So-net無料ブログ作成
-| 2015年10月 |2015年11月 ブログトップ
前の10件 | -

尼僧物語「The Nun's Story」 [フレッド・ジンネマン監督の名作]

☆尼僧物語(The Nun’s Story)
(1959年公開 フレッド・ジンネマン監督 脚本:ロバート・アンダーソン 撮影:フランツ・プラナー 音楽:フランツ・ワックスマン
オードリー・ヘプバーン、ピーター・フィンチ、イーデス・エヴァンス、ペギー・アシュクロフト)

フレッド・ジンネマン監督の傑作。ジンネマン監督の映画は、数々の賞やノミネートに輝く傑作揃いである。
作品数は少ないが、楽しければ良いとか、おもしろければ良いという類の映画とは一線を画す作品ばかりである。たびたび映画会社上層部と衝突したとのことで、信念の人でもあるのだろう。ジンネマン映画では、信念に基づき己の考えを貫き通す主人公が描かれ、映画の構成が骨太でジンネマン独特の品格を感じさせる作品が多い。
          
「山河遥かなりなり」「真昼の決闘」「地上より永遠に」「尼僧物語」「日曜日には鼠を殺せ」「わが命つきるとも」「ジャッカルの日」「ジュリア」とどれも傑作ばかり。未見の「暴力行為」「オクラホマ」「夜を逃れて」「サンダウナーズ」「氷壁の女」も早く見てみたい。

オードリー・ヘップバーンの映画の中で、なかなか見る機会のなかった1本で、ヘップバーンのイメージと違う感じがして何故か見損ねていた。“神”への忠誠を誓い、人生を”神“の妻として捧げる尼僧の物語。
修道院へ入るため家族と別れる冒頭部分から、自分の心との葛藤から修道院を離れるラストまで、息も尽かせぬ場面が展開していく。これぞ映画!!

CGや過激な描写で観客をひきつけるしか映画がつくれない制作者達に是非見てほしい映画の一つである。時代背景の描き方、美術や舞台セットなども違和感なく、見事に映画に同化しこの作品の“質”を高めている。

主人公を演ずるヘップバーンに多くの登場人物たちが、さまざまな影響を与えるが、そういう中で、父親を殺害されることで、敵への”慈悲“の心が持てなくなり修道院を離れていくラストシーンが、”神”とは何かを問いかけている。
アカデミー賞では多数候補になりながら、受賞は逃しているが賞は関係なく心が揺さぶられる映画である。

デビット・リーン監督と並び称される一流監督であり、その作品は練に練られた脚本と入念で周到な準備をしていることが良くわかる。 オードリー・ヘップバーンが、演技派女優の一面を見せてくれるが、ヘップバーンにはやはり笑顔が良く似合う。(この映画の役には、あまり笑顔が無い)

”毎日が映画日和“ 90点


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

007 ロシアより愛を込めて [007は、全て最高!!]

☆007ロシアより愛を込めて「007From Russia with Love」
(1963年制作 テレンス・ヤング監督、脚本:リチャード・メイボーム、ジョアンナ・ハーウッド、
音楽:ジョン・バリー、テーマ曲:ライオネル・バート、JBのテーマ:モンティ・ノーマン、主題歌:マット・モンロー 原作:イアン・フレミング
ショーン・コネリー、ダニエラ・ビアンキ、ロバート・ショウ、ペドロ・アルメンダリス、ロッテ・レーニャ
バーナード・リー、デズモンド・リュウェリン、ロイス・マクスウェル、アンソニー・ドーソン、ウォルター・ゴテル、)


傑作サスペンス&世界名作映画の1本!!

「ドクター・ノオ:Dr・NO」に続く映画化2作目。イアン・フレミングの原作出版順番では、5作目に当たる。前作のドクター・ノオと違い、劇画風のSF的な雰囲気は無く、暗号解読機と女スパイ亡命を餌にジェームズ・ボンド殺害を企む罠の中へ敢えて飛び込んでいくという、サスペンスとスルリ溢れるシリアスなボンド像を描いた、世界を代表するスパイ・アクションの傑作。

ノンストップアクション映画の走りとさえ思えるほど、見どころ満載の映画となっている。
原作では、スメルシュ(ソビエト連邦の情報機関)との戦いだが、映画化では「ドクター・ノオ」と同じく犯罪組織スペクターとの戦いに変更されている。

前半は、イスタンブールを舞台に、後半はオリエント急行車内とヴェニスを舞台に、異国情緒も味わえる映画で、イスタンブールの名所が、映画の設定に重要な場面として活かされていて、さながらイスタンブール名所めぐりを満喫できる。

ヒロイン役のダニエラ・ビアンキが、モデル出身だけあって抜群のスタイルで、気品漂う可愛いボンド・ガールを演じている。ペドロ・アルメンダリスが、女性好きのトルコ情報局長という役どころでボンドをサポート、ベテランの味をみせているが、残念ながらこの映画の撮影後がんを悲観し、自ら命を絶ちこの映画が遺作となった。

M、マネーペニー、Qは、この映画で初めて3人そろい踏み、編集のピーター・ハントは第1作から第5作まで編集を務め、第6作「女王陛下の007:On Her Majesty's Secret Service」で監督を務めている。撮影は、第1作から「黄金銃を持つ男:The Man with the Golden Gun」まで務めたテッド・ムーアで、常連となるスタッフが勢ぞろいしている。

Qが本格的に登場し、アタッシュ・ケースなどの新兵器を披露し、それぞれが効果的に使われる。
007人気を一挙に世界的レベルまで高めた映画で、良く練られた脚本とテレンス・ヤング監督の熟練の演出と構成が冴えて、人気を呼んだ。

冒頭の疑似格闘シーンで、ボンドを殺すロバート・ショウが不気味で、強そうな殺し屋グラント役を演じ、一躍スターの仲間入りを果たした映画でもある。

クレップ大佐(ロッテ・レーニャ)が、鉄拳で腹部を殴りつけてもびくともしないシーンや、まるで殺人マシーンの様な異様な雰囲気を醸し出すシーンの連続で、列車内で偽装殺人を工作したり、M16のコンタクト要員を殺害した上成りすまし、ボンドと接触するあたりの不気味さは、サスペンス度MAXのわくわく感。この時ロバート・ショウ37歳、51歳で亡くなるまで大作や名作に数多く出演し世界中で愛される俳優となった。(13年後、「ロビンとマリアン:Robin and Marlian」で、ロバート・ショウは、コネリーと再共演を果たし、銃を剣に変えて再び相まみえている)

ロッテ・レーニャやウラデク・シーバル、ウォルター・ゴデル(後の007で、ソビエト情報局のゴーゴル将軍役で6作出演する)などの脇役が、独特の雰囲気と演技力で映画を盛り上げる。
顔の見せないスペクターNO1プロフィルドが、初めて出演する場面もわくわくする。
後の007映画では、恒例となるが女性の身体にスタッフ・キャストを紹介するオープニングのタイトルデザインやショート・ストーリーを本編前に挿入するアイデアもこの映画から始まっている。

ジェームズ・ボンドのテーマと共に、マット・モンローの歌う”ロシアより愛を込めて”が劇中2度聞けるが、何とも素敵な歌で世界中で大ヒット、その後の映画でも、主題歌は不可欠となった。有名歌手が歌うようになり、23作目の「スカイフォール:Skyfall」では、アカデミー賞歌曲賞と音響編集賞を受賞している。

(007映画で、アカデミー賞受賞するのは、「ゴールド・フィンガー:Goldfinger」の音響効果賞、「サンダーボール作戦:Thunderball」の特殊視覚効果賞の2度だけである)
映画界への貢献度を考えると、007シリーズそのものを、アカデミー賞貢献賞としても可笑しくないと思うのだが、、、。

理屈抜きで楽しめるエンターテイメント作品で、オリエント急行内での、ボンドとグラントの格闘シーンの迫力は今見ても凄いアクションシーンで、映画史に残る格闘シーンだろう。
2人の迫真の演技とテレンス・ヤング監督の手腕が冴えた名場面となっている。
IT機器やCGを駆使する最近の映画と違い、スタジオ撮影とロケ中心の映画だが本当に面白い。わくわく心躍る映画の要素が全て詰まっている大好きな映画である。

”毎日が映画日和” 100点(満点!!)100点(もう1回満点!!)

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

ワイルド・レンジ(「Open Range」 [壮絶なガンファイト!]

☆ワイルド・レンジ「Open Range」
(2004年公開 ケビン・コスナー監督、クレイブ・ストーナー脚本 撮影:ジェームズ・ミューロー 音楽:マイケル・ケイメン
 ケビン・コスナー、ロバート・デュバル、アネット・ベニング)
 
アメリカ西部モンタナを舞台にした西部劇。

見るのは3度目だが、西部の雄大な景色が綺麗に撮影されている。牛追いを迫害する地元の牧場主に立ち向かう流れ者の牛追いの物語。
監督のケビン・コスナーは、制作も数多いが監督作品も3本あり、これがその1本。出来事の積み重ねが丁寧で、“ボス”役のロバート・デュバルの考え方や性格を上手く活かしていて、実直な親分肌の気質が良くわかる。

最後は、(牧場主との対決に、様子見を決め込んでいた町民と一緒になり)、無法の限りを尽くす牧場主とその一味に”正義の報復“を下すというもの。ラストシーンは、流れ者生活を抜け出し、ようやく見つけた安住の地で、落着いた生活をすることを決めた新たな門出というシーンになっていて、晴れやかな気分。アネット・ベニングの佇まいや滲み出る品の良さが、映画に華を添える。

最後の決闘シーンは、今までみたことのないような迫力で凄まじいガンファイト。西部劇の決闘シーンを選ぶときには、必ずや選ばれるであろうド迫力な決闘シーンである。

ロバート・デュバルが圧倒的な存在感。気遣いと思いやりが、物腰やセリフのトーンから滲み出てくるようで、逞しい西部の男を演じている。最近、「鷲は舞い降りた」という映画をみたが、可能性の少ない作戦を指揮するドイツ軍の将校役を演じていた。初めて注目された「アラバマ物語」や「ゴッド・ファーザー」でのトム役、「地獄の黙示録」で爆撃に向かう軍人、「ウォルター少年 夏の休日」のマッチョなおじいさん役など出演作の多くが、印象に残る役者さん。この撮影時、72歳とはとても思えないが、脇役人生から鍛え上げてきた確かな実績と自信が貫録の演技となっている

。昔の西部劇にも似たようなストーリーは沢山あるだろうが、画面に描かれる自然の風景がとても綺麗で心に残る。わかり易い、丁寧な演出で、ケビン・コスナー監督は、傑作西部劇を作ってくれた。

“毎日が映画日和” 85点

       

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

墓石と決闘「Hour of the Guns」 [見逃すなこの西部劇!!]

☆墓石と決闘「Hour of The Guns」
(1967年制作 ジョン・スタージェス監督、脚本:エドワード・アンハルト、撮影:ルシアン・バラード、音楽:ジェリー・ゴールドスミス  ジェームズ・ガーナ―、ジェイソン・ロバーツ、ロバート・ライアン、ジョン・ボイド、フランク・コンバース、サム・メルビル)


スタージェス監督は、1957年にワイアット・アープ主人公の名作「OK牧場の決斗」を監督している。その後のアープとクラントンとの決着までを今回作品とした。

スタージェス監督と言えば、「大脱走」「荒野の七人」などのヒット作が知られる監督で、この映画もスタージェスの傑作映画となっている。ジェームズ・ガーナ―とジェイソン・ロバーツが、共にダンディで素晴らしく、男の友情がテーマといってもいいような作品で、ハードボイルドタッチが香る男臭い映画に仕上がっている。

ジェリー・ゴールドスミスの音楽が場面、場面にフィットし演出を盛り上げ、ルシアン・バラードの格調高いカメラワークも重厚感を出しながらも綺麗ですっきりしている。
     
先ごろ亡くなった(7月19日)ジェームズ・ガーナ―だが、弟たちの復讐に燃える保安官役を男らしく凛々しく演じて見応え十分、演技派としての実力を発揮している。
これまた大好きなジェイソン・ロバーツが、ドク・ホリディ役を好演。「大統領の陰謀」「ジュリア」で、1976年・77年と2年連続アカデミー助演男優賞を受賞している実力派で、セルジオ・レオーネの「ウエスタン」サム・ペキンパーの「ケーブル・ボーグのバラード(砂漠の流れ者)」など印象深い。

2人共、数多くの映画に出演しているが残念ながらDVD等の発売も少なく、作品のほとんどを見ることができないのが残念。出演作品を揃えたい俳優達である。
敵役が、出番は少ないがこれまた渋い玄人好みのロバート・ライアンが演じており、この3人の出演で映画が締まった感じがする。

スタージェスはさすがの演出で、ツボを心得たストーリー展開、無駄な描写がほとんどなく、最後の1対1の決闘シーンまで一気呵成に見せる。撮影のルシアン・バラード(30年代~70年代まで活躍)、音楽のジェリー・ゴールドスミス(生涯170作品以上の音楽を担当)との息もぴったりと言ったところではないだろうか。女性が出演する場面は、ほとんどなく正に男の映画である。 
  
”毎日が映画日和” 大好きな映画で、90点!
  

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

新・おしゃれ泥棒「11Harrow House」 [美人女優を楽しむ]

☆新・おしゃれ泥棒「11Harrow House」
(1974年制作 アラム・アヴァキアン監督、脚本:ジェフリー・ブルーム、チャールズ・グローディン 音楽:マイケル・J・ルイス、撮影:アーサー・イベットソン
キャンディス・バーゲン、チャールズ・グローディン、ジェームズ・メイソン
ジョン・ギールグッド、トレヴァー・ハワード)


原題は「ハローハウス11」で、ワイラー監督、ヘップバーン主演の〔おしゃれ泥棒〕とは何の関係もない映画。

12億ドルのダイヤが眠る地下金庫から、恋人の2人がダイヤを盗み出す映画で、キャンディス・バーゲンが28歳の時の作品。貴賓漂うエレガントな女性で、デビュー間もない「砲艦サンパブロ」と翌年の「風とライオン」が、特に美しい。

脚本も書いている相手役チャールズ・グローディン(「ミッドナイトラン」、「デーブ」等)が、ちょっと貫録不足で華がなく映画としても損をしている。脇を固めるのは大物揃いで、ジェームズ・メイソン、ジョン・ギールグッド、トレヴァー・ハワード等で、面白くならないはずがないのだが、、、、。

ダイヤを奪うアイデアは面白いのだが、演出家のせいかサスペンスが盛り上がらないし、何よりも緊張感が無い。ジェームズ・メイソンが今までの扱いに対し、復讐するためとはいえ最後に薬で死んでしまうのも、尻すぼみの感じで、脚本をもうひとひねりして欲しかった。
今回は悪役のトレヴァー・ハワードが、貫録の演技で楽しませれば、ジョン・ギールグッドは潔癖な強固な人物像を演じ、はまり役すぎて逆に面白味がなかった。
       
この映画は、ダイヤを盗み出すアイデアとキャンディス・バーゲンの美しさを楽しむ映画なので、映画の出来そのものにはあまり関係ないですね。それにしても題名が何とかならないものか。

“毎日が映画日和” 60点(名優たちに敬意を表して5点おまけ)



nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

終着駅トルストイ最後の旅「The Last Station」 [ロシアの文豪の実像に迫る]

☆終着駅トルストイ最後の旅「The Last Station」
(2010年公開 マイケル・ホフマン監督・脚本、音楽:セルゲイ・イェフトゥシェンコ 撮影:セバスティアン・エドシュミット クリストファー・プラマー、ヘレン・ミレン、ポール・ジアマッティ
ジェームズ・マカヴォイ、アンヌ・マリー・ダフ、ケリー・コンドン)

「戦争と平和」「アンナ・カレーニナ」という小説等で、世界最高峰の作家の一人とも言われる「トルストイ」の晩年を描いた物語で、妻ソフィアとの確執が描かれた映画である。映画だけ見れば、著書の著作権を民衆にゆだねるという。

トルストイと13人の子供たちとの生活を守るために、それを阻止しようとする妻との確執がトルストイの家出に繋がり、死期を早めてしまったように感じるかも知れない。
根は深く、結婚当初からトルストイには、農場で働く愛人がいて日記や作品にも書かれているとのことで、必ずしも妻と幸せな結婚生活を送っていた訳ではなかったようだ。そのことが、結婚生活を続ける中で、その他の要因と重なり、平和に暮らしたいトルストイと財産を守りたい妻の壮絶な確執となって(さらに取り巻く様々な利害関係者との絡みなどもあり)いたのではないだろうか。

非暴力主義は、その後ガンジーに影響を与え世界中の人に影響を与えた。作品は今でも、世界中で読まれ世界的文豪の一人として、これから先も営々と読
み継がれていくことだろう。
     
映画は、トルストイが亡くなる直前のさまざまな出来事を描かきながら、妻の愛を描こうとする。ヘレン・ミレン(撮影当時69歳)もいいのだが、ぐっと受け止めるクリストファー・プラマー(撮影当時80歳)が素晴らしい。
それにしても、13人の子供を産んだということが凄い。自分と子供たちの財産を守ろうとするのも当然と言えば、当然なのだが、トルストイ運動への資金提供という意味合いもあっただろうから、一概に言えない部分もあろう。

トルストイにすれば、自分のやりたいようにさせてくれ、静かに生活させてくれということだったろうと思うのだが。 深い絆で結ばれていたというのが映画の主題の様に思うが、トルストイからソファアに宛てた、最後の手紙からは、離れて暮らさなければならないトルストイの心情が見て取れ、そういう意味では最後にソファアに対して人生の伴侶としての愛情はあったのかどうか、トルストイ本人しかわからないと言うことか。ロケ地はどこかわからないが、ロケ地の撮影が素晴らしい。トルストイと向き合うなんてちょっと勉強になる映画です。

“毎日が映画日和” 75点

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

シャーロック・ホームズの冒険「The Private of Sherlock Holmes」 [極上のミステリー]

☆シャーロック・ホームズの冒険「The Private life of Sherlock Holmes」
(1970年制作、ビリー・ワイルダー監督、脚本:I・A・Lダイヤモンド、
ビリー・ワイルダー、音楽:ミクロス・ローザ、撮影:クリス・チャリス
原作:アーサー・コナン・ドイル
ロバート・スティーブンス、コリン・ブレークリー、ジュヌビエーブ・バージュ、クリストファー・リー、アイリーン・ハドスン、モリー・モーリン)

    
名作映画再発見の1本!!
監督は、数々の名作を手懸けたアメリカ映画界の巨匠ビリー・ワイルダーで
シャーロック・ホームズの決定版を制作しようと、約4時間の大作の予定で、撮影も済んだのだが、製作会社等の意向で、半分近くはカットされてしまったとのこと。
(是非、4時間近い大作版を観たいのだが、、、)

ワトソンの死後50年目に、銀行の貸金庫に預けられたBOXが開封されホームズの知られざる事件という回想で始まるこの映画は、ロンドンやスコットランドのロケ撮影の景観やセット撮影の美術や装飾、撮影等が素晴らしく、雰囲気作りがとても優れた作品となっていて、映画に深みと重厚さを与える画面作りは、流石はビリー・ワイルダーである。

前半は、シャーロック・ホームズとワトソンの人柄をいくつかのエピソードで紹介、謎の美女がホームズ邸に運ばれてくる当たりから、本筋に入っていく。
ロシアのプリマバレリーナから子供作りに協力してくれと頼まれる下りは、何とも面白いシーンで、実はワトソンとホモだとウソを言って切り抜ける。

謎の美女の夫エミールの失踪、カナリアの謎、受取人不明の手紙、謎の会社ヨナ、沈黙の修道士達、ホームズの兄マイクロフト(クリストファー・リー)も絡み、これ以上詮索するなと忠告される。
女性に弱いホームズは、罠とも知らず夫探しに協力するのだが、実は謎の美女ガブリエルは、ドイツのスパイで、各国が競って開発中の潜水艇の開発の秘密を探るため、ホームズに調査させ開発場所を突き止めるという作戦だったのである。

さまざまな伏線が、後半になるにつれ解き明かされるようになり、ビクトリア女王も登場し、物語はエンドマークへと近づく。
逮捕されたガブリエルは、ホームズの提案で、スイス国境で英国の諜報員と人質交換でドイツに帰ることになるのだが、その後日本で死亡したとの兄からの手紙が、ホームズに届く。
ホームズの淡い恋の終わりだった。
大筋の概略は以上のとおりだが、画面の構図、演出がしっかりしていることで映画全体に重厚感があり(セットの色遣いも良い)オーソドックスなタッチの見応えのある作品だった。

何とネス湖の怪物は、実は潜水艇の実験をカモフラージュするため、潜望鏡に怪獣の顔と首を被せていたとのことで、何とも楽しい作品となっている。
視察に訪れたビクトリア女王が、敵に名乗らずに攻撃することは、英国らしくない、卑怯な攻撃だと潜水艇を否定するあたり、ジョンブル魂を女王自ら見せてくれる。先日、亡くなったクリストファー・リーが、ホームズの兄役で出演し楽しませてくれる。
CGを駆使する最近の映画と違い、じっくりと練られた脚本と丁寧な画像作りを堪能できる隠れた名作である。
“毎日が映画日和” 85点
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

鷲は舞い降りた [戦争娯楽活劇]

☆鷲は舞い降りた[ The Eagle has Landed]
(1976年制作 ジョン・スタージェス監督 音楽:ラロ・シフリン 撮影:
アンソニー・B・リッチモンド 脚本:トム・マンキーウィッツ  マイケル・
ケイン、ドナルド・サザーランド、ドナルド・プレザンス、アンソニー・クエィル、トリ―ト・ウイリアムス、ジェニー・アガタ―、ロバート・デュバル)

イギリスの冒険小説家「ジャック・ヒギンズ」の小説を映画化、スタージェス監督の遺作となった。
イギリスのチャーチル首相を誘拐するドイツ軍特殊部隊の物語で、原作は読んでないが十分面白い。
今の映画と違って場面展開のテンポがゆっくりだが、その分じっくりと丁寧に描かれている。

スケール感も申し分なく、列車や軍用機や落下傘を使用して敵地に潜入するというだけで、わくわくする。この作戦の結果は失敗に終わるのだが、作戦のほころびの素になるのが、村の少女を救出することで正体がばれてしまうというもので、ちょっと切ない。

135分の映画で、計画の推進者ロバート・デュバル演じるラードル大佐も射殺され、主演のシュタイナー大佐役のマイケル・ケインも最後は殺されてしまう。仕えてくれた部下を魚雷艇で逃がす泣かせる場面もあるが、最後はその魚雷艇も乗組員共々座礁してしまう。

IRA運動のため逃亡を拒む作戦協力者デブリン役のドナルド・サザーランド(最近は大物の政治家や悪玉のボスなどで存在感を示している)や恋人役のジェニー・アガタ―がなかなか好演。サザーランドは、謎の人物とか癖のある人物を演ずるのがうまい。
もう少し、クライマックスが盛り上がっても良かったのだが、ちょっと残念。
     
ジョン・スタージェスは、西部劇や戦争映画をそれなりに見応えある作品に仕上げてしまう監督で「荒野の七人」「大脱走」は、今でも人気作品だが、西部劇では「ブラボー砦の脱出」「OK牧場の決斗」「ゴーストタウンの決斗」「ガンヒルの決斗」「ビッグトレイル」「墓石と決闘」「シノーラ」「さらばバルデス」等の名作、傑作がある。

「北極の基地/潜航大作戦」のように、原作(アリステア・マクリーン)のスケールには程遠く歯切れの悪かった作品もあるが、予算の無い映画でもそれなりに仕上げてくれるのは、スタージェスの演出力と構成力があってこそ。

意外と知られていないが、「荒野の3軍曹」「戦雲」「老人と海」「サタンバグ」「宇宙からの脱出」「マックQ」もスタージェス監督作品である。「ミステリー・ストリート」「暗闇に響く銃声」「人妻の危機」「海底の黄金」「六番目の男」や彼の最高傑作と呼び声も高い「日本人の勲章」を早くDVD化してほしい。できるだけ多くの監督作品を観てみたい一人で、大好きな監督である。
未公開作品に「忘れえぬ慕情」「愛するゆえに」もある。

“毎日が映画日和” 80点

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

名探偵再登場「The Cheap Detective」 [アメリカンコメディの真骨頂!]

☆名探偵再登場「The Cheap Detective」
(1978年公開 ロバート・ムーア監督 ニールサイモン脚本 音楽:パトリック・ウィリアムズ 撮影:ジョン・A・アロンゾ
ピーター・フォーク、アン・マーグレット、アイリーン・ブレナン、マーシャ・メイソン、シド・シーザー、ジェームズ・ココ、ルイーズ・フレッチャー、
ジョン・ハウスマン、ストッカード・チャニング)

「名探偵登場」から2年後の作品。レイ・スターク制作、ロバート・ムーア監督、ニール・サイモン脚本によるパロディ・コメディ第2弾。
今回は、「マルタの鷹」「カサブランカ」のパロディ。
名作の2本の映画を一緒に収めるとどうなるのか興味津々だったが、随所にギャグもちりばめられ、英語が堪能だったらもっと楽しめるのだろう。

ピーター・フォークは、ハンフリー・ボガードのような非情さはないが雰囲気は十分。笑えるのはアン・マーグレットが、色情狂の人妻をオーバーアクションで演じていることや、ジョン・ハウスマンが「マルタの鷹」でのシドニー・グリーンストリートの役やポール・ウィリアムズが、小男の神経質なピーター・ローレの役を演じているのが、何とも可笑しい。ルー・ペキンポーという主人公の名前も独特だが、「名探偵登場」の時の名前サム・ダイヤモンドでも良かったのでは?(名前の響きは、サム・ペキンポーの方がユーモが感じられるが。)

マーシャ・メイソン、アイリーン・ブレナン、ルイ―ズ・フレッチャーなどの名優たちが花を添えているが、イングリッド・バーグマンの役を演ずるルイーズ・フレッチャーは違い過ぎて面喰ってしまうが、それもご愛嬌なのだろう。

なんといっても、名作をパロディにし、ハンフリー・ボガードやイングリッド・バーグマンをパロってしまうのだから、恐れ入りますの一言。また、こんな面白い企画はないのだろうか。ピーター・フォークの演技に、5点おまけです。
“毎日が映画日和”75点

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

名探偵登場「Murder by Death」 [アメリカンコメディの真骨頂!]

☆名探偵登場「Murder by Death」
(1976年制作 ロバート・ムーア監督 ニール・サイモン脚本 音楽:ディヴ・グル―シン、撮影:デヴィット・M・ウォルシュ
デヴィット・ニーブン、マギー・スミス、ピーター・セラーズ、ジェームズ・ココ、エルザ・ランチェスター、ピーター・フォーク、アイリーン・ブレナン、
ジェームズ・クロムウェル、アレック・ギネス、トルーマン・カポーティ―)

室内劇的な面白さで、演じる俳優たちの顔ぶれを見るだけでも一見の価値あり(クローズド・サークルミステリーというらしい)。
いくら作品の中で難事件を解決していても、私にはかなわないだろうという大富豪が、事件を解決させるため、世界的に有名な探偵たちを一堂に集める。

エルキューロ・ポワロ、サム・スペード、ミス・マープル、ニック・チャールズ、チャーリー・チャンなどの名探偵を演じるのは凝りにこったメイクの名優たち。結果は、意外な人物が犯人という“落ち”だが、そんなことより、それぞれに扮した探偵役が徹底してパロディ化されており、演ずる俳優陣の演技合戦を見るだけで十分楽しめる。

実は、ホームズとワトソンが最後に登場するのがオリジナル版とのことだが、最終的にはカットされ今回のバージョンとなったとのこと。マギー・スミスのスタイルの良さに驚き、ピーター・セラーズやピーター・フォークの演技を楽しみ、アレック・ギネスの引き出しの多さが楽しめる。

小説にすると文章から想像するしかないのだが、映画では、こういうパロディ化されたビジュアル的な楽しみ方も出来るのである。画面で演ずる俳優たちを見て、表情や言いまわしや着こなしを楽しむことができる。
雄大な風景や大がかりなセットは無くとも90分があっという間に過ぎ去って行く。脚本のニール・サイモンは、劇作家として有名で「おかしな二人」も映画でヒットした。監督のロバート・ムーアとのコンビで、「名探偵再登場」も作っているので、楽しみである。

“毎日が映画日和” 70点

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画
前の10件 | -
-|2015年10月 |2015年11月 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。