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アナライズ・ユー「Analyze That」 [アメリカンコメディの真骨頂!]

☆アナライズ・ユー「Analyze That」
(2002年制作、ハロルド・ライミス監督、脚本:ケネス・ロナガン、ピーター・トラン、ピーター・スタインフィルド、ハロルド・ライミス、音楽:デヴィット・ホームズ、撮影:ダリン・オカダ、エレン・クルス
ロバート・デ・ニーロ、ビリー・クリスタル、リサ・クドロー、ジョー・ヴィティレッリ、キャシー・モリアーティ)


前作で、絶好調のコンビ振りを見せてくれたマフィアのドンポールと精神科医ソルベの2人が、前作同様のスタッフ(監督・脚本等)で作り上げた続編である。

父親の葬儀途中に連絡が入ったのは、ポール(ロバート・デ・ニーロ)からで、命を狙われているので何とかしてくれとの連絡だった。刑務所暮らしのポールは、相変わらず命を狙われる毎日で、気がふれる寸前を装い、FBIは、ポールがベンの元患者だったこともあり、小心者のベン(ビリー・クリスタル)医師に、精神的な病を治療しながら、保護観察も兼ねて面倒を見るように依頼、ベンの自宅に引き取ることとなる。

この辺の出だしは好調で、精神的に病んでいることを証明するかのように、何故か「ウエストサイドストーリー:West Side Story」の主人公になりきり歌うポールが描かれる。
脇を固めるソルベの妻(リサ・クドロー)は、大したことでは動じない奥様役を演じていて、前作同様サラッと明るいのが良い。
息子役マイケルは、前作で大きな身体がさらに大きくなり、相変わらず憎まれ口を聞く息子役で笑えるし、何と言ってもジェリーを演じるジョー・ヴィテレリが、前作同様この映画に何とも言えないユーモアを醸し出している。

この俳優は、会社経営をしていたところ、50歳を過ぎてからショーン・ペンに口説かれて映画出演したのが最初で、その後マフィア映画の幹部級の役どころとして楽しませてくれた俳優である。惜しいことに、2004年66歳で亡くなったとのことだが、巨体が何ともユーモラスで、この作品でも前作以上に重要な位置づけの役柄となっていて、序列は4番目となっていた。
シュワちゃんの主演作「イレイザー:Eraser」やトム・クルーズ主演の「ザ・ファーム法律事務所:The Firm」で、凄味を聞かせる港湾組合いの幹部やシカゴのマフィアの幹部を演じていたのも懐かしい。最後は、デ・ニーロ、クリスタルと3人で“トゥー・ナイト”を歌い上げるのには驚きである。

作品としては、連邦準備銀行から金塊を盗み、それを敵対する組織の犯行と見せかけることで、ハッピー・エンドとなるが、デ・ニーロとクリスタルの独壇場の映画で、前作と比較すると新鮮味がないのと脚本の出来で劣るものの、楽しい作品だった。
ヤンキースのジョー・トーレ監督が息子とレストランの客としてカメオ出演している。

“毎日が映画日和” 70点



タグ:楽しい作品

アナライズ・ミー「Analyze This」 [アメリカンコメディの真骨頂!]

☆アナライズ・ミー「Analyze This」
(1999年制作、ハロルド・ライミス監督、脚本:ケネス・ロナーガン、ピーター・トラン、ハロルド・ライミス、撮影:ハワード・ショア、音楽:スチャワート・ドライバ-グ、
ロバート・デ・ニーロ、ビリー・クリスタル、ジョー・ヴィテレリ、リサ・クドロー、チャズ・バルミンテリ、トニー・ベネット)
 
1999年アメリカでヒットしたコメディ映画で、「ゴッド・ファーザー:The Godfather PARTⅡ」で、地域のボスに上り詰めるマフィアのボス役で、アカデミー賞助演男優賞を受賞したロバート・デ・ニーロが、再びマフィアのボス役ポールを演じた作品。
パニック障害に陥り、精神科医ベン・ソルベ(ビリー・クリスタル)に治療を受ける騒動を描いた傑作コメディである。

はじめは、迷惑に思っていたベンも、ポールのトラウマの原因が、子供の頃、目の前で父親を殺されたことが、原因だと分ってくると親近感が湧き、何かと相談に乗ってしまう。
折しも、敵対組織プリモ・シンドーネ(チャズ・バルミンテリ)との抗争で頭の痛いポールは、ますますベンを信頼し、相手の都合も考えず呼び出すようになり、ついには結婚式を滅茶苦茶にしてしまう。

すったもんだのエピソードが続き、ベンはFBIからマフィアを一掃するために協力を求められ、隠しマイクを仕込んだりと抱腹絶倒のシーンが続いていく。
何と相談役ということで、マフィアの会合にポールの代理で出席する破目になったりと、良く練られた脚本は、観客を飽きさせない。

最後は、張りこんだ警察にマフィア達は、全員逮捕され刑務所へ入ることとなり、続編へと続くこととなる。
ビリー・クリスタルは、コメディアンとして知られるが、アカデミー賞の司会を9回も務め、映画出演だけでなく、製作・監督脚本も手懸ける才能豊かな芸人である。

ロバート・デ・ニーロは、名優ということは誰でも知っているが、このようなコメディ映画に出演するとは、当時予想外だったのではないか。今やハリウッドの重鎮で、最近は映画に出まくっている。(2012年~13年10本の作品)
当時は、シリアスな重厚な役どころが多かったこともあって、そのギャップの意外性が、人気を呼んだ。

勿論映画も面白く、監督のハロルド・ライミスは「パラダイス・アーミー:Stripes」の脚本や「ゴースト・バスターズ:Ghostbusters」シリーズなどの脚本でも知られ、「恋はデジャ・ブ:Groundhog Day」の監督など一貫してコメディ映画を得意とした。

共演陣も面白く、ベンの結婚相手ローラ(リサ・クドロー)や、敵対するマフィアのボス、プリモ(チャズ・バルミンテリ)達も役作りが見事。特に面白いのはポールの腹心ジェリー役のジョー・ヴェテレリで、観ているだけで面白いし、とぼけた演技が最高!!
何と制作費の5倍以上の興行成績をあげ、続編が製作された。
トニー・ベネット本人が、出演ベンとローラ2人のために唄う場面も出てくる。

“毎日が映画日和” 85点

映画はみんな面白い――455

HANA-BI [タケシ・キタノの優しさあふれる作品]

☆HANA―BI
(1997年制作 北野武監督・脚本・編集・挿入画、音楽:久石譲、撮影:山本英夫、
北野武、岸本加世子、大杉蓮、寺島進、白竜、渡辺哲、薬師寺保栄、大家由祐子、逸見太郎)
   
名作日本映画の1本!!
映像の詩人、北野武監督の感性溢れる心優しい映画。
銃撃シーン、殺戮シーンのスピード感、瞬発力が北野監督の特色で、この映画でも随所に見受けられる。
全編を覆うブルーカラーは、撮影中の偶然の産物と言われているが、間違いなくフランスのジャン・ピエール・メルビルの影響を受けていると思われ、世界的にもキタノブルーとして知られる。
極度に少ないセリフ、見る側に映像を通じて語りかける演出方法は、この映画でも十分に発揮され、「あの夏、静かな海」等の映画にも北野監督独特のタッチが色濃く出ている。

映画に出てくる挿入画が、全て北野監督が描いたとのことで、独特のタッチは芸術性の高さを感じさせ、独特の世界観を生み出している。
凶悪犯を追い詰めながら部下を殺してしまったことや、妻の病院を見舞ったことから、同僚刑事を下半身不随にしてしまったことなどで、警察を退職し、妻のために銀行強盗をしてまで、最後の旅行で妻に尽くそうとする男の物語。

奪った金を亡くなった部下の妻、同僚の刑事へ送り、過去は取り戻せないと知りながら、罪滅ぼしをしようとする。
サングラスの奥から見つめる目は妻に対しては暖かく、ヤクザに対しては冷酷で、両面使い分けるビートたけしの演技力が、秀逸である。

ほとんど言葉を発しない岸本加世子の笑顔が素敵で、最後に話すセリフ、“ありがとう、ごめんね”が、印象的で心に残る。
ところどころで挿入される、ユーモア溢れるシーンの使い方も特徴的で、チェーンを装着するシーンの、水色の手袋が片方雪の中に埋もれているシーンなどつい笑みがこぼれるシーンである。

大杉蓮、寺島進、渡辺哲などのアクの強い俳優達が、印象的な演技を見せている。
ロケ地の風景がとてもきれいなのだが、心の中に隠された心情を表すような、うら寂しい雰囲気が良く出ている撮影で。編集も担当した北野監督のセンスが光る。

ヴェネツィア映画祭金獅子賞受賞(グランプリ)のこの作品は、実に40年振りという快挙を達成し、キタノを世界に知らしめた作品でもある。(日本映画の受賞は1958年「無法松の一生:稲垣浩監督、三船敏郎主演」以来40年振り)

詩情あふれる映画で、このような映画が作れる北野武監督には、是非もう一度世界の映画祭でグランプリを狙ってほしい。

“毎日が映画日和” 90点


ミッション・インポッシブルⅡ「Mission ImpossibleⅡ」 [アクション爆裂!!]

☆ミッション・インポッシブルⅡ「Mission Impossible Ⅱ」
(2000年制作、ジョン・ウー監督、脚本:ロバート・タウン、音楽:ハンス・ジマー、BT、撮影:ジェフリー・L・キンポール
トム・クルーズ、ダグレイ・スコット、タンディ・ニュートン、ヴィング・レイムス、アンソニー・ホプキンス、リチャード・ロクスバーグ、ジョン・ボルソン)

    
スペイン、シドニーを舞台に、ジョン・ウーが監督したIMF所属のイーサン・ハントが活躍する人気シリーズの第2弾。
殺人ウィルス“キメラ”と解毒剤“ベレロフォン”を元IMFメンバー、ショーンとその一味が奪ったことから、奪還の指令を受けたハントと彼の仲間が、活躍するアクション満載の作品。

ジョン・ウー監督らしく、スローモーションの多用、二挺拳銃、戦闘場面を飛び交う平和の象徴白い鳩が、存分に堪能できる。
IMF長官にアンソニー・ホプキンスが扮し、ちょっとだけ顔を見せている。(ノン・クレジット

ヒロイン役のタンディ・ニュートンに、もう一つ魅力が感じられなかったのだが、当時トム・クルーズの奥さんだったニコール・キッドマンの推薦とのこと。華やかさが感じられず、イケメン男2人の狭間で揺れ動くというには、説得力が乏しかったキャスティングである。
各国から指名手配を受けている泥棒ナイアを演じ、元恋人だったショーンのアジトに乗り込み、ハントに協力する。

製薬会社へのスリリングな侵入シーン、激しい銃撃戦、カーチェイス、バイクを使った激しいアクション、延々と続く格闘シーン、聞きなれたテーマソング
快調なテンポで、展開されるサスペンス・アクションだが、どこかで見たことのある様な場面が展開されることも事実で、「Mission Imposshible」本来の持つ、チームワークや敵を罠に陥れるさまざまな偽装工作など、チームとしての活躍が描かれないという不満が残る。

冒頭のロッククライミングのシーンや、バイクシーンなど、トム・クルーズの身体を張った演技は見ものだが、それだけにハントのワンマン・ショーになっている。ルーサーやビリーの場面ももう少し増やし、チームワークを強調する作品としてくれると、本来の「Mission Imposshible」らしくなると思うのだが、、、。

世界的な興行成績では、この年のNO1を獲得している。(5億5千万ドル前後)
第3作、第4作と進むにつれて、見せ場の連続満載の作品となっており、限りなく007に近づいていて、イギリスのM16のチームといっても、何の違和感もないような感じがする。
トム・クルーズも、「ピアース・ブロスナン」がジェームズ・ボンドを演じていた当時、
意識して制作していると発言している。

シリーズの中でも、ジョン・ウー監督のスパイスが、ちょっと風変わりな味付けとなった作品となっている。

“毎日が映画日和” 80点

マイレージ・マイライフ「Up in the Air」 [人生ドラマ]

☆マイレージ、マイライフ「Up in the Air」
(2009年制作、ジェイソン・ライトマン監督、脚本:ジェイソン・ライトマン、シェルドン・ターナー、音楽:ラルフ・ケント、撮影:エリック・スティールバーグ、原作:ウォルター・カーン
ジョージ・クルーニー、ヴェラ・ファーミガ、アナ・ケンドリック、サム・エリオット、ジェイソン・ベイトマン)
     
お薦め映画の1本!!
会社勤務の職員を解雇する専門家の物語で、人間としての生き方を考えさせられる作品だが、タッチはあくまでも軽く、深刻な重たい感じではなくサラッと描かれている。この手の映画を、扇情的に盛り上げられても疲れるだけなので、この軽いタッチが逆に心に響く。

親しい人間関係や家族との関係などを極力避けてきた主人公ビンガム(ジョージ・クルーニー)は、全米の会社から依頼を受け、社員に解雇を通告するいわば「解雇宣告人」で、このような職業があることをを初めて知った。
解雇宣告ばかりではなく、講演の依頼も引き受け、バックパックに入りきらない荷物は持つべきではないと持論を展開する。

空港で知り合ったアレックス(ヴェラ・ファーミガ)とは、大人の割り切った関係を続けており、申し分のない人生のはずだった。
アレックス役のヴェラ・ファーミガが、雰囲気のある魅力的な女優さんで一目で好きになった。

対面で解雇せずネットで解雇をすれば、出張費が削減できると提案する大学を出たばかりの女子社員ナタリー(アナ・ケンドリック)が入社し、社長は早速取り入れようとするが、ビンガムは反対し、解雇というものはそんな甘いものではないと研修期間を設けて同行させる。

結局、社長の判断でネット通告ということで会社は動き出すのだが、解雇した女性が自殺したことで、ショックを受けたナタリーは会社を辞める、再び出張の日々に戻ることを告げられたビンガムは、空港ロビーのフライト情報の掲示板の前で佇むのだった。

妹の結婚式での家族との触れ合い、アレックスへの思いが溢れ自宅を訪ねると彼女は家族がいた、などのエピソードを上手く物語に取り入れ、見事な脚本が出来上がった。人生の選択肢は沢山あるものの、どのように生きていくかはやはり自分次第ということだろう。家族、仲間、友人、または一人で生きてゆく、いろいろあるものの、やはり愛する家族と一緒に、見守られながら生涯を全うしたいものである。

ジェイソン・ライトマンは、監督アイバン・ライトマンの息子で、映画の多くの事を父の編集室で学んだという映画小僧で37歳と若い監督。
「ジュノ:Juno」という若々しい感性に溢れた映画も発表し、高い評価を受けている。この作品で早くもアカデミー賞監督賞に2度ノミネートされている、これからが、楽しみな監督である。
ジョージ・クルーニーは、はまり役で敏腕ビジネスマンで、ドライでクールな役柄が良く合っている。
“毎日が映画日和” 85点


アルマゲドン「Armagedden」 [サスペンスパニック!]

☆アルマゲドン「Armageddon」
(1998年制作、マイケル・ベイ監督、脚本:J・J・エイブラムス、ジョナサン・ヘンズリー、音楽:トレヴァー・ラビン、ジョージ・マッセンバーグ8
撮影:ジョン・シュワルツマン、製作:ジェリー・ブラッカイマー
ブルース・ウィリス、ベン・アフレック、リヴ・タイラー、ウィル・パットン、
マイケル・クラーク・ダンカン、スティーヴ・ブシェミ、ビリー・ボブ・ソーントン、オーウェン・ウィルソン)
   
この映画の公開前に、もう1本の隕石衝突映画「ディープ・インパクト:Deep Impact」が、公開されている。似た様な設定ではるが、当然のことながらストーリーの内容は大きくことなっている。
両作品とも、世界的にヒットしたが、「アルマゲドン」の方が世界的興行収入では、2倍以上となっている。

盛りあげる要素である細かなディテーィールの積み重ね、扇情的な音楽と主題歌、パニックを徐々に煽る演出手法、マイケル・ベイ監督の真骨頂である。
早い場面展開、意表を突くようなあり得ない物語、派手なCGやアクション、
「バッド・ボーイズ:Bad Boys」「バッド・ボーイズ2:Bad BoysⅡ」「ザ・ロック:The Rock」「パール・ハーバー:Pearl・Harbor」「トランスフォーマー:Transformers」シリ―ズ4作の監督でもわかるように、大艦巨砲主義的(巨額の予算と物量を投資する経営資源の傾注による制作と言う意味)な映画が得意の監督である。

地球に衝突する小惑星を破壊するため、地中に核爆弾を埋め込み破壊するという任務を帯びた石油掘削のプロ達が、召集される。
個性豊かなメンバーの紹介が一通りなされ、映画後半への準備も万端で、クライマックスへ突入してゆく。

娘と部下の恋愛に反対する隊長の父ハリー(ブルース・ウィリス)と娘グレース(リヴ・タイラー)のお涙頂戴の伏線や恋人との絡みも盛り込み、地球のため人類のため、ハリーは自らの命を捨てて地球を救う。

前半の政府機関とNASA総指揮官との主導権争いや、隊員たちの訓練の様子、
ロシア宇宙飛行士の活躍など、お定まりのエピソードを積み重ねる手法は、デザスター・パニック映画としては常道。
小惑星に着陸してからは、さまざまな危機が降りかかり、次から次と隊員が犠牲になっていく、この辺もパニック映画の常道である。

従来のパニック映画の常道を外さず、最新のCGを駆使しダイナミックな映像表現を見せてくれる。これもまた、映画の楽しみである。
観終わった後、どっと疲れが出てくるが、この映画は心地よい疲れの方だった。

「ディープ・インパクト:Deep Impact」との比較も面白い、デザスター・パニック映画好きには必見の映画である。

“毎日が映画日和” 90点

ロング・キス・グッドナイト「The Long Kiss Goodnight」 [大いなる失敗作?]

☆ロング・キス・グッドナイト「The Long Kiss Goodnight」
(1996年制作、レニー・ハーリン監督、脚本:シェーン・ブラック、音楽:アラン・シルヴェストリ、撮影:ギレルモ・ナヴァロ、
ジーナ・ディヴィス、サミュエル・L・ジャクソン、デヴィット・モース、ブライアン・コックス、トム・アマンデス、イヴォンヌ・ジーマ)
     
過去8年間の記憶の無い主婦と彼女に巻き込まれる私立探偵が、彼女の所属していた元CIAの上司と悪の一味を倒すまでを描いた、派手なアクションが売り物の作品。
レニー・ハーリン監督は、「ダイ・ハード2:Die Hard 2」「クリフハンガー:Cliffhanger」「ディープ・ブルー:Deep Blue Sea」等のヒット作もあるが、大失敗作も多い監督でもある。
ストーリー設定に無理があり、必然性が希薄で、子供を巻き込む設定もありきたりで、脚本が安っぽい感じがする。この作品は残念ながら失敗作の方である。

主人公(ジーナ・ディヴィス)は、凄腕の殺し屋で政府機関で働いていた女スパイという設定、任務遂行中に誤って転落、記憶喪失となり家庭の主婦として、子供と愛する夫に囲まれ幸せだったのだが、たまたまテレビに映ってしまい、それを観た悪の組織の一味が、再び彼女を狙い、戦いが始まるというシナリオ、サミュエル・L・ジャクソンが、私立探偵の相棒ヘネシー役で、2人で大活躍をするという作品。

銃撃戦や、爆発シーンの激しさはどぎもを抜く規模で、最後のナイアガラの滝でのアクション・シーンは、どうだ参ったか と叫んでいるレニー・ハーリン監督の姿が浮かぶようだが、参った度が低く、感激度も少ない。

前半のキッチンでの包丁さばきや悪の一味とのいくつかの戦いの内、駅での銃激戦やモーテルでの銃撃戦等15分ぐらいカットし、もっと短くした方が観やすかったように思うし、メリハリが聞いたパンチ力のある作品となったように思う。

ジーナ・ディヴィスは、演技派女優として知られるが、身体も大柄で顔立ちもすべて大作りで、あまり好みではない。アクションを繫いだだけで、作品の完成度が低かったのが残念。

“毎日が映画日和” 60点

必殺仕掛人―春雪仕掛人ー [池波正太郎の世界]

☆必殺仕掛人――春雪仕掛人――
(1974年制作、貞永方久監督、脚本:安倍徹郎、音楽:鏑木創、撮影:丸山恵司、原作:池波正太郎
緒方拳、林与一、山村聡、岩下志麻、夏八木勲、竜崎勝、地井武男、花澤徳衛、佐々木高丸、村井国男、高橋長英、ひろみどり)
   
松竹製作、必殺仕掛人劇場用映画第3作(劇場用最終作)。
今回仕掛ける相手は、岩下志麻扮する猿塚のお千代、勝四郎(夏八木勲)、定六(地井武男)の3人で、仕事の起こりは、蓑火の喜之助(佐々木高丸)、そして花澤徳衛演ずる瀬音の小兵衛で、猿塚のお千代、蓑火の喜之助は、池波正太郎原作「鬼平犯科帳」の登場人物からの借用で、池波正太郎原作の「藤枝梅安―春雪仕掛人―」とは、内容が大きくことなっている。

3人は、子供から女まで全員皆殺しの凶悪犯で、盗賊の掟に反するとのことで、同じ盗賊から殺しを依頼される羽目となる。仕掛けるのは、藤枝梅安(緒方拳)、小杉十五郎(林与一)で、元締めは音羽屋半右衛門(山村聡)で、残念ながら彦次郎は登場しない。この作品には、女性の裸や濡れ場が頻繁に登場するが、時代の要請でもあったのだろう、男性を意識した作品作りとなっている。

池波正太郎の小説とは別物と思えば、それはそれで楽しめるが、やはり釈然としない。さまざまな事情があるのだろうが、もう少し原作に近い作品であってほしかった。
地井武男扮する定六は、風呂場で殺され早めに画面から消えてゆく。夏八木勲扮する勝四郎が、お千代の情夫で子分を演じていてなかなか渋いところを見せる。竜崎勝も好演で、小杉十五郎と立ち会う剣客役が似合っている。

今回は、お千代から離れて押し込みに入る勝四郎を迎え撃つ蔵の中で、音羽屋半右衛門が、立ち回りも見せるという一遍で、小説ではありえない場面もある。
お千代は、梅安が昔捨てた女という設定で、そのことで梅安が窮地に陥る場面もあるが、必要だったかと言えば、必要なかったように思える。

“毎日が映画日和” 75点

必殺仕掛人―梅安蟻地獄ー [池波正太郎の世界]

☆必殺仕掛人―梅安蟻地獄―
(1973年制作、渡邊祐介監督、脚本:宮川一郎、渡邊祐介、音楽:鏑木創、撮影:小杉正雄、原作:池波正太郎
緒方拳、林与一、山村聡、佐藤慶、小池朝雄、秋野大作、松尾嘉代、津田京子、ひろみどり)
   
テレビドラマとして制作された「必殺仕掛人」が好評だったことから映画製作されたが、この映画はその2作目である。

藤枝梅安が主役だが、この映画には彦次郎は登場せず、池波正太郎の短編「殺しの掟」に登場する岬の千蔵(秋野大作)が音羽屋半右衛門(山村聡)の子分として登場する。藤枝梅安は、さまざまな俳優が演ずる人気の役だが、多くのテレビドラマ、映画の中では、緒方拳の藤枝梅安が明るさも有り良く似合っているように思う。(渡辺謙、小林佳樹がまあ合格点か、萬屋錦之介、岸谷五郎は合わない様に見えるし、田宮二郎は、もう何作か見たかったところ)

物語は、池波ファンであれば良く知っている内容だが、伊豆屋長兵衛(佐藤慶)、山崎宗伯(小池朝雄)を2人の名優が演じこの映画を良く盛り上げている。
絶品なのは松尾嘉代で、山崎宗伯の愛人役なのだがキャラクターといい、醸し出す色気といいドンピシャで、テレビドラマで清純派時代から見慣れている女優だが、出演時は30歳で、大人の女性の魅力満載の演技である。

音羽屋半右衛門も大柄な山村聡が演ずるというのも、ちょっとイメージと違うのだが、流石の貫禄を見せていて、腰の据わりが良い。小杉十五郎役の林与一もはまり役で、旅先で出会った薄幸な娘を助ける正義感溢れる役柄で、中々の好演を見せていて、好感度が高い。
池波正太郎ファンにとっては、原作と大きく違う設定でちょっと、がっかりの部分もあるが、映画としてはそれなりに面白く出来ていて、楽しめる内容である。もう少し、悪役2人の非道を画面で見せてくれると臨場感が高まり、もっと盛り上がったかもしれない。

“毎日が映画日和” 75点

必殺仕掛け人 [池波正太郎の世界]

☆必殺仕掛人
(1973年制作 渡邊祐介監督、脚本:渡邊祐介、安倍徹郎、音楽:鏑木創
撮影:小杉正雄、原作:池波正太郎
田宮二郎、高橋幸治、山村聡、野際陽子、川路民夫、秋野大作、室田日出男
森次晃嗣、三津田健、浜田寅彦、穂積隆信、川崎あかね、谷村昌彦)
   
池波正太郎の小説「殺しの掟」と「藤枝梅安」をベースに制作されたテレビ時代劇が好評だったことから制作された「必殺仕掛人」の劇場用映画第1作。
藤枝梅安役は、田宮二郎、西村佐内役は、高橋幸治が演じている。

仕掛ける相手は、実の妹お吉(野際陽子)と悪事を働く一味のリーダー孫八(川路民夫)、そしてそれに加担する悪徳同心の又十郎(室田日出男)である。
映画では、実の妹かどうかはっきりしないという脚本だが、原作(おんなごろし)では実の妹とはっきりと明記されている。

娯楽時代劇としては、退屈せずに観ていられるし、挿入されるエピソードも面白い。ただ、原作の雰囲気から感じる匂いや色彩がちょっと違うような感じがする。もっと徹底してリアルなタッチで描いた方が、作品としての価値は高まったように思う。

映画でいえば、フランスのジャン=ピエール・メルヴィルのようなタッチで制作できれば、傑作時代劇として語り継がれたかも知れないが、まあ娯楽時代劇という設定では、望むべくもないのだが、、、。

一旦、けりがついた様に思われたが、親身になって世話をしてくれた聖天の大五郎の裏切りに会い、跡目を次ぐ予定だった為吉が殺されることで、音羽屋半右衛門(山村聡)が、自ら依頼人でもある大五郎とその一味を殺すという、この映画ならではのシーンも登場する。
梅安の行き付け井筒屋のおもんと初めて結ばれるシーンなども出てくるが、梅安ファンには堪らない場面だろう。

“毎日が映画日和” 65点


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