロー、ローマ教皇にジョン・ギールグッド、謎の僧侶にダニエル・グレイブ、メアリー王女にファニー・アルダン、他にヴァンサン・カッセル、エミリー・モーティマー、など堂々たるキャスティングである。

中でも、ジェフリー・ラッシュの存在感が素晴らしい、流石はベテラン俳優、この人はどんな役柄でも、存在感が際だつ俳優で、出演映画が注目される俳優でもある。今や、007シリーズジェームズ・ボンド役で人気絶頂のダニエル・グレイブが、謎の僧侶役で出演、30歳の若々しい姿を見せている。

ケイト・ブランシェットは、大女優の雰囲気を漂わせ、多くの作品で数々の賞に輝く演技派女優である。アカデミー賞2度受賞、この作品でもノミネートされている。(英国アカデミー賞、ゴールデングローブ賞主演女優賞他多数受賞)
世界中で人気の「ロード・オブ・ザ・リング」「ホビット」全作品に出演している女優でもある。

シェカール・カプールはインド出身の監督で、「サハラに舞う羽:The Four Feathers」「エリザベス・ゴールデン・エイジ:Elizabeth the Golden Age」などの作品で知られる。この大作を見事な構成力と演出力で、一気に見せる力量は中々の手腕。

多くの古城で撮影されたという宮殿の内部が見事。太い支柱の間を歩くエリザベスや女官たちを真下に映すシーンなど、重厚感溢れる質感が素晴らしい。
舟遊びのシーン、昼と夜間を使い分け、当時の雰囲気を想像させる美術や衣装も素晴らしい。他にもさまざまな、素晴らしい撮影シーンが見られる。

国内で実力者のノーフォーク公やカトリック信者アランデル伯爵などの造反組を処刑し、初々しい女王がさまざまな困難を乗り越え、長い髪を切り白塗りの顔で、生涯を英国に捧げ、英国と結婚すると宣言する場面は、さっさと退官するだろうと見られていた女王から、誰もがひれ伏し認める真の英国女王へと変身する場面でもある。

2007年同じスタッフ、キャストで、続編「エリザベス・ゴールデン・エイジ:Elizabeth:The Golden Age」が、製作されている。

“毎日が映画日和” 90点



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ロビンとマリアン「Robin and Marian」 [映画は最高!!]

☆ロビンとマリアン(オードリー・ヘプバーン+ショーン・コネリー)
「Robin and Marian」
(1976年製作、リチャード・レスター監督、脚本:ジェームズゴールドマン、音楽:ジョン・バリー、撮影:デヴィット・ワトキン
オードリー・ヘプバーン、ショーン・コネリー、ロバート・ショウ、リチャード・ハリス、ニコール・ウィリアムソン、デンホルム・エリオット、イアン・ホルム、ビクトリア・アブリル)
   
夢の様なキャスティングの作品で、大好きな作品。
ショーン・コネリー&オードリー・ヘプバーン、それにロバート・ショウ、リチャード・ハリス、ニコール・ウィリアムソン、イアン・ホルム等々、大好きな俳優達が歴史ロマン大作で共演、夢の様な106分を楽しませてくれる。

ロビン・フッドとマリアンの後日談を描いた作品で、初老のロビン・フッドとマリアンが18年ぶりに再会する。英国では良く知られたバラッド(韻文による歴史物語)で、オードリー・ヘプバーンが、約10年振りに映画出演した作品でもある。

師子王リチャードと共に、十字軍の遠征から戻ってきたロビン・フッドとリトル・ジョン(ニコール・ウィリアムソン)は、師子王リチャード(リチャード・ハリス)が、戦闘で亡くなった後、故郷であるシャーウッドの森へ帰ってくるのだが、そこには、修道士のタック(ロニー・バーガー)や昔の仲間が暮らしていて、再会を喜ぶ。

ロビンは、リチャードの後継者ジョン王(イアン・ホルム)の臣下とはならず、ジョン王からは疎まれラナルフ卿に追われることになる。
シャーウッドの森はノッティンガムの領地で、代官(ロバート・ショウ)は昔のまま健在で宿敵ロビンを倒そうとしていた。

ショーン・コネリーとロバート・ショウと言えば、「007ロシアより愛を込めて:From Russia with Love」で共演、スペクターの殺し屋グラントとジェームズ・ボンドの息詰まるオリエント急行での戦いは、映画史に残る格闘場面であるが、その2人が、13年振りに、再び共演し剣を手に相まみえる。

旋律の美しい、ジョン・バリーの音楽が流れ、きれいな映像が画面をさらに盛り上げる。ロビン、ジョン、タック等仲間はみんな老い、マリアンも老いて、ロビン愛しすぎて、待ち続けることに疲れていた。

代官との壮絶な戦いで何とか勝利したロビンだったが、マリアンの修道院での治療の際、ロビンと生涯を共にしたいとの想いから、マリアンは毒を自ら飲み、ロビンにも飲ませるのだった。
マリアンの意を知ったロビンは、ジョンから弓を受けとり、矢が落ちた場所に二人を弔ってくれと矢を放ち、エンディングとなる。
大好きなオードリー・ヘプバーンとショーン・コネリーが主演の大人の童話を見るようで、楽しいひと時だった。

リチャード・レスター監督は、ビートルズの映画で注目を浴び、「三銃士」「四銃士」「ジャガー・ノート」「スーパーマン:冒険者」「スーパーマン:電子の要塞」等が知られ、「怒りの刑事」では、ショーン・コネリーともコンビを組んでいる。

”毎日が映画日和“ 90点

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ミセス・ダウト「Mrs Doubtfire」 [コメディ映画の傑作!!]

☆ミセス・ダウト「Mrs.Doubtfire」
(1993年製作、クリス・コロンバス監督、脚本:ランディ・メイエムシンガー、レスリー・ディクソン、音楽:ハワード・ショア、撮影:ドナルド・マカルパイン、原作:アン・ファイン
ロビン・ウィリアムズ、サリー・フィールド、ピアース・ブロスナン、ハーヴェイ・ファイア・スタイン、ロバート・プロスキー、ポリー・ホリディ、リサ・ジェイコブス、マシュー・ローレンス、マーラ・ウィルソン、アン・ヘイニー)
 
昨年亡くなったロビン・ウィリアムズの代表作。
妻との溝が深まったことから離婚となり、その狭間で揺れる3人の子供達をどうするかをテーマにした、家族の在り方を考えさせる感動を呼ぶ作品。

クリス・コロンバス監督が1998年に監督した「グッドナイト・ムーン:Stepmom」とは、物語の内容は違うものの、離婚した夫婦の子供達との関わりあい方を描いた作品で、両方の作品を観ると、クリス・コロンバス監督の家族の在り方についての考え方が、良くわかるのではないだろうか。

俳優業で、子供が命と言っても過言ではない父親が、妻との関係に問題があり、仕事を首になったと同時に、離婚訴訟となり子供から離れて暮らすことになる。忙しい妻に変わり、お手伝いさんとして特殊メイクで、変装して子供達を面倒見ることになるというコメディ映画
世界中で大ヒットなり、続編製作の可能性もあった中で、名優ロビン・ウィリアムズが、昨年自殺してしまったのは、何とも口惜しい。

妻役は、サリー・フィールドで、アカデミー賞主演女優賞2度受賞の実績を誇る女優で、ロビン・ウィリアムズの相手役には適役、顔の表情、声の抑揚など解りやすい演技を見せる。3人の子供達が、パパ大好きな子供を演じ、等身大の役柄で、爽やかな演技を見せている。

就職することになるテレビ局のランディ社長にロバート・ブロスキー、ダニエルを助けてくれるメイクアップア-ティストに、ハーヴェイ・ファイアスタン、ミランダを口説こうとするスチュワートには、007でジェームズ・ボンドを演ずる前のピアース・ブロスナンが扮し映画を盛りあげる。

ロビン・ウィリアムズの演技の幅の広さは、以前から知られていたが、この映画では、さまざまな声色を披露し、さらにパワーアップした演技を披露している。(「グッドモーニング・ベトナム」も必見です)

”毎日が映画日和“ 80点


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ファニー・ガール「Funny Girl」 [名作クラシック]

☆ファニー・ガール「Funny Girl」
(1968年製作、ウィリアム・ワイラー監督、脚本:イソベル・レナ―ト、音楽:ウォルター・シャーフ、撮影:ハリーストラドリング、
バーブラ・ストライサンド、オマー・シャリフ、アン・フランシス、ウォルター・ピジョン、ケイ・メドフォード、ジェラルド・モア、リー・アレン)

バーブラ・ストライサンドの圧倒的なパワーに圧倒され、オマー・シャリフの洗練された佇まいに魅了されるミュージカル作品。
ウィリアム・ワイラー監督晩年の傑作である。
バーブラ・ストライサンドは、クラブ歌手からブロードウェイへ、舞台でも演じたファニー・ブライスの役を映画でも演じ、アカデミー賞主演女優賞を受賞している。
トニー賞、エミー賞6回、グラミー賞10回、ゴールデングローブ賞11回、アカデミー賞は2回受賞という輝かしい実績を誇る歌手であり、女優であり、映画監督も作曲も手がけるマルチウーマンでもある。
この作品は、実際にブロードウェイで活躍した喜劇女優ファニー・ブライスの自伝のミュージカルを映画化した作品で、ニック(オマー・シャリフ)との出会いと別れ、ファニーの舞台女優としての成功と家庭生活を描いたクラシックスタイルの名作である。
監督のウィリアム・ワイラーは、アカデミー賞監督賞ノミネート12回、監督賞受賞3回という輝かしい実績を誇るハリウッドの巨匠中の巨匠で、監督賞受賞作品「ミニヴァ―夫人:Mrs.Miniver」「彼らの生涯の最良の年:The Best Years of Our Lives」「ベン・ハー:Ben Hur」の他にも「ローマの休日:Roman Holiday」「おしゃれ泥棒:How to Steal a Million」「大いなる西部:The Big Country」等数多くの傑作、名作がある。
スケールの大きな作品で、ニックの乗船する客船を、タグ・ボートで追いかけるニューヨーク湾や自由の女神像を背景に、引いていくカメラの遠望シーンが素晴らしい。

舞台ステージでの歌唱シーンの伸びのある、迫力さえ感じる歌声は、バーバラ・ストライサンドならではの美しい高音となり、感動を呼ぶ。
圧倒的な迫力の美しい歌唱力は、バーブラの真骨頂で、続編(1975年)「ファニー・レディ:Funny Lady」でも美しい歌声を聞かせている。
劇場主ジーグフィールドを演ずるウォルター・ピジョン、舞台女優にアン・フランシス、母親役にケイ・メドフォード等のベテランも好演、アメリカ国内では、製作費の4倍近い興行成績を残し、続編が製作された。
バーバラ・ストライサンドの歌を聞くだけでも、価値のある作品。

“毎日が映画日和” 85点


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オリエント急行殺人事件「Murder on the Orient Express」 [ググッと胸に迫る大人のサスペンス!!]

☆オリエント急行殺人事件「Murder on the Orient Express」
(1974年製作、シドニー・ルメット監督作品、脚本:ポール・デーン
音楽:リチャード・ロドニー・ベネット、撮影:ジェフリー・アンスワース
原作:アガサ・クリスティ「オリエント急行の殺人」1934年ポワロ8作目
アルバート・フィニー、リチャード・ウィドマーク、アンソニー・パーキンス、ジョン・ギールグッド、ショーン・コネリー、ヴァネッサ・レッドグレープ、ウェンディ・ヒラー、レイチェル・ロバーツ、ローレン・バコール、イングリッド・バーグマン、マイケル・ヨーク、ジャクリーン・ビセット、コリン・ブレイクリー、デニス・クイリー、ジャン・ピエール・カッセル、ジョージ・クールリス、マーティン・バルサム
     
あまりにも有名なアガサクリスティ原作「オリエント急行の殺人」の映画化。
メイキング映像を見ると、アガサ・クリスティは原作の映画化に否定的で、それまでの映画化も嫌いだったということを、孫の男性が語っている。

製作プロデューサーを務めたイギリス女王の従兄弟ジョン・ブラボーン卿が説得したことで映画化に許可が出たとのこと。
クリスティは、考古学者の夫マックス・マローワンと試写にも参加し、満足した様子で(夫と一緒で古いものはいいわ)といったとか。
ジョン・ブラボーン卿は、その後もクリスティ作品をプロデュース(「ナイル殺人事件:Death on the Nile」「クリスタル殺人事件:The Mirror Crack’d」「地中海殺人事件:Evil under The Sun」)している。

5年前の誘拐事件が、事件の根底にあり、複雑なプロットが物語に重厚感を醸し出し、豪華なキャスティングに彩られたアガサ・クリスティーの世界が堪能出来る。

アメリカロングアイランドの富豪で戦争の英雄アームストロング大佐の屋敷から、当時3歳のデイジー・アームストロングが誘拐され、20万ドルの身代金を要求され、死体で発見されるという事件が起こる。ショックを受けたデイジーの母親が出産で男の子を死産、そして自身も死亡した。メイドが共犯者の汚名を着せられ自殺、アームストロング大佐も拳銃自殺を遂げる。
ここまでのストーリーを実写と新聞記事を使い、効果音と映像テクニックを駆使して見せる冒頭が、解りやすく期待を抱かせるスリリングな滑り出し。

5年後、ポワロはイスタンブールで、ロンドンへ帰るためボスボラス海峡を渡るフェリーに乗船していた。ホテルで、オリエント急行の重役ビアンキ(マーティン・バルサム)と出会い、オリエント急行に何とか潜り込む。
乗客が次々と客車に乗り込む場面では、主要なメンバーのイメージを見て取れるような演出が見事で、食材を積み込む場面なども、臨場感が溢れている。
シドニー・ルメット監督が、最も難しかったと語っているオリエント急行の出発場面、ミステリーを乗せて滑り出す。

イングリッド・バーグマンは、オファーされた役(ドラゴノミフ侯爵夫人)を断り地味な宣教師オルソン役を希望し、見事アカデミー賞助演女優賞を獲得、控え目で信仰心の篤い女性を演じた。
ローレン・バコールが、アームストロング大佐夫人の母親で元女優役、アンドレイニ伯爵夫人は、実はアームストロング夫人の妹という設定で、美しさが最高潮のジャクリーン・ビセットが演じている。

ショーン・コネリーが、アームストロング大佐の親友役、アームストロング家のコックだったヒルデガルド役にレイチェル・ロバーツ、運転手役にデニス・クイリー、自殺したメイドの親にジャン・ピエール・カッセル、メイドの恋人だった男性にコリン・ブレイクリー、アームストロング夫人に支援を受け母親の様に慕っていたマックィーン役には、アンソニー・パーキンス、個人教師をしていた女性をヴァネッサ・レッドグレイブ、アームストロング夫人が孫娘だったドラゴノミフ公爵夫人のウェンディ・ヒラー、アームストロング大佐の侍従役だったベドウズ役に、ジョン・ギールグッドと凄い俳優達がキャスティングされている。

殺されるラチェット(ディジー事件の黒幕だったカッセッティというマフィアのボス)役に、リチャード・ウィドマークという配役は、プロデューサーが語るように、製作費の半分は出演料だったというほどの豪華さである。

12人の陪審員による復讐劇で、雪に閉じ込められたオリエント急行内で行われる惨劇ミステリー謎解きの128分は、映画ファンで良かったことを感じる至福の時間である。
制作当時、オリエント急行は運行しておらず、ベルギーの展示館にあった客車を参考に、全て美術スタッフが再現した車内で撮影したとのこと。

映画製作人の、技術と情熱を感じられる作品で、第47回アカデミー賞で6部門ノミネート(助演女優賞受賞)も頷ける力作である。

シドニー・ルメットは、アカデミー賞監督賞ノミネート5回、脚色賞1回の
名匠で、「十二人の恐れる男:12Angry Man」「セルピコ:Serpiko」「狼たちの午後:Dog Day Afternoon」「ネットワークNetwork」「評決:The Verdict」「プリンス・オブ・シティ:Prince of the City」「丘:The Hill」「ファミリー・ビジネスFamily Business」「その土曜日、7時58分:Before The Devil、Knows You’re Dead」等キレのある、時代背景を取り入れた現代劇を得意とした監督で、「オリエント急行殺人事件」では、1930年代の豪華な衣装に身を包み、クラシカルな雰囲気に作品を作りあげ、その力量を存分に発揮している。

良く知られた原作で、ベストセラー小説の映画化は、結末が知られているだけに、観客を飽きさせない脚本、演技力、美術、装飾、照明、音楽等観客の目を捉えて離さない総合的な演出力が必要となるが、シドニー・ルメットの演出力と構成力は、そんな懸念を吹き飛ばす傑作となっている。

ポワロ役のアルバート・フィニーは、王立演劇学校出身で舞台役者として活躍、これまでアカデミー賞主演男優賞・助演男優賞に5度ノミネートを誇る名優である。英国アカデミー賞、ヴェネツィア国際映画祭男優賞、ベルリン国際映画祭男優賞、ゴールデングローブ賞男優賞と評価の高い俳優である。
ポワロ役は、この作品限りとなるが、原作の特徴を捉えた役作りは、秀逸で歯切れの良い、鋭いポワロ像を演じていて、必見である。

“毎日が映画日和” 100点(文句なく満点です!!)


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狼の挽歌「Viorent City」 [若かりし頃のブロンソン]

☆狼の挽歌「Violent City」
(1970年製作、セルジオ・ソリーマ監督、脚本:リナ・ウェルトミューラー、セルジオ・ソリーマ、ジャンフランコ・カルガリッチ、撮影:アルド・トンティ、音楽:エンニオ・モリコーネ
チャールズ・ブロンソン、テリー・サバラス、ジル・アイアランド、ウンベルト・オルシーニ、ミシェル・コンスタンティン)
   
チャールズ・ブロンソンの代表作の1本である。
暗殺のプロ、ジェフ(チャールズ・ブロンソン)が、愛する女性ヴァネッサ(ジル・アイアランド)に、裏切られ、翻弄され、最後は黒幕の弁護士スティーブ(ウンベルト・オルシーニ)とヴァネッサを、ラスベガスのホテル、壁面を上がる屋外エレヴェーターの中の2人を消音ライフルで撃ち殺す(エレヴェーターに弾痕で穴があく効果音が堪らなくクール)スタイリッシュな殺し屋の物語。

製作はイタリアで、この時期ブロンソンは、一挙に主演作品が公開され、特にフランスでの人気が高かったために、ヨーロッパマーケットを中心に、活躍していた。(1970年主演作品「おませなツィンキー:Twinky」「雨の訪問者:Rider on the Rain」「夜の訪問者:De la part des copains」)

1969年出演作品「さらば友よ:Adieu l’ami」で、アラン・ドロンを凌ぐ人気を得、「戦うパンチョ・ビラ:Villa Rides」「ウエスタン:Once Upon a Time in the West」では主演級の扱いを受け、存在感を高めていた時期で、この作品は世界的にヒットし、ブロンソン人気は不動のものとなった。

監督セルジオ・ソリーマのインタビューを観ると、ブロンソンは無口でこの映画にはぴったりの配役だったと述べている。映画が始まって10数分は、全くセリフが無く、ブロンソンのセリフは極力抑えられている。

タイトルクレジットリゾート地は、ヴァージン諸島のセント・トーマス島で撮影され、冒頭の激しいカーチェイス・シーンは、スペインイビサ島で撮影されたとのこと。
カーチェイス・シーンは、迫力あるシーンで、カーチェイスが終わった後の銃撃戦も見応えがあり、ソリーマ監督中々の腕前を見せる。

ヴァネッサの浮気相手だったカーレーサーが襲撃の黒幕と知ったジェフは
アメリカのカーレース出場中のレーサーのタイヤに銃弾を撃ち込み爆破炎上させ報復する。このシーンも、セルジオ・ソリーマ監督の力量を感じた場面である。

殺害現場の写真を撮られたジェフの前に、悪役実力者のウェイバー(テリー・サバラス)が現われ、ヴァネッサは彼の妻となっていた。
ウェイバー、スティーブ、ヴァネッサの3角関係、ジェフとヴァネッサの関係など、ややこしいが、要はスティーブが、絵を書きウェイバーの後釜に収まることを画策していたということで、ウェイバーを殺害したジェフは、裏切りにより警察に追われることとなる。

警察の手を逃れたジェフは、復讐を遂げるべく2人を殺害する。よくあるパターンの物語だが、強烈な個性を発揮する俳優達が、映画に広がりと奥行きを持たせてくれている。安易な描写も見受けられるが、アクション映画としては、なかなか良く出来ている。
ブロンソンは、1972年「メカニック:The Mechanic」でも殺し屋を演じているが、全くタッチの違う映画となっている。

“毎日が映画日和” 85点


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ザ・シューター/極大射程「Shooter」 [手に汗握るサスペンス!!]

☆ザ・シューター/極大射程「Shooter」
(2006年製作、アントワーン・フークア監督、脚本:ジョナサン・レムキン、音楽:マーク・マンシーナ、撮影:ピーター・メンジ―ズ・ジュニア
原作:スティーブン・ハンター(ボブ・リー・スワガーシリーズ)
マーク・ウォールバーグ、マイケル・ペーニャ、ダニー・グローヴァー、ケイト・マーラ、ネッド・ビーティー、ローナ・ミトラ)
     
アメリカ海兵隊武装偵察部隊所属の狙撃手ボブ・リー・スワガー軍曹の活躍を描いたアクション・サスペンスで、マーク・ウォールバーグが、主人公スワガーを演じている。痛快でスカッとする作品。

アフリカのエリトリアで、任務遂行中のスワガーと狙撃手の相棒で、観測手ドニー上等兵は、敵に襲われ救援されず、ドニーはヘリコプターからの銃撃により死亡する。3年後、山中で隠遁生活をしているスワガーの元へジョンソン大佐(ダニー・グローヴァー)が訪れ、大統領暗殺を阻止するため、星条旗のため国のために協力してくれと頼まれる。

遊説中の大統領が最も狙われやすいという場所を特定し、(フィラデルフィア)遊説当日、狙撃を阻止しようとアドバイスする傍らで、ジョンソン大佐を中心とした暗殺犯たちは、スワガーを暗殺犯に仕立て上げようと企んでいた。
暗殺されたのは、エチオピアの司教で、同時にスワガーも一緒にいた警官により撃たれてしまう。

暗殺犯にされかかった理由を暴き、復讐を遂げていく過程が、ダイナミックなアクションとともに展開する。
FBIの新米捜査官ニック・メンフィス(マイケル・ペーニャ)が相棒となり、暗殺の真相に迫り陰謀を暴いていく、ドニーの恋人サラ(ケイト・マーラ)の協力、ニックの同僚アローデス捜査官(ローラ・ミトラ)の協力など美人女優を配したキャスティングなど、ビジュアルも計算に入れた演出は、アントーン・フークア監督の真骨頂だろう。

さまざまな何故?は、あるもののスティーブン・ハンターの原作とは、主人公の年齢はじめ、人物設定が大幅に違っていて、時代背景も違っている。そのため、当然ながら映画オリジナルストーリーとなっている。

エルトリアで、石油基地を作る際、民族紛争で争う部族同士を鎮静化させるため、ジョンソン大佐は、複合企業体と強力に繋がっているモンタナ州選出の上院議員ミーチャム(ネッド・ビーティー)の指示で400人とも言われる村人全員を虐殺し、石油基地の下へ埋めた。その秘密を知るエチオピアの司教から、アメリカ大統領へ漏洩することを恐れ、司教を暗殺するために仕組んだ陰謀だったということが解ってくる。

敵に捕まったメンフィス捜査官を救出するボート小屋での狙撃シーン、おとりとなる元凄腕スナイパーの屋敷で繰り広げられる派手な銃撃戦、雪山でのスリリングな狙撃シーンなど、随所に見所を配した構成も中々で、最後の山小屋で悪の一味(ジョンソン大佐、ミーチャム議員)を粛清するシーンも、ダイナミックに描かれ見応え十分である。

アントーン・フークア監督は、1998年「リプレイスメント・キラー:The Replacement Killers」で監督ビュー以来、コンスタントに作品を発表している「トレーニング・ディ:Traning Day」「キング・アーサー:King Arthur」「エンド・オフ・ホワイトハウス:Olympus Has Fallen」「イコライザー:The Equalizer」等の作品を手懸け、どの作品も一級の娯楽作品となっている。まだ若く、これからも楽しみである。

この作品は、全てにおいて平均点以上だが、キャラクターの個性とか、作品としてのアピールポイントが、もう一つインパクトに欠けたのか、続編を製作して欲しかったのだが、そこまでのヒットとはならなかったようだ。

”毎日が映画日和“ 80点


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忍びの者 [面白時代劇を見逃すな!]

☆忍びの者
(1962年製作、山本薩夫監督、脚本:高岩肇、音楽:渡辺宙明、撮影:竹村康和、原作:村山知義
市川雷蔵、伊藤雄之助、藤村志保、城健三郎(若山富三郎)西村晃、岸田今日子、藤原礼子、加藤嘉、丹羽叉三郎、小林勝彦)
   
日本映画傑作時代劇の1本!!
漫画チックではなく、シリアスタッチのリアリズム溢れる映画とした忍者時代劇の傑作。
久しぶりに鑑賞したが、思っていた以上に楽しかった。
社会派の巨匠山本薩夫監督が、忍術のさまざまな技をリアルに見せてくれた忍者映画の元祖とも言える作品で、当時大ヒットした作品。

百地三太夫、藤林長門守の2役を演じる伊藤雄之助の演技が凄い。
忍者たちの競争心を煽り、信長を暗殺しようと企む、最後は信長に砦を攻められ命を亡くすが、百地三太夫役の演技が特に見物で、凝った役作りで楽しませてくれる。
同じ年、黒沢明の「椿三十郎」でも、飄々としていながら懐の深い城代役を演じていて、芸達者振りを見せている。
多くの巨匠(黒沢明、木下恵介、市川昆、小林正樹、成瀬巳喜男、中村登、川島雄三、増村保造)等の作品に出演、60歳という若さで亡くなった独特の風貌が特徴の俳優だった。

主人公の忍者石川五右衛門を演ずるのは、大映の看板スター市川雷蔵で、権力のため翻弄される若き忍者役、この作品のヒットを受けて、忍びの者シリーズは8作製作され全て主人公を演じている。(主人公の設定は、その都度違う)
クール、ダンディー、ニヒルと、さまざまな形容詞で呼ばれた俳優だが、実生活では、非常にまじめで誠実な人柄だったとのこと、この作品では、そういう一面を見せていて、頭領の妻との不倫に悩み、忍者の宿命に疑問を感じ、新たな生活に踏み出そうとする人間像を演じている。出演時31歳、亡くなる8年前の作品である。

信長の暗殺一歩手前で失敗するのだが、忍者たちのさまざまな武器や術をリアルに映像化している。変身の術、隠れ扉や秘密の逃げ道、まきびしや手裏剣、短剣、すいとんの術、変わり身の術、城郭へ忍び込む際の城壁の登り方、糸を使い毒物を流し込む毒殺方法など、とにかく興味津津である。

岸田今日子が、五右衛門に惚れる頭領の妻役で、演技派女優らしさを見せ、藤村志保が五右衛門の子供を宿す、娼婦上がりだが、初々しい役で出演、西村晃が五右衛門をライバル視する忍者木猿役、五右衛門の見張り役に加藤嘉、織田信長に改名前の若山富三郎(当時は、城健三郎)と錚々たるメンバーをキャスティングし、傑作時代劇となった。それぞれの個性が引き出され、山本薩夫監督も演出冥利に尽きたのではないだろうか。

1940年~70年代まで大映や東映映画の脚本を中心に活躍した脚本家高岩肇の脚本が、抜群に面白い。このような映画は大好きで、シリーズ化された作品も是非観たい。DVDの発売をお願いしたい。
時代劇ファン、必見の映画である!!

”毎日が映画日和“ 85点


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さらば愛しき女よ「Farewell My Lovely」 [極上のミステリー]

☆さらば愛しき女よ「Farewell My Lovely」
(1975年製作、ディック・リチャーズ監督,デヴィット・Z・グッドマン、撮影:ジョン・A・アロンゾ、音楽:ディヴィッド・シェイア、原作:レイモンド・チャンドラー、
ロバート・ミッチャム、シャーロット・ランプリング、ジョン・アイアランド、シルヴィア・マイルズ、ハリー・ディーン・スタントン、ジャック・オハローラン)

   
傑作ミステリー・サスペンスの1本!!
このムード、このタッチ、気だるい音楽が流れるタイトルクレジットから、この映画の虜になること間違いなし。

作家レイモンド・チャンドラーの生んだ私立探偵フィリップ・マーローが活躍する「さらば愛しき女よ:Farewell My Lovely」が原作である。
キレのある鋭いフィリップ・マーローを演じたハンフリー・ボガード「三つ数えろ:The Big Sleep」とは打って変わって、大柄で非情になりきれないウェットな・フィリップ・マーローを演ずるロバート・ミッチャムが、素晴らしい。

人生に疲れ、つまらない人探しにも飽きてきたと漏らす、マーローの疲れた様な気だるい雰囲気作りが、1940年代の時代背景に良くマッチしている。
その反面、捕えられ拷問され麻薬を打たれ、朦朧とする中、気力を振り絞り、脱出を試みるタフネス振りも見せる。
刑務所を出所したばかりの大男のムース・マロイ(ジャック・オハローラン)に、愛した女ベルマ(シャーロット・ランプリング)を探してほしいと頼まれたマーローは、機関銃で襲われても動じないムース・マロイに魅かれ、捜索を開始する。

ヤンキースのジョー・デマジオが、連続ヒットの記録を伸ばした時期の、ちょっと切ないミステリー・サスペンスで、(ハンフリー・ボガードの様なハードボイルドタッチの映画ではない)マーローの優しさを存分に感じられる作品である。
ベルマ役にはシャーロット・ランプリングが扮し、自分を守るため男も友達も裏切り、使い捨てにしていく役柄で、独特の美しさが悪女役に良く似合っている。

暗黒街の顔役ブルーネットを演ずるアンソニー・ザーブは、悪役等で活躍する脇役俳優で、数々の映画で印象深い演技を披露しているし、マーローを信頼し加担する刑事部長役に、大作映画や名作への出演で知られるジョン・アイアランド、ベルマの過去を良く知る飲んだくれのジェシー役は、シルビア・マイルズで、崩れて転落する女性役を見事に表現している。

多くの作品できらりと光る個性を発揮するハリー・ディーン・スタントンは、ブルーネットの情報屋で部長刑事に反抗的な刑事役で、多くの名優たちが勢揃いしている。

ロバート・ミッチャム出演の作品は、大作、名作・傑作が多く、サイコキラーや悪役もできる演技派俳優で、1940年代~1980年代まで活躍したハリウッドを代表する名優。この作品は、彼の代表作の1本となった。

監督のディック・リチャーズは、「男の旅立ち:The Culpepper Cattle Co.」で注目を浴び、「トッツィー:Tootsie」では製作を担当している。作品数は少ないものの、「さらば愛しき女よ」は、ディック・リチャーズのベスト作品だろう。
音楽を担当したディヴィット・シェイア、多くの映画音楽を手懸ける作曲家で、
ムード満点の映画音楽は、この映画のタッチに良く合い素晴らしい。

“毎日が映画日和” 100点(個人的な好みで満点!!)

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